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2024.04.15
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2024.04.15
国内トップクラスのエンジニア在籍数を誇るアウトソーシングテクノロジー。メンバーの一人ひとりに、夢があり、キャリアプランがあり、ライフスタイルがある。そこでオンラインマガジンでは、等身大のOSTechメンバーにスポットを当てる新企画をスタート。OSTech女子のリアルに引き続き、OSTech男子のリアルをお届けする。今回は「就職編」「転職編」「活躍エンジニア編」の3部作の第2話、エンジニアになろうと奮闘するユウが、OSTechへ転職するまでの物語。
ユウ(中途入社)
【前回までのあらすじ】
地方都市出身のユウは、大学進学を機に親からの自立を目指し、上京。学費も生活費もアルバイトで自ら稼ぐつもりが、学業と仕事の両立は難しく、大学を中退した。正社員での就職を目指したが挫折し、自立をいったん断念。地元に戻り、再就職活動をスタートした。
故郷に帰ってきて、ユウは孤独感におそわれていた。
高校時代をともに過ごした友人たちは、みんな結婚していた。男子の仲間たちも、それぞれに彼女がいたり、結婚していたり。自分だけ彼女ナシ。取り残されたような気分だった。中学時代の彼女とは転校で別れ、高校時代の彼女とは上京で別れ、大学時代の彼女とは中退で別れた。それぞれに理由はあるものの、長く続かなかったのは、ユウが未熟で、相手のことをきちんと考えてあげられなかったからかもしれない。
その後、フリーターだった時代には遊び仲間もいたが、真剣な交際には発展しなかった。地元に戻ってきたいま、「自分には、パートナーの人生を背負う“甲斐性”も“覚悟”もない。このまま一生、結婚できないかもしれないな…」。そんな思いが、頭をよぎることもあった。
まずは定職に就いて、生活を安定させなければ、生涯シングルになるかもしれないな。ユウは職探しに没頭した。
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しかし、再就職への道は厳しい。
なんとか面接までたどりついても、必ず「いままでに、どんなスキルを身につけたのか」と聞かれる。そのたびに、歯切れの悪い答え方をしているユウ。落とされてしまうのは当たり前だった。そんな話を大学時代の友人にメッセージで伝えると、「そうなんだ。オレは東京で、正社員としてバリバリ働いていて…」。一方、家族での食事のときは、いつも父が無言のまま、心配そうに自分を見つめてくる。あせりはつのるばかりだった。
そんな中、ユウはある求人広告に目をひかれた。自社で開発した法人向けのパッケージソフトを販売しているIT企業だ。募集していたのはエンジニア職ではなく、サポートデスク職だった。
「でも、ソフトウエアの開発会社に勤めていれば、エンジニアに挑戦するチャンスをもらえるかもしれない」。
モノづくりに関わる仕事で、エンジニアになれる可能性がある。しかも、「最先端でカッコいい」と思っていたIT分野。地方都市で、ここ以上に、自分の希望にかなう仕事はないかもしれない。
そう思ったユウは、これまでになく、入念に面接の準備をした。居酒屋で接客をしていたことも、「サポートデスクに必要なコミュニケーションスキルがある」ことを示す武器になってくれた。結果、見事に採用を勝ち取り、ユウは晴れてIT企業で人生の再スタートを切ったのだ。
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ところが、わずか半年で退職してしまうことになった。
いちばんの理由は、企業風土になじめなかったこと。勤務先のIT企業は、カリスマ的なトップが陣頭に立って、自社ソフトを拡販していくスタイル。
開発に携わるエンジニアも、ユウが所属するサポートデスク部門も、「売上を増やす」という強いプレッシャーにさらされていた。そのせいか、職場の人間関係もよいとは言えず、先輩エンジニアに教えてもらえるような環境ではない。ユウは「この会社でエンジニアになっても、成長できそうもない」と早々に見切りをつけた。
ただ、仕事自体は「おもしろい!」と感じていた。自社ソフトについての知識はもちろん、パッケージソフト全般に関して幅広く勉強できた。サポートデスクとしての業務も、時には顧客企業のユーザーから、「PCが立ち上がらなくて。どうすればいいでしょう…?」など、自社ソフトにまったく関係のない相談が持ち込まれることもあったが、ユウは親身になって対応した。ものすごく初歩的な段階ではあったが、「専門知識を持ち、それをユーザーの課題解決のために提供する」ということでは、エンジニアとしての業務に近い仕事ができていた。
IT企業を退職したユウは、「もうこれ以上、中途半端なことはしたくない」と決心して、再就職先探しをスタートさせた。目指すは“未経験からエンジニアを目指せる企業”だ。とはいえ、自分にはエンジニアの世界に対する知見がほとんどない。その狭い知見の範囲で会社を探しているから、前職のように失敗に終わってしまうのだ。そう考えて、ユウは転職エージェントを頼ることにした。
その結果、「プロに頼ってよかった」。すぐにそう思えた。世の中には、未経験者を歓迎するエンジニアリング企業が、かなりあるのだ。転職エージェントが見せてくれた希望にかなう企業のリスト、その中の1社に「アウトソーシングテクノロジー」という名前があった。求人の内容は、半導体分野に携わるエンジニア職の募集で、未経験者歓迎だという。
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「半導体か…」。高校時代、夢中になった電子工作キットのことを思い出した。モノづくりの仕事は、自分に合っているかもしれない。
それに半年間とはいえ、IT企業に勤務していた経験から「コロナ禍でリモートワークが増えてPC機器の需要が高まり、半導体の生産が追いつかないほどである」ことを知っていた。市場価値の高いエンジニアになれる、絶好のチャンスかもしれない。今度こそ、失敗するもんか。面接までの間、ユウは必死に企業研究に取り組んだ。
オンライン面接の当日は緊張したが、画面に映る担当者はとても気さくで、ざっくばらんな調子だったので、すぐにリラックスして話すことができた。ひと通りの会話が終わった後、「転居は可能ですか?」と聞かれた。候補地は今までに行ったことがない地方ばかりだったけれど、環境を変えて心機一転するのは悪くない。「御社のご意向に従います」と伝えた。
それから1週間後、OSTechからメールが届く。開封すると、最初に“内定通知書”の文字が目に飛びこんできた。その瞬間、喜びで胸がいっぱいになった。両親に報告すると、自分のことのように喜んでくれた。やっと、人生を本当にリスタートできそうだ。ユウは地元の地方都市から、OSTechから指示された勤務地がある、別の地方都市へと向かった。
(第3話・活躍エンジニア編に続く)
https://www.ostech-online-magazine.com/blog/20240422_2/