Career Story

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2022.02.21

【R&D】 大手メーカーの機械設計を 請負で引き受けるチームを作った男

PROFILE

  • 橋本 悟施(R&D事業本部 神戸支店 メカトロニクス開発チーム・プロジェクトマネージャー)
    ◆入社:2010年
    ◆趣味:ゴルフ、BBQ、読書

コロナの影響により、お客様から「出社率を下げつつも、業務は進めなければならない」と相談されるケースが出てきたなか、アウトソーシングテクノロジー神戸支店では、それを“ビジネスチャンス”と捉え、機械設計を請負型で引き受ける事業をスタートさせた。産業用ロボットやプラントなどの設計業務を、お客様の現場ではなく、OSTechグループの拠点で手掛けている。この形態の事業を起案したエンジニアのひとりが、橋本悟施だ。今回は、橋本がどのようにして、このビジネスを立ち上げたのか、本人のキャリア・ヒストリーも交えて語ってもらった。
※取材は、マスク着用・手指消毒等の感染対策を徹底した上で行いました。

産業用ロボットやプラントの設計を手掛ける

まず、自己紹介を兼ねて、現在の仕事内容について教えてください。

メカトロニクス開発チームのプロジェクトマネージャーとして、12名のエンジニアを支えています。このチームは、機械設計を常駐ではなく請負形式で引き受けるもの。ですから、お客様の現場ではなく、OSTechグループの拠点で仕事をしています。例えば、私自身もエンジニアとしてプラント設計の請負業務に携わっていますが、OSTechのグループ企業であるアネブルの施設を借りて仕事をしています。アネブルには実験や評価するための設備が整っているので、設計の仕事をするには最適な環境ですね。

また、産業用ロボットの設計や評価、導入支援のプロジェクトも手掛けています。お客様との商談から、外部の協力会社を探して契約を結び、納品体制を築くところまで主に私が担っています。お客様は神戸や姫路の重工メーカーが中心ですので、私自身はOSTech神戸支店の所属ですが、姫路支店とも連携を図るようにしています。常にアネブルと神戸支店と姫路支店を行き来しているような毎日ですね(笑)。

活動範囲が広いですね。そもそも、なぜ請負形式で機械設計を手掛けるようになったのですか。

コロナの影響です。当時、私が携わっていた現場で「テレワークなどで現場への出勤率を下げ、残業時間も減らしたい」とお客様から言われて。そこで「OSTechの社内に持ち帰って対応するのはどうでしょう?」と請負形式をご提案したのです。すると、「そうしてもらえるなら、ありがたい」と快諾いただきました。すぐに会社へ戻って、上司に相談。請負チームを編成することが決まり、私自身がマネージャーに就任することになりました。現在は、大手鉄鋼メーカーや輸送機器メーカーなどからもご依頼をいただいており、ビジネスとして成功する見込みが立ってきています。

「希望する仕事に携われる」アウトソーシング企業へ入社

橋本さんが起案して、発足した事業なのですね。エンジニアが起案し、自ら立ち上げるのは珍しいケースだと思います。どこからそのアイデアが生まれたのですか。

実は、2010年にOSTechに転職したときから温めていた構想なのです。私が新卒で入社したのもアウトソーシング業界で、そこからOSTechへ転職。ずっと、「エンジニアがお客様の現場で活動する」というビジネスモデルの企業で働いています。ですから、この業界の課題も理解していると思います。

それは、例えば「既存のビジネスを推進するためのエンジニアは充足しているが、イノベーションを生み出す力がない」というお客様の悩みには対応しづらいこと。より高次元の技術的課題を解決してくれる良きパートナーとなるには、請負型のビジネスも手掛けるべきだと思っていました。お客様のエンジニア不足を解決できるアウトソーシングの強みと、この請負型のビジネスを掛け算できれば、よりお客様の課題解決に繋がるのではないかと。

そうした考えを持っていた私は、OSTechに対し、「エンジニアの提案を聞き入れ、柔軟に組織を作り上げる風土がある企業だな」と感じて、入社を決めたのです。

なるほど。そしてコロナの影響という思わぬかたちで、構想を実現するチャンスが生まれたというわけですね。 では次に、橋本さんのキャリアについてお聞きします。新卒でアウトソーシング企業に入社したそうですが、その選択の理由を教えてください。

設計の仕事、特に自動車関連の設計の仕事にどうしても携わりたかったからです。そもそも、「エンジニアを目指そう」と思ったのは高校生のとき。ガソリンスタンドでバイトをしていて遭遇した事件がきっかけです。母娘の女性2人が乗ったクルマが、煙を吹きながらスタンドに入って来て。助けを求められたのですが、無知だった私では対応できない。

店長を呼ぶと、ボンネットを開けて「まだ走れるので、自宅まで帰るぐらいは大丈夫ですよ。帰宅したらディーラーに問い合わせてください」と手際よくアドバイス。母娘のお二人はとても感謝していました。その姿を見て、「かっこいいな。自分も将来は自動車作りに携わるエンジニアになって、人の役に立ちたいな」と思い、大学は工学部に進学しました。

「卒業後は自動車メーカーに勤めたい」と思っていたのですが、大学に特別講師として来ていた大手自動車メーカーの若手社員の方の話を聞いて、進路を変えることにしました。その方は「クルマの仕事がしたくて入社したが、今は車載用灰皿の設計をしている」と。そうした現実を知って、設計の仕事をするにはメーカーではなく、アウトソーシング企業の方が確実だと思い、前職を就職先に選びました。ただ、新卒入社した会社は仕事の幅が狭かったので、「もっとさまざまな経験をしたい」と思い、大手自動車メーカーを含めて案件の幅が広いOSTechへ転職することにした、という経緯です。

ロボットを海外へ売り込むため、英語プレゼンで貢献

OSTechへの入社後、エンジニアとしての成長を実感した経験をシェアしてください。

輸送機器メーカーの現場で、自動車製造用のロボットアームの開発に携わったことです。設計を任せてもらっただけでなく、「アメリカの大手自動車メーカーに製品を売り込むので、プレゼン担当として商談に同席して欲しい」と言われて。英語は得意ではないのですが(笑)、頑張ってプレゼンした甲斐があって採用してもらえました。私が設計に携わったロボットアームは、現在もそのメーカーさんの主力商品となっていて、毎年大量に出荷されています。

この経験を経て、メカトロニクス設計の分野では、「橋本に聞けばいい」と頼りにされるようになってきたのではないかと思います。「精通している」と言えるのはまだまだ特定の領域に限定されますが、エンジニアとして自信がついて来たのは確かですね。

最後に、今後の目標を聞かせてください。

請負の業務を拡大していくことです。お客様が現場で働く人数を制限するような事態でも、請負で対応することができるなら、OSTechはビジネス上の大きな打撃を受けなくてすみます。ですから、少しずつ手を広げ、案件を増やしていきたい。例えば、設備に関するコンサルティングも手掛けてみたいですね。時代の変化に合わせて、業務の幅を広げていけるようにすることが目標です。

編集部が直撃インタビュー! この機会に聞いちゃいました

OSTech 内の役職としては、神戸支店のセクションリーダーを務めている橋本さん。OSTechの良い点はどこにあると思いますか。

教育体制がしっかりしているところですね。2021年からエンジニアの資格取得支援などが強化され、「E検定(電気・電子系技術検定試験)」「情報処理技術者試験」など、さまざまな資格取得の実績があります。既存のOSTech全体の研修制度に加えて、支店独自の研修も行ってサポートしています。資格を取得したエンジニアは、それまでよりも自信を持って仕事に取り組んでいる様子なので、手応えを感じていますね。

橋本さんがセクションリーダーとして心掛けていることを教えてください。

仕事を任せるようにしています。細かいところまで指示するよりも、やり方を自分で考えた方が成長するでしょう。だから意識的に「この仕事は任せたいんだけど、やってくれるかな?」と、最終的にやる・やらないの判断は相手に委ねています。そうすることで、「自分がやりますと言ったからには、何としてもやり遂げなければ」という責任感が生まれる。私の役割は、失敗したときに責任を取ることと、何か迷ったことがあれば助け舟を出すことの2つだけ。ほとんどの人は、任せることで期待以上の成果を出してくれます。

例えば、どのような成果がありましたか。

神戸支店のリーダー陣で、エンジニア向けの新しい研修制度を立ち上げる際、35歳のチームリーダーに運営を任せてみました。すると、「経験のあるエンジニアに研修講師になってもらうために、まずは講師養成のための研修プログラムを開発しよう」というアイデアを出してくれて。講師を養成するためのスキームを構築してくれました。今、神戸支店の資格取得支援で成果が出つつあるのは、このアイデアが功を奏した面も大きいと思いますね。

任せたことによって、マネジメント面でも成長されたんですね。最後に、橋本さんの休日の過ごし方など、プライベートのことを教えてください。

休日は、家族とショッピングや食事に出掛けています。まだ子どもが小さいので、一緒に行動できるのが楽しくて。それから、愛車のヴォクシーを洗車したり、車内を掃除したり。運転も好きなのでお出かけも気分転換になって楽しいです。車が好きなので、プライベートでも関わることが多いですね。

本日はありがとうございました!

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