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2023.03.06

【設備エンジニアリング課】 自動化装置の設計・製造のプロたちが、 OSTechに合流してくれました

2022年10月1日、アウトソーシングテクノロジーは、製造業の技術革新を支援する能力を飛躍的にアップさせた。グループのサンガテク株式会社が新たにOSTechの「設備エンジニアリング課」に合流して再スタートを切ったからだ。これにより、サンガテク時代から大手自動車メーカーなどの顧客企業向けに、自動化装置の設計・製作を手掛けてきた “腕に覚えのある”職人肌のエンジニアたちが、OSTechのメンバーとして加わった。そこで今回は、そうしたメンバーの中から田島隆之、天野蓮、上村学、設樂幸憲、木村和彰の5名に集まってもらい、座談会を企画。どのような技術力を、どのような現場で発揮しているのかなどについて、語り合ってもらった。

PROFILE

  • 田島 隆之(営業)
    ◆年齢:48歳
    ◆趣味:一人BBQ

  • 天野 (組立)
    ◆年齢:22歳
    ◆趣味:散歩

  • 上村 (組立)
    ◆年齢:40歳
    ◆趣味:ラーメンの食べ歩き

  • 設樂 幸憲(設計)
    ◆年齢:39歳
    ◆趣味:バドミントン、ドライブ

  • 木村 和彰(回路)
    ◆年齢:39歳
    ◆趣味:ドライブ・ショッピング

設備エンジニアリング課とは?

設備エンジニアリング課は、工場の自動化、モノづくり、真空ポンプのメンテナンスや設計開発、設備保全業務に携わるエンジニア約143名が所属。全国各地に配属されており、海外、国内各地の工場に長期出張して、装置の立ち上げやメンテナンス業務に従事しているメンバーも多い部署となっています。

元サンガテクの職人集団が合流することによって、ユーザー目線で緻密に設計・製作されてきた知見がOSTechに共有され、シナジーがうまれることが期待されます。

1ミクロン単位の調整を手作業でやります

では自己紹介を兼ねて、それぞれの業務内容を教えてください。

田島 私は、営業を担当しています。サンガテクは工場内で稼働する、自動組立・自動検査・自動搬送といった装置の製造が得意分野。特に、自動車メーカーさんでの実績が豊富です。私はもともとエンジニアで、自動車メーカーさんの工場に設置する自動化装置の設計・製作に携わったことも。3年前から営業に転身し、自らのバックグラウンドを活かして、現在は大手自動車部品メーカーさんを中心にアプローチしています。

天野 私は、装置の組立に携わっています。図面を見ながら、工場の現場で装置を組み立てるのが役目。最近の例では、自動車関連メーカーさんの工場で、車のサスペンションに、マグネットを自動的に組み込むための装置を手掛けました。大きさが2mほどもある部品を組み立てていく作業。安全の確保に注意しなければいけない仕事です。

上村 天野君と同じく、主に組み立てを手掛けています。また、組み立てと並行して、お客様の工場で装置を正確に稼働させるため、各部品の精度を現場で調整するのも仕事。これまでに積み重ねて来た経験に基づいて、1ミクロン単位の調整を手作業でやります。私たちが扱っているのは、工場での製造プロセスを自動化する装置ですが、それを据え付ける最終段階では、経験豊富なベテランエンジニアの手作業が必要になります。

設樂 私は設計に携わっています。お客様のご要望に合わせて、自動化装置をプランニングし、図面を作成するのが役目です。設計の仕事に携わって約17年。さまざまな業種のお客様に向けて、多種多様な装置の設計を手掛けてきました。

木村 私は回路を担当。電気設計からプログラミングまで、回路に関わる工程を一気通貫で手掛けています。サンガテクに入社して15年目なので、回路関連の業務には、一通り携わってきました。今は、後輩エンジニアの育成にも携わっていて、自分が培ってきた技術を伝えていく仕事もしています。

装置を扱う人が作業しやすいように設計

みなさん、“ものづくり職人”的なエンジニアの経験がある訳ですね。では、これまでに携わった仕事の中で、「お客様に高い価値を提供できた」という経験をシェアしてください。

田島 エンジニア時代の経験で印象に残っているものをお話します。
コロナ前は、国内メーカーの海外工場に出向いて仕事をするケースも少なくなかったのですが、ある大手電機メーカーさんの依頼を受けて、アメリカ・中国・インド・タイ・マレーシアなどの海外工場をまわり、自動化装置の設計・製作を手掛けたことがあります。それぞれの国に約2か月間、滞在。現地のスタッフにアドバイスしながら、自動化を推し進めました。全体では大きな生産プロセスの効率化になり、お客様に貢献できた実感がありましたね。

上村 私からは地元・米沢にある設備会社の事例を紹介させてください。その工場では、私たちの装置を高く評価してくださって、ずっと継続してご依頼いただき、現在は7台目の装置を組み立てているところです。評価していただいているポイントは、“装置本来の性能以外の部分”にも気を配って組み立てていること。装置に付いている扉ひとつガタツキがないように調整しています。その結果、お客様から「装置を見ただけで、品質の良さを感じる。工場全体のグレードが上がった印象があり、作業スタッフのモチベーションも上がります」と評価していただけました。

設樂 ある工場に納入する装置の設計をしたときのこと。お客様のご要望をうかがい、それを図面に落とし込んでみると、装置本体から出っ張る部分ができてしまう。工場でこの装置を扱う作業者の方にとって、邪魔になる可能性が高いことに気づきました。そこで、突起がなくなるように修正した設計をご提案。「よく気がつきましたね。ありがたいです」と評価していただき、採用してもらえました。長年、現場の意見を吸い上げながら設計していくうちに、「現場で作業しやすい設計に」という姿勢が身につきましたね

木村 私からは、文房用具を製造する工場で、工程の一部分の自動化装置を手掛けたときの話をします。そこの工場長の方と議論しながら、最適な装置を製造していったところ、徐々に、別の工程に関しても技術的な相談をしていただけるように。「外部のエンジニアさんがたくさん入ってくれているけれど、技術的な課題の解決策について、深い話ができるのはサンガテクさんだけ」とまで言っていただいて、光栄でしたね。結果として、この工場で製造しているほかのプロダクトの製造ラインにも、私たちの装置を入れていただくことに繋がりました。

天野 私の場合、まだ経験が浅いのですが、手作業での工程をお客様に評価していただいたことがあります。ある工場に納入した装置を組み立てる際、アクリル板にフィルムを貼っていく工程があって。フィルムと板の間に気泡が入らないように、フィルムの端まで空気を押し出すようにして、抜き切るように仕上げました。一枚一枚、丁寧に貼るように心掛けた結果、お客様から「とても綺麗に貼れている」と評価していただけました。これから経験を積んで先輩たちのように高度な技術を身につけても、評価いただいたことは忘れず丁寧な仕事を続けていきたいですね。

データベースと人づての両面で技術を共有

みなさんの細部にわたる注力が多くのお客様から高く評価されているのですね。では、それほど高い技術力を発揮できるのは、どのような組織風土があるからなのか、聞かせてください。

田島 サンガテクは設計事務所からスタートして約40年、さまざまな装置の設計・製作を手掛けてきた歴史があります。その中で培った膨大なノウハウを、誰でもアクセスできるようにデータベース化しています。また、手作業の勘所のような、デジタル化しにくい要素は、ベテランエンジニアから若手エンジニアへ、人づてで共有。技術力を伝承する仕組みがあるので、何か新しい装置を手掛けるときに、参照できるデータや技術が豊富にあるのです。

設樂 同感です。付け加えれば、個々のエンジニアの経験を共有する際、成功だけでなく、失敗も共有できていることも大きいかもしれません。自動化装置は、すべてが一品生産で、今までにない新しいもの。当然、その設計・製作では試行錯誤を繰り返します。だからこそ、失敗を共有できるのは、設計をするうえで非常に役立ちます。

天野 経験が浅い私からすると、若手エンジニアを教育する体制が整っていることはありがたいです。わからないことがあれば、先輩方が丁寧に教えてくれますし、過去の知見がデータベース化されていることもあり、エンジニアとして早く成長できる環境が整っていますね。

木村 エンジニア全員が、年齢や経験年数、立場などに関係なく、発言しやすい環境があるのも大きいと感じています。エンジニアの意見を尊重し、良いものならば、若手の提案であっても採用される。反対に、ほかのエンジニアの仕事についても間違いに気づけば、しっかり指摘し合う。メンバーで技術を高め合う風土がありますね。

上村 その上で、チームワークを発揮できていることも、高い技術力をお客様に提供できている理由かもしれません。協力し合いながら、ひとつの装置を作り上げていく。高い結束力を発揮できるのも、私たちの強みだと思います。

自動化専門のエンジニアを輩出していきたい

最後に、OSTechにグループインしたことによって、どんな未来が拓けると期待しているかも含めて、今後の目標を聞かせてください。

田島 サンガテク時代は請負が中心でしたが、OSTechにグループインしたことで、既存のお客様にSESも提案できるようになった。そのことに、大きな可能性を感じています。例えば、私たちが自動化装置を設計・製作した後、それを現場で扱うエンジニアを派遣することも可能です。そうすることで、自動化装置に関する技術を伝えていき、「工場の自動化を推進するエンジニア」を育成していくことも視野に入れています。

天野 私はOSTechに入社し、サンガテクへ出向していたのが、今回のグループインによって戻って来た、という経歴です。その立場を活かして、サンガテク出身のエンジニアとOSTechのエンジニアの間を繋ぎ、それぞれの知見や経験を共有し合えるような環境をつくっていくことが目標。OSTechの後輩エンジニアに、サンガテク出身のエンジニアの高度な技術力を伝えていきたいと思っています。

上村 今まで経験したことのない業種のお客様の仕事に取り組み、エンジニアとしての幅を広げていきたいと思っています。OSTechには、サンガテク時代には受注していなかった、幅広い業種の仕事で数多くの実績がある。そうしたお客様から案件を受注していけたら良いなと。新しいチャレンジができるので、ワクワクしています。

設樂 私は自動車分野での経験が豊富なので、OSTechがその分野で受注している案件に、自分の知見を提供することで、よりお客様に貢献できるのではないかと考えています。また、個人的な目標として、3DCADを使って図面を作成できるようになりたい。グループ会社のシンクスバンクが運営するKENスクールには3DCADの講座があるので、受講したいと思っています。

木村 お客様のご要望をしっかり反映できるようなエンジニアでいたいと思います。電気技術分野の進歩は早いから、常に新しい知識を身につけていく必要がある。その点、OSTechにはKENスクールのほかに社内勉強会もあって、違う現場のエンジニアさんの経験をシェアしてもらえる。また、資格支援制度もあるので、この先、エンジニアとしてより成長していけると思っています。

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