Blog
|
2022.08.29
Category
Tag
Blog
|
2022.08.29
地方創生・MaaS事業推進課の取り組みとして、Web社内報ではこれまで自動運転自動車の実証実験を取り上げてきました。5Gなどの通信技術が安定整備されていくとともに、全国では社会実装に向けたあらゆる実証実験が新たなステップへと進んでいます。OSTechもいくつか参画していますが、今回は自動運転バスによる公道での営業運行実証実験についてレポートします。
定期運行の自動運転バスとしては、茨城県境町の取り組みが有名ですが、それとは別に、2019年より北関東の地方都市で行われているプロジェクトにOSTechエンジニアが参画しています。バスは、私鉄駅から少し離れた教育施設への交通機関として日に3回ほど営業運行。自動運転レベルとしては2※に位置づけられる「特定条件下での自動運転」で、ドライバーが乗車して長期にわたって実験が続けられています。こちらのプロジェクト、車体やシステムの開発、保険や運行オペレーションなどに多くの団体が参画。OSTechエンジニアも自動走行システム開発に携わっています。
今回、拡大が予測されている自動運転関連事業への配置人員増加を見越し、地方創生・MaaS事業推進課のエンジニアが自動運転バスに乗車。すでにプロジェクトに参画している先輩エンジニアから、事業やシステムについて概要をヒアリングしました。
※自動運転レベル…国土交通省や米国自動車技術者協会(SAE)などが中心となって設定している完全自動走行を最終段階とした自動走行技術のレベル。レベル1=運転支援、レベル2=特定条件下での自動運転機能、レベル3=条件付自動運転、レベル4=特定条件下における完全自動運転、レベル5=完全自動運転
日に3度の定期運行を終えた車両は、実験のためのテスト走行を行います。OSTechの参加メンバーは私鉄駅のバス停から乗車。20分ほどの定期運行ルートを往復乗車しました。
乗車すると、荷物棚や運転席の横などにある走行データを集積するためのサーバー類などの機器が目に入ります。運転席後部に取り付けられたモニターには、ハンドル操作のカメラ、車体に取り付けられた外部カメラ、3Dマップ、自動運転状況を示す画像などが表示。乗客からも現在、どのように運行されているのかがわかります。
少しわかりづらいですが、運転席のモニター画像を拡大すると、ハンドルにはふれずに道路を走行していることがわかります。
この日参加したメンバーは、今後、バス・トラック等の大型車両を対象とした自動運転システムの制御系・認識系ソフトウェア開発やプログラム作成、改造設計・電装設計やその搭載、動作確認・評価試験等にアサインされる予定。AIや3D物体認識など、複数の最先端技術をコンビネーションさせて、安全な自動運転システムの実現、自動運転車両の実運用を目指します。メンバーからは、車体に搭載されているLiDAR(レーザーレーダ)やブレーキ・アクセルの制御システムなど、さまざまな質問が繰り出されていました。
このプロジェクトに参加している地方創生・MaaS事業推進課の堀越千春さんに話を聞きました。
お客さま先で、自動運転バス・トラックの制御モデルの作成や実験データ取得と解析、自動運転で使用する地図データを作成。また、実験で使用する機器の取り付けや結線等も担当しています。
自動運転は、機械、電気電子、あらゆる分野の最先端技術が集積して成り立っています。今後のキャリアを考える際、エンジニアとして得意分野を持つことは大切ですが、分野にとらわれることなく全体を俯瞰する視点が必要かなと思います。
自分の専門領域外の業務遂行依頼がきたときに、「やったことがない」「自分の専門外」と断るのではなく、これは新しい技術を学ぶチャンスだと思い引き受けてみてください。
もし失敗しても、上司が責任を取ってくれるはず(笑)。ぜひ、いろいろなことに挑戦してみてください。
地方創生・MaaS事業推進課が関わる自動運転プロジェクトは今後も拡大されることが予想されています。2025年には大阪で万博が予定されており、日本の国家戦略「Society 5.0」の実現を目標としてIoT、AI、ロボティクス、ビッグデータ、バイオテクノロジーといった、あらゆる技術が集積します。そのため、交通インフラの側面からも自動運転技術がこれまで以上に重要な位置づけとなるのです。
そのため、OSTechでも自動運転技術に関わるあらゆる分野で、エンジニアの増員を予定しています。最先端技術に関わるチャンスでもあります。今後も地方創生・MaaS事業推進課や自動運転関連のお知らせにご注目ください。