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2021.08.23
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2021.08.23
神奈川県の中央部に位置する厚木支店。現在、約400名の社員が在籍し、その半数は、この地に生産拠点を置いている大手自動車メーカー関連の業務に携わっている。実はこの厚木支店が、「アウトソーシングテクノロジーのリーダー制度がうまく機能している」と評判なのをご存じだろうか。リーダー陣で話し合いを重ね、エンジニア同士のコミュニケーションの機会を創出したり、計画的にメンバーのスキルアップ支援を行っている。今回は、セクションリーダー(以下SL)の松本大介、グループリーダー(以下GL)の横田真幸、チームリーダー(以下TL)の小菅可奈の3名を取材。リーダーとして意識していること、厚木支店への想い、今後の目標など、ざっくばらんに語り合ってもらった。
中:SL 松本 大介(R&D事業本部 厚木支店)
◆入社:2010年(中途)
◆趣味:ギター、バンド、ガンプラなどのガンダム関連全般
左:GL 横田 真幸(R&D事業本部 厚木支店)
◆入社:2013年(中途)
◆趣味:海外ドラマ・映画鑑賞
右:TL 小菅 可奈(R&D事業本部 厚木支店)
◆入社:2017年(新卒)
◆趣味:旅行、買い物、ゲーム、動画鑑賞
松本 大手自動車メーカーの新型車開発に携わっています。全体で数千人が携わる大きなプロジェクトで、私が担当しているのはシャシー制御システムの開発マネジメントです。OSTechでの役割はSLで、厚木支店のエンジニアの皆さん、約420名をサポートする立場です。
横田 同じ大手自動車メーカーの仕事で、私は試作工場で設計者や実験担当者をサポートする業務に携わっています。ソフトウェアをテストしたり、ハードウェアの電気・電子的なチェックをしたり。OSTechでの役割は、松本さんの元で、約130名のメンバーを支えるGL。私の元に4名のチームリーダーがいて、それぞれのチームをまとめてくれているのを、サポートしています。
小菅 横田さんのグループで、TLを務めている一人です。現在は25名のメンバーをサポート。私と同じ現場にいるメンバーが10名ほどいますし、同世代の20代の女性が多いので、和気あいあいとしたチーム運営ができているかな、と思います。業務では、松本さん・横田さんと同じ大手自動車メーカーさんの仕事に就いていて、アフターセールス商品の品質保証の仕事をしています。
松本 コミュニケーションの機会を増やすことを特に意識しています。例えば、イベントだと花見/バーベキュー大会。コロナ以前は年に1回は必ず開催していて、朝から夕方まで、桜の下でずっと肉を焼き続けるイベントです(笑)。出入り自由にしていて、いつ来ても、いつ帰ってもOK。そうやって、参加しやすくコミュニケーションの機会をとれるようにしています。コロナ以前は、厚木のメンバーだけの社員旅行もやっていました。これも完全自由参加です。
小菅 旅行の企画は若手リーダーが立てることになっていて、私も担当したことがあります。入社してまだ数年。本当に大変でしたけど、みんな楽しそうだったので、「やってよかったな」と。いい経験です。
横田 飲み会と違って、バーベキューや旅行の良いところは、お酒が苦手なメンバーでも参加できること。“普通の飲み会”はほとんどないですね。コロナの影響もあるので、最近はeスポーツのイベントに力を入れています。先日も『スマブラ』大会を開催して、約30名が参加してくれました。これは秋開催予定の大規模大会のプレイベント。参加者がたくさんになってもきちんと運営できるように、今から計画しているところです。
松本 はい。でも、まさに「参加しない」ということもコミュニケーションの良いきっかけにもなる。イベント不参加のメンバーとリーダーが面談したときに、「じゃあ、どういうことをやってほしい?」とヒアリングするのです。そこでよく出てくるのが「仕事とプライベートはきっちり分けたい。業務に役立つスキルが身につくような企画ならぜひやってほしい」という声。そうしたヒアリングをきっかけにして、支店独自の勉強会の企画もたくさん生まれました。
横田 ベテランエンジニアが講師役を務めるプログラミング勉強会とか、ハードウェア系なら実物の自動車エンジンを解体してみる企画とか。大手自動車メーカーの業務に携わっているエンジニアが多いことから、自動車や自動車業界の基礎について学ぶ勉強会も開催しました。
小菅 あの勉強会には、むしろ厚木支店の中で、自動車関連の仕事をしていないエンジニアが興味を持ってくれて、たくさん参加してくれましたね。自動車が趣味の方とか。そのおかげで、自動車関連の現場にいるエンジニアと、そうでないエンジニアが交流する機会にもなったと思います。
松本 少しは組織力を強化できたのでは、と感じています。イベント開催や、個々のメンバーが抱えている不満や問題意識と向き合ってきた結果、厚木支店の離職率は低下傾向にあります。スキルアップのサポートに取り組んだ成果も少しずつ出てきていて、この1年間で13名のメンバーが大幅なチャージアップを果たしました。その影響もあって、支店の利益率も上がっています。
横田 コミュニケーションの機会を増やしたことで、エンジニアのみなさんが、私のことを相談相手として認知してくれたように思います。先日、まだ入社したばかりなのに「辞めたい」と相談してくれた人がいました。理由を尋ねてみると、「今の現場では補助の仕事ばかりになってしまう。独り立ちして開発の仕事をしたいから」と。ですが、よくよく聞いてみると、補助の仕事で経験を積めば、いずれ独り立ちできそうな状況でした。
それで、「今の仕事を続けるなかで知見やスキルを身に着けていったほうが、早く理想のキャリアに到達できるのでは」とアドバイスしてみたところ、ハッとした表情になり、受け入れてくれました。成長意欲が非常にあるのに、今携わっている仕事と、自身の理想のキャリアとを結びつけてくれる助言者がいないために、辞めてしまうエンジニアがいたら、非常に不幸なことだと思います。私たちリーダーが、エンジニアのみなさんの「気軽な相談相手」になれたら、こういう問題が起きることは少なくなるのではないでしょうか。
小菅 チームリーダーへの昇進については、横田さんからお話をいただきました。最初は「私で務まるかな」というのが率直な気持ちでした。ですが、キャリアアップにもつながりますし、何より尊敬する横田さんに推薦されたのがうれしくて、「頑張ってやってみよう!」という気持ちになりました。実際にやってみて、とてもやりがいを感じますし、仕事に対する責任感も増したので、いい選択だったと思います。ちなみに、厚木支店では、5年ぶりの女性チームリーダーの誕生らしいです。
横田 小菅さんならうまくまとめてくれると思い、推薦しました。期待以上の成果を上げてくれているので、「私の目に狂いはなかったぞ」と(笑)。
私自身のリーダー就任時を振り返ると、信頼している松本さんに言われたことなので、もうその場で「分かりました!」とお受けしましたね。リーダーになってから、私のことを頼ってくれる人が増えて、仕事がより面白くなってきたと思います。
松本 私は、最初にチームリーダーへの昇進のお話をいただいた時、丁重にお断りしたんですよ。というのも、OSTechに入る前、ロックバンドで生活をするという夢が潰えた後ですが(笑)、ガソリンスタンドのエリアマネージャー兼マネージャーをしていたことがあります。そのときに、会社の指示に沿ったマネジメントに疲れたから(笑)。でもだからこそ、違う畑で自分なりのマネジメントをしてみようと思い直し、再度の昇進の打診があったときにはお引き受けしました。
自分なりに気を付けていることは、エンジニアの皆さんに対して、厚木支店という拠点を盛り上げていく“同志”と考えて接すること。共通の目標を持つ対等な存在として接することで、「話しやすい」「相談しやすい」と思ってもらえる。そんな姿勢を意識しています。
松本 小菅さんのような若手が、どんどんリーダーになって活躍していくことだと思います。今、厚木支店だけでも見渡すと次期リーダー候補がたくさんいます。時間がかかりますが、その人たちが昇進してリーダーが増えていけば、組織力が大きく向上すると思います。そして、理念をアクションに落とし込んでいく。そんな支店がたくさんあれば、会社として大きな“伸びしろ”になりますよね。
横田 大袈裟にいえば、全員リーダーにすればいい(笑)。それは無理としても、若手に昇進してもらうためにも、マネジメント研修を充実させるのが良いかもしれませんね。やっぱり、意気込みがあるだけではどうにもならないこともありますから。基本的な知識を身につける機会をつくっていくことは大事だと思います。
小菅 同感です! マネジメント研修は、今からでも私が受けたいくらい。社内だけではなく、社外のセミナーでもいいので、参加機会を増やして欲しいですね。
小菅 自信をつけたいです。そのために、コミュニケーションスキルを高めることが必要だと考えています。その上で、メンバーが働きやすい環境をつくっていきたいですね。
横田 後進の育成に力を入れて、若手の皆さんがもっと活躍できる場を設けていきたい。また、若手エンジニアが成長していくための道筋を立てることも大事だと思っているので、多様なキャリアパスを設計する仕事もしてみたいです。
松本 メンバーの自律性を育てながら、“やりたいことにチャレンジできる環境をつくる”ことに力を入れていきたいですね。そのためにも、リーダー組織の強化、キャリアアップやフォローアップ体制の改善に更に取り組んでいかなければいけないと思っています。