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2023.05.29

【本部長座談会:前編】 エンジニアが自由に成長できるように、 組織の“壁”を取り払いました

2023年、アウトソーシングテクノロジーは大きな組織変革に踏み切った。「R&D」と「SS」の2つの事業本部から、「機電」「ITエンジニアリング」「インテグレーション」の3つの事業本部に「事業推進」本部を加えた体制に移行したのだ。従来の体制下では、エンジニアは所属する部門の枠内で現場を移っていくケースが多かった。しかし今後は、例えば「ハードウエアエンジニアからITエンジニアへ」「SESの現場から請負プロジェクトへ」といったキャリアを歩むことも容易になる。今回は、4つの事業本部・本部の本部長に集まってもらい、座談会を企画。組織変革によって、エンジニアにとって何が変わるのか、解説してもらった。【本記事は前後編の前編です。】

PROFILE

  • 伊藤 孝(事業推進本部 本部長)※メイン写真左
  • 松本 信一(機電事業本部 本部長 兼ITエンジニアリング事業本部 本部長)※メイン写真中央
  • 齋藤 拓哉(インテグレーション事業本部 本部長)※メイン写真右

組織の細分化ではなく一体化です

最初に、各本部の役割について、解説していただきます。まずは、機電事業本部とITエンジニアリング事業本部について、両方の本部長を兼任されている松本さん、お願いします。

松本 機電事業本部は「約10,600名のハードウエアエンジニアが在籍している部門」、ITエンジニアリング事業本部は「約5,800名のソフトウエアエンジニアが在籍している部門」です。それぞれ、これまでのR&D事業本部・SS事業本部(以下、それぞれR&D、SS)を受け継いだ形ですが、「看板を付け替えた」のではありません。旧R&Dには、約1,000名のソフトウエアエンジニアが在籍していましたが、組織改編を機に、ITエンジニアリング事業本部に移ってもらいました。事業本部ごとの性格が、非常に明確になったと思います。

また、旧R&Dの営業は、ハードウエアの業務の受注に注力しがちでした。そのため、そこに在籍していたソフトウエアエンジニアが、「キャリアのステップアップになる現場に移りたい」と希望しても、応えきれていないケースも。しかし今後は、ソフトウエアの業務専門の営業が担当になる。エンジニアが思い描いた通りにキャリアアップできる環境を整えた訳です。

齋藤 ぜひ、新しい環境でハイキャリアを目指して欲しいですね。それに加えて、旧SSの本部長を務めていた私から、少し補足させてください。今回、「2つの事業本部だったのが4部門体制になる」「ハードとソフトで部門を明確に分ける」と聞いて、「組織を細分化する再編なのかな」という印象を持つ方もいるかもしれません。でも、それは違います。むしろ、OSTechという会社の一体化を目指した組織変革なのです。

R&DとSSは、元をただせば別々の会社が源流になっていました。それがM&Aを経て、OSTech というひとつの会社になった訳ですが、完全には融合できていない部分も残っていた。それを今回、「OSTechに合流する前はどこの会社だったのか」ということとは全く関係なく、「ハードかソフトか」という専門領域に従って部門を分けた。ちょっと大げさに言えば、「社内に残っていた“ベルリンの壁”を崩した」。それ程、大きな一歩を踏み出す組織変革なのです。

松本 確かに、そうですね。また、“一体化”という意味では、機電事業本部とITエンジニアリング事業本部の本部長を、私が兼務していることも大きいかもしれません。例えば今、「ソフトウエア領域の仕事をしたい」と希望しているハードウエアエンジニアの方が、多数いる。自動車にせよ半導体にせよ、ハードウエアを製造している中でも、数多くのソフトウエアの業務があるので、「それに携わりたい」と。今後は、そうした希望にも応えられるようにしたい。事業本部間を“越境”するようなエンジニアのキャリアパスを、どんどんつくっていきますよ。

システム開発の最上流から携わる実績を拡大

M&Aによって成長してきたOSTechが、“前身の会社”のイメージを払拭するための変革でもある訳ですね。では続いて、齋藤さんにインテグレーション事業本部についての解説をお願いします。

齋藤 「請負プロジェクトに携わる、約1,000名のITエンジニアが在籍する部門」です。松本さんが本部長を務める2つの事業本部とは、「派遣」と「請負」という業務の受注形態によって区分しています。元々は旧SSの中で、新たなチャレンジとして請負チームをスタートさせました。しかし、派遣がメインですから、どうしても請負プロジェクトの営業は後回しになりがちです。そこで今回、独立させることにした訳です。

事業本部として独立したことで、これからどんどん請負の受注実績を増やしていきます。請負は、お客様に対して「ビジネスを成功させるために、ITをどう役立たせれば良いか」という最上流のところから関わり、直接、システムの開発元から仕事を受注できる。請負実績を増やすことで、「高い技術力を持つ、頼れるパートナー」としてOSTechが評価されることに繋げていきたいと考えています。

OSTechの全エンジニアのデータベースを構築します

OSTechの新しい社外イメージを作り出してく狙いも込められているのですね。では、4つ目の事業推進本部について、伊藤さんに解説をお願いします。

伊藤 「3つの事業本部に所属するエンジニアのみなさんが、思い通りにキャリアアップできるように、横断的にサポートする部門」と言えます。当面は、OSTechに在籍する全エンジニアについて、経験やスキル、キャリア目標などの情報を入力したデータベースの構築に注力します。例えば、「新しい仕事を受注した営業の依頼を受けて、その業務にふさわしいスキルを持つエンジニアを検索し、参加を打診する」「請負プロジェクトがスタートするときに、リーダーに就任する方からの依頼で、“上流工程に携わりたい”と希望しているエンジニアを調査し、声を掛ける」といった使い方を想定しています。

現在までに、データベースは8割ほど、完成しました。これがフル稼働すれば、エンジニアが最適なキャリアパスを歩んでいけるように、積極的に私たちからアドバイスすることが可能になります。例えば、思うようにキャリアアップできていない様子がある方に「キャリアアドバイザーに相談してみては?」と伝えたり、新しい領域に挑戦しようとしている方へ「その領域に必要な勉強ができるKENスクールの講座がありますよ!」とお勧めしたり。事業推進本部は、エンジニアの方々と、各事業部門の営業やキャリアアドバイザー、KENスクールを始めとしたスキルアップ支援部門とを繋ぐハブの役割を果たす訳です。

技術力を高めることで成長できる会社へ

心強いバックアップ体制が整いつつあるのですね! では、それぞれ本部長への就任に当たっての抱負を聞かせてください。

松本 私は、長く旧R&D事業本部に携わってきました。その中で、「IT系のマネジメントにもチャレンジしていきたい」と考えていて。今回の組織再編にあたって、ITエンジニアリング事業本部の本部長のポジションを、自分から希望しました。それが叶い、うれしく思うと同時に、2つの事業本部を掛け持ちするのですから、両者の融合には、特に力を入れていきたい。ボーダレスな体制を整えて、一体感のある会社にしていくことを目指します。

当面は、ハード・ソフトといった専門領域の違いを越えて、OSTechのエンジニアに共通する人事評価が全体に浸透し生きた仕組みになるように取り組んでいきます。機電事業本部は2023年4月から導入、ITエンジニアリング事業本部は2024年4月から導入予定。エンジニアのみなさんに、「フェアに評価されている」と納得してもらえるような制度にしていきますので、協力してもらえればうれしいですね。

齋藤 私の場合、OSTechにジョインしたときから、請負部門の確立を目指してきたので、「インテグレーション事業本部の本部長に」と打診された際は、「いよいよ来たか」という感じでした。特に使命感を持って取り組みたいことは、「増員だけに頼らない、企業成長の道をつくる」こと。OSTechはこれまで、新卒や未経験の転職者を含む多くの人財を採用・育成し、エンジニアとして活躍してもらうことで、企業成長してきました。「人数が増える=企業が成長する」という方程式だった訳です。

それに成功したことは素晴らしいことで、エンジニア育成のプラットフォームとしての役割は、今後も追求していきます。でも、「技術力が向上する=企業が成長する」という道もあるはず。それができる力を、会社として養っておくことで、OSTechの成長力はさらに高まる。実際、2022年、コロナの影響もあって旧SSの新卒採用は目標の半数程度に終わりましたが、それでも売上は128%成長。請負チームの頑張りもあって達成した数字です。このように、「技術力を高めて売上に繋げる」という成長戦略を、強力に推進していくつもりです。

伊藤 私にとって、松本さんや齋藤さんは、“尊敬する大先輩”。本部長に任命されて、そうした素晴らしい方々と肩を並べて仕事ができることに喜びを感じると同時に、身の引き締まるような緊張感もありました。でも、「OSTechのさらなる飛躍に貢献する仕事に携われるチャンスだ」と思うと、今はワクワクする気持ちが大きいですね。

私は旧R&Dで、営業にずっと携わってきたので、キャリアアップ支援については、豊富な経験がある。そこで得た知見も活かしながら、みなさんのキャリアを強力に支援する仕組みを構築していきます。活躍のお手伝いができればうれしいですね。

ありがとうございます。後編では、組織変革によって、現場のエンジニアにとって具体的に何が変わるのか、お聞きしていきます。(6月5日掲載予定)

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