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2021.12.13

【イベントレポート】1300年前の都でAI観光ロボットタクシーが活躍 〜一般客を対象とした遠隔型自動運転車の実証実験〜

先日もWEB社内報で掲載した地方創生・MaaS事業推進課の自動運転自動車のプロジェクト。前回は、地方自治体と協力した社内トレーニング会の開催についてご紹介しましたが、今度は一般客を対象としたイベントで自動運転車が運行されました。どのような取り組みだったのか、ご紹介します。

1300年前の都で先端技術の実験

今回の自動運転自動車のプロジェクトは、平城宮跡歴史公園スマートチャレンジの一環として、11月の毎週土日に平城宮跡歴史公園(奈良県奈良市)で行われました。

これは、平城宮跡歴史公園の魅力向上や、奈良のまちづくりにおけるスマートシティ実現を促進するため、国⼟交通省や関係機関、有識者、⺠間事業者が連携して2019年から進められている取り組み。これまでにも、AIやVR、IoT等の新技術を活用し、公園の抱える課題の抜本的な解決や、公園利⽤者サービスの創出等による⼀層の魅⼒向上を⽬指すための実験が行われてきました。今回のAI観光ロボットタクシーの取り組みは、OSTechを含む民間事業者3社が協力して実施されます。

そもそもこの公園、今からおよそ1300年前、奈良時代の日本の中心で、現在でいうと国会議事堂や省庁のある霞ヶ関の跡地。そこに、国家的な儀式が行われた第一次大極殿院や、南門、朱雀門が復元整備されています。歴史好きから言わせると、とっても魅力のある公園なのですが、史跡であるため広大な土地に、ぽつんぽつんと施設があるのが現状。公園内を楽に移動できるようにと提案されたのが、自動運転自動車によるAI観光ロボットタクシーでした。

南北1キロ、東西1キロの広大な歴史公園。写真中央の大きな建物は復元された朱雀門

トレーニング会からシステムをバージョンアップ

今回OSTechは、実証実験のオペレーションとともに自動運転車両とシステムを連携するエンジニアリングサポートを行いました。自動運転車両と各種運行のためのシステム提供、運行企画立案・運用サービス検証は別の2社が担当。数年後、公園内でのサービス実用化に向けた技術的な検証、顧客体験の評価収集を目的として開催されました。

実験で使用されたA I観光ロボットタクシーは、自動運転トレーニング会で使用されたものと車体は同型ですが、遠隔操作システム、遠隔監視用カメラ、AI観光ガイドシステムを搭載してバージョンアップ! また、史跡のイメージにあうようにボディを塗装し直しました。復元されている施設の鴟尾(古代の宮殿など、主要建物の瓦屋根両端に付けられた飾り)を彷彿とさせるサイドミラーがアクセントとなっています!

実用化に向けてフル装備した安全性能

実証実験のオペレーションをメインで担当するOSTechは、地方創生・MaaS事業推進課のメンバーで運行をサポート。普段の業務と掛け持ちしながら、毎週土日に交代で、コースの設定、受付、遠隔操作、コースの安全管理、お客様への説明、消毒作業などを担当しました。

自動運転はまず、車両と、少し離れた場所にある施設に設置した2つのGPSを使用し、正確なルートを作成。そのルートをトレースするかたちで運行します。また、前面ガラスに取り付けられたA Iカメラで、車両の前方にある障害物を「人物」「自転車」「車」などと認識し、車両を自動で減速させたり停止させたりします。さらにボディには8つのセンサーを搭載。公道ではありませんが、自転車や歩行者が通行する場所ということもあって、あらゆる方法を用いて、安全運行が守られています。

自動運転の遠隔操作は、操作者が車体天井につけられたカメラの画像で乗客の様子を確認。シートベルトの着用を促して、少し離れた施設から車両のスタートストップを操作しました。

発着場所から少し離れた建物内で遠隔操作
お客様が触れる場所を入念に消毒
公園内には散歩する人、サイクリングを楽しむ方がたくさん。誘導もしっかりと。

今回は1台での運行でしたが、将来的には、ひとりの操作者が数台の自動運転車を遠隔管理することを目標としています。

車両の最大乗車人数は6名ですが、感染対策として、1団体でご乗車いただく場合以外は4名までに制限して運行しました。本来であれば、車両が走ることのない公園内という場所を考慮し、スピードも時速5キロとしたため、運行は1日8回。11月5日の夕方に、近畿一円のニュース番組で取り上げられたこともあって、未来の乗り物に興味がある方がたくさん来場され、一時は2時間待ちとなることも。初日は、一般のお客様に加えて自治体関係者や公共交通機関関係者の視察もあり、おおよそ40名の方にご乗車いただくことができました。

この日、運行をメインにサポートしたのは同課の若手4名。広い公園内を1日歩き回り、歩数は15,000歩にも及んだとか!お疲れ様です。

一般の来場者からは、「ゆっくりだったので施設がよく見えた」「音声ガイドがあったので、施設の面白い部分がよくわかった」「自動運転はまだ先の技術だと思っていた。貴重な体験でした」という声をいただきました。自動運転車両のシステムに興味のある方から、乗車後にご質問を受けることもあり、盛況のうちに終了することができました。

自動運転車の運行をメインで担当していた山入端(やまのは)斗哉さんは「どのお客様も、車両が自動で動き出すと、驚きの声を上げてくださり、多くの方が、『早く実用化してくれると助かる』とおっしゃっていました。また、この車両を目的として来場されたお客様も多く、自動運転が社会で求められていることを強く感じました。今回の走行での意見・経験をいかして、車両をより安全に、快適に利用できるように取り組んでいきたいです」と、イベントを振り返りました。

高齢者から子どもまで、さまざまな年代の一般の方に自動運転技術を知ってもらう機会になった今回の実証実験。普段、あまり接することのない一般の方や、導入を検討している自治体の方のご意見を直接聞くことができる貴重な機会となりました。今回いただいたご意見を反映し、今後はさらにユーザビリティを高めた自動運転車両を導入し、地方自治体で実用化を視野に入れた運行テストが行われる予定です。

静岡県藤枝市で行われているクラウドソーシングや、今回のような自動運転車のサポートなど、さまざまな分野で活躍する地方創生・MaaS事業推進課の取り組みについて、これからもWEB社内報でもご紹介したいと思います!

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