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2024.03.04
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2024.03.04
[登場人物]
■チノ(エンジニア/新卒入社)
国内トップクラスのエンジニア在籍数を誇るアウトソーシングテクノロジー。メンバーの一人ひとりに、夢があり、キャリアプランがあり、ライフスタイルがある。そこでオンラインマガジンでは、等身大のOSTechメンバーにスポットを当てる新企画をスタート。活躍中のエンジニアの男女1名ずつに登場してもらい、学生時代から現在に至るまで、仕事やプライベートでのストーリーをドキュメンタリー形式でお伝えする。今回は、女性編。「就活編」「社会人スタート編」「活躍エンジニア編」の3部作の第1話は、彼女の学生時代からOSTechに入社するまでの物語をお届けする。
「就活がヤバい…」。大学3年の夏の終わりを迎えても、卒業後の進路が決められない。チノの額からは、暑いからではなく、焦りからの汗が流れる。
大学に進学したころから、「将来は安定した企業で働いて欲しい」という親の期待に重圧を感じていた。専攻は化学だったので、大企業の研究職に就けば親を安心させられる。
とはいえ、限りなく狭き門だ。
とりあえず、化学分野への想いは、いったん封印。業種を絞らず広く探してみよう、そう心に決めた。
でもそうなると、あまりにも選択肢が多すぎる。判断軸が見つからないまま、9月からのインターンシップにのぞんだ。
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チノが参加したのは1day インターン。いくつか参加した中で、1社だけ興味を持ったのがOSTechだった。技術者派遣業界では大手。入社すれば、「さまざまな業界・分野の現場で、エンジニアとして幅広く業務を経験できる」というのだ。
親戚にもスキルを持って派遣で働いている人がいたし、大手だったら親も安心してくれるかな。
その上で、自分に合った仕事をゆっくり見つけられる。いつかは大学で学んだ化学知識を活かせる仕事に巡りあえるかもしれない。
ただし、携わる現場が自分に合っているとは限らない。
その不安も、インターンで出会った文系出身の先輩が、とてもイキイキと自分の仕事について話すのを見て、消えた。
やる気があれば文系出身者でもエンジニアとして活躍できる。成長できる環境に、まだ面接もしていないのに、「入社するならココだ!」と心の中で決めていた。
「チノ、進路はもう決まったの?」。
OSTechの面接に向けて準備を進めていると、大学の友人が声をかけてきた。「アウトソーシングテクノロジーという、エンジニアの人材サービス企業に就職したいと思っているんだ」と答えると、「エンジニア? 男の人が多そうな会社だね。イケメンいた(笑)?」だって。
「違うよ。そういうのじゃなくて、理想的な職場だと思ったから」と反論した。
OSTechは全国に支社があって、グループだとエンジニアだけで2万名もいる会社と聞いている。男性が多いとは聞いているものの、女性にとってもキャリアの選択肢はたくさんあるはず、そう思った。
そして、いよいよOSTechの面接当日。
担当者から「どういう仕事がしたいの?」と聞かれ、あまり深く考えずに「ITの仕事をしてみたい」と答えた。多少は、大学でプログラミングを勉強していたからだ。
すると、私の浅い思考を見透かしたかのように、「プログラミングの勉強を極めなければできませんよ。それでもやっていけますか?」と。
思わず、「ちょっと厳しいかもしれません…」と、本音をこぼしてしまった。その瞬間、「終わった」と思った。
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ところが、予想に反して選考は次のステップへ。化学分野の仕事も選択肢のひとつとして採用担当から提示された。そして最終面接へ進み、その1週間後にメールで連絡が。恐る恐る開くと、『内定通知書』という文字が目に飛び込んできた。
「やったー!」。喜びが湧くと同時に、ほっと胸をなでおろした。
でも、勤務地は希望していた東京ではなく、地方にある支店の候補が書かれている。よく見ると、九州や東北などの遠いところがばかりだ。
一瞬、付き合っている彼氏のことが頭をよぎったが、第一希望の会社からの内定。女性はライフイベントでキャリアが途切れることがあるっていうけど、チャンスはつかみたいと思った。
いつか活かせたらと考えていた化学分野での仕事だったこともあって、地方勤務OKを前提で、内定を承諾。すぐ両親に内定の報告をすると、すごく喜んでくれた。肩の荷が下りた気分だった。
入社が正式に決まり、とある地方拠点への配属が決まった。地元の東京を離れることに、両親はすごく心配した。
「毎年、夏には必ず遊びにいくから」と言う父に、「それは、過保護でしょ!」と返したものの、内心はうれしかった。
住まいはOSTechの福利厚生制度の一環として、借り上げ社宅を用意してもらえるらしい。初めての一人暮らし。馴染みのない地方都市。どのような環境で暮らすのか、楽天的な性格でも、ちょっと心配になった。
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引っ越し当日。
借り上げ社宅のマンションに到着。第一印象は「団地じゃん!」。
でも、独身の新卒者の一人暮らしには、身の丈に合っているのかもしれない。
それに、隣の部屋には、OSTechの女性社員が住んでいた。東京の彼氏とは遠距離恋愛。「近くには話し相手が誰もいないんだな…」と思っていたので、心強かった。お隣さんに挨拶したら、気が合って不思議とすぐに打ち解けた。相手も同じように心細さを感じていたのかもしれない。
そしてついに、最初に携わる現場が決まった。大手電気機器メーカーの子会社が運営する半導体製造工場だ。
「チノさんに担当してもらうのは、半導体を生産する工程の中で、CVDを使う現場です。CVDというのは…」
「わかります! 化学気相成長ですね」
営業担当の方の説明を、思わずさえぎってしまった。
化学気相成長とは、真空にした容器の中で、金属や酸化物などの成膜材料を蒸発させ、対向した基板表面に凝着させて薄膜を形成するという技術。
「意外に早く、大学時代に学んでいたことが活かせるかも!」。
社会人としての第一歩を踏み出すことに、ワクワクしていた。
(第2話・社会人スタート編に続く)
https://www.ostech-online-magazine.com/blog/20240311_1/