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2021.02.22
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2021.02.22
中谷 大樹(R&D事業本部長)
◆入社年/2010年
◆出身/京都府
◆趣味/ウォーキング(1日7~8㎞)
R&D事業本部をけん引する中谷大樹は、新卒入社から現在にいたるまで、一貫して技術者派遣の会社で働いている。じつは、経営幹部としてリーマンショックに遭遇し、それを克服した“修羅場経験”もあるという。今回は特別編として、落ち着いた外見からは想像もつかない、波乱万丈のキャリアヒストリーに迫ってみた。(この記事は2020年8月17日の取材をもとに制作しました)
ある日、突然、奈落の底に叩き落された──。私にとって、2008年にはじまったリーマンショックは、そんな経験だったんです。それまでは、自分のキャリアも、勤務先の業績も、順風満帆。技術者派遣の大手企業に新卒で入社して、営業をずっとやっていました。担当エリアが自動車産業のさかんな東海地方で、案件が多かったこともあって、営業成績は非常によかった。それが経営陣の目にとまったのか、20代後半で本社の営業企画部長に抜てきされたんです。
当時、勤務先は約2万名のエンジニアを抱える規模にまで成長していました。いまのアウトソーシングテクノロジーよりも、少し大きいくらいですね。その大規模な組織を、経営トップの直下で、幹部メンバーとしてマネジメントするという仕事を任されたんです。就任して2年間は、会社の業績は絶好調。しかし、3年目にやってきたのがリーマンショックでした。
受注は急減。多くのエンジニアが待機になり、先行きが見えない。しかし、営業に注力し、なんとか1年間もちこえた結果、空前の活況がやってきました。リーマンショック以前の好況期を超える業績を記録したんです。
この経験から学んだことは3つあります。まず、「どんな不況も、必ず終わる」ということ。いま、コロナ不況といわれていますが、いずれは治療薬やワクチンが開発され、必ず収束するはず。そのときまで、しっかりと目の前の仕事に取り組んでいれば、間違いなく会社の業績は上向くのです。
つぎに「このビジネスモデルは、業績の落ち込みへの強い抵抗力がある」ということ。もともと「待機状態のエンジニアにも給与を支払い続ける」ことを前提に企業体制をつくり上げているので、受注が減っても耐えられるチカラがあるんです。
そして3つ目は、エンジニアに働いてもらう案件を獲得するための営業力を強化する方法です。不況時にはとくに、お客さまへのアプローチの多さと、スピードの速さが受注の決め手になる。経営陣としては、営業に対して、メール送信や訪問の件数を多くするようにいいます。それとともに、案件が出てきたら、その日のうちにそこで働けるエンジニアを提案する「ゼロ日提案」をするように伝えます。最低でも、翌日には提案する「1日提案」を心がけてほしい、と。これは、いま、アウトソーシングテクノロジーの営業に実践してもらっていることです。ですから、今回、コロナ不況に直面しても、「やるべきことを粛々とやればいい」という感じで、動じることはなかったですね。
リーマン不況克服に貢献したあと、のちにアウトソーシングの一員になる聖翔株式会社に転職しました。直接のきっかけは、聖翔の社長から誘われたこと。当時、エンジニアは500名ほどだったと思います。そんな会社を大きくしていく仕事に挑戦したかった。前職はなにかにつけ、大きすぎたんですね。「ハンドルを切ろうとしても、重たくて切れない」というような、もどかしさを感じていました。「聖翔の規模であれば、自由にできそうだ」と。
当初は社長直下で、前職と同じように会社全体のマネジメントに携わっていましたが、「東海エリアの業績がかんばしくない。中谷君、行って立て直してくれ」といわれ、名古屋に赴任。そこで働いているとき、聖翔がアウトソーシングテクノロジーの一員になったのです。
アウトソーシングテクノロジーのグループに入ったことで、大きく変わったのは、「お金をつかう文化ができたこと」です。人財募集広告とか本社オフィス移転とか、「お金をかければ企業成長に大きく貢献することがわかっている」ことでも、会社規模が小さいとどうしても「節約しよう」となりがち。それが、アウトソーシングテクノロジーという、より大きな規模の企業の一員になったことで、多額の予算を投じることにためらいがなくなりました。意識が変わることで、企業成長のスピードが、まったく次元の違うレベルで加速したのを実感しましたね。
このことは、もうすぐ、アウトソーシングテクノロジーで、もっと大きなスケールで起こると思います。いま、私たちは株式上場へ向けて歩みを進めています。それが実現したあかつきには、市場から資金を調達することで、より多額のお金を使えるようになるからです。たとえば、エンジニアのみなさんへの教育投資。現時点では、年間で数十億円という予算計画ですが、これが数百億円という規模になることも考えられます。さらには、ベテランエンジニアがそろっている企業に資本参加することで、アウトソーシングテクノロジーのグループに入ってもらうこともできます。そうした優秀な人たちと一緒に働くことで、エンジニアは多くのことを学べるようになるはずです。
2015年の1月に、R&D事業の責任者に抜てきされました。「東海エリアの担当だったのが、トップに呼ばれて本社の経営幹部に抜てきされる」のは、新卒入社した会社のときと同じ。こんどは、引き上げてくれたトップが茂手木さんだったというわけです(笑)。
いまはアウトソーシングテクノロジーを、もっと大きくすることでアタマがいっぱいです。近い将来、アウトソーシングテクノロジーは、私が新卒入社した会社の規模を追い抜くでしょう。私にとっては、そこが大きな到達点です。そこからさらに「新卒入社した会社をM&Aで買いとって…」なんて、大それたことも、もしかしたらありえるのかもしれません。それぐらい、アウトソーシングテクノロジーは急成長していて、この業界のなかでの存在感を高めています。群雄割拠の業界のなかで、アウトソーシングテクノロジーが天下統一する。そこまでいけたら、最高ですね。
そんな大きな夢を実現するためにも、エンジニアのみなさんの待遇の改善や、キャリアアップできる環境づくりにチカラを入れていきます。目の前の仕事に愚直に取り組み、お客さまの期待している成果を出している人が、きちんとむくわれる仕組みをつくる、ということです。みなさんがアウトソーシングテクノロジーで働いていることに、やりがいと意義を感じられるように、私たちは全力でサポートしていきます。