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2020.11.09
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2020.11.09
R&D事業本部 本部長
中谷 大樹
中谷大樹がトップを務めるR&D事業本部では、約9,000名のエンジニアが、日本を代表する大手メーカーなど各社の現場で働いている。このほど改定された中期経営計画で、R&D事業本部のエンジニア数は5年後に約2万名に増やす構想が打ち出された。それは現場で働くエンジニアにどんな影響をもたらすのか。中谷自身に語ってもらった。
二つあります。ひとつは、みなさんが最先端テクノロジーに携わるチャンスを増やすこと。いまから5年後、中期経営計画の最終年度には、アウトソーシングテクノロジーの売上高は2,600億円、そのかなりの部分をR&D事業本部が稼ぎ出すことになります。会社が成長するための投資資金を生み出す主力がR&D事業本部。その投資には、最先端テクノロジーの研究開発も含まれます。エンジニアのみなさんが、未踏の領域に携わるための可能性が大きく広がるわけです。
もうひとつは、みなさんの市場価値を大きくアップさせること。5年後のアウトソーシングテクノロジー全体のエンジニアが約4万人という数字は、「圧倒的No.1」になることを意味しています。現在、エンジニア派遣業界の1位と2位の企業のエンジニア数を足しても、4万人にははるかにおよびません。これぐらい圧倒的な差がつくと、業界内での価格決定力をもつことができます。
自動車メーカーでいえば、トヨタさんのような立ち位置。トヨタさんのクルマの価格が、日産さんやホンダさんの同タイプのクルマの価格を決定している。これは、トヨタさんが自動車市場で圧倒的なシェアを誇っているからこそ。5年後までに、アウトソーシングテクノロジーがエンジニア派遣業界においてトヨタさんのような立場になり、エンジニアの派遣単価を決定していきたい。いまの単価は、みなさんが生み出している価値に対して、まだまだ低いと考えているので、大幅に引き上げたいと考えています。
はい。でも、その5年間のなかでも、エンジニアのみなさんの市場価値を上げていきたいと思っています。年収でいえば、ベースとなる給与水準を5年間で平均60万円アップする計画を立てています。たとえば、いま年収400万円のエンジニアの方が努力して、5年間で540万円まで年収を上げたとします。その努力とは別に、給与水準自体が上がり、600万円の年収になる。そんなイメージです。
市場価値を上げる施策を推進するのは、みなさんがアウトソーシングテクノロジーのなかでキャリアアップしていける道筋をもっと固めて、定着率を上げたいと考えているからです。エンジニアの数を大幅に増やすといっても、新卒にせよ中途にせよ、採用数は増やせる余地が少ない。いま、年間に新卒2,000人、中途4,000人ほどを採用していて、限界に達しているとみています。そうすると、「5年後に4万人」の目標達成のためには、定着率アップが不可欠。そこで、みなさんの市場価値を上げ「アウトソーシングテクノロジーで働き続けたい」という人を増やしていく必要があるのです。
エンジニアへの教育投資を大幅に増やします。お客さまに「このエンジニアは、〇〇の知識があります」と説明できる、高い派遣単価をいただけるような、みなさんの価値を上げていく教育を実施する予定です。
中期経営計画では、「売上高の1%をエンジニアの教育に投資する」と決めました。現状が0.4%程度。それが1%までアップし、さらに母数となる売上高も年々、アップしていくので、教育投資も急カーブを描いて上がっていきます。5年後には2,600億円の年商があるはずですから、教育投資は26億円に達する計画です。現在、新しい教育プログラムの内容をつめているところで、来年には本格的にスタートする予定です。
その通りです。もともと、アウトソーシングテクノロジーで働くことは、「転職というリスクを負わずに、さまざまな現場を経験できる」というメリットがあります。たとえば、完成車メーカーのエンジニアの仕事って“手配屋さん”の面が強いですよね。部品メーカーに仕事を発注する業務がメインですから。一方、部品メーカーのエンジニアは“専門屋さん”なので、たとえばクルマのシートのヘッドレストだけを、ひたすらつくり続けているエンジニアもいるわけです。違う業務をしたければ、転職するしかない。
アウトソーシングテクノロジーのエンジニアは、転職しなくても、さまざまな分野・領域の業務を経験できます。でも、いままでは、自分のキャリアプランを描き、「〇〇プロジェクトを経験したあと、次は△△プロジェクトに行く」といった具合に戦略的に渡り歩く例は少なかった。せっかくのメリットが活かせていなかったんです。今後は、教育体制を整備することで、それぞれのキャリアプランをしっかり描ける会社にしていきます。
中期経営計画では、R&D事業本部は「コア事業」と位置付けられています。アウトソーシングテクノロジーの成長戦略の大黒柱であり、絶対にコケてはならない使命を負っている。私たちには、その使命を果たすだけのチカラがあると、確信しています。
それは、最近のコロナ禍で証明されたと思います。同業他社の多くが業績の下方修正を余儀なくされるなか、アウトソーシングテクノロジーに限っていえば大きなダメージはなく、みなさんには「安心して働いてください」といいたいですね。
私たちが景気変動につよいのは、R&Dという「企業にとって最後の聖域」に特化しているから。R&D投資は、企業の競争力の源泉。ここを削ってしまえば、たとえいまの業績悪化を抑えたとしても、将来がなくなってしまう。だから、どのメーカーも現在の生産を減らしてでも、R&D投資は維持する。おかげで、アウトソーシングテクノロジーの仕事は減らないのです。それにくわえ、200人を超える、強力な営業人員を擁していることも大きい。コロナ禍のなか、営業のみなさんがその真価を発揮してくれたと感謝しています。
こうした強力な体制を基盤にして、これからの5年間では、「技術力の強じん化」を進めていきます。これまでは「未経験者も含めて人財採用にチカラを入れて、とにかくエンジニアの数を増やそう」というのが経営の考え方でした。それを、今後は「教育にもっとチカラを入れて、エンジニアの質を高めていこう」という方向に変えていきます。エンジニアのみなさんには、ぜひ社内の教育プログラムをおおいに活用していただき、活躍の場を広げ、物心ともに豊かさを手に入れてほしいと思います。