Career Story
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2023.02.27
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2023.02.27
「先生は電子黒板で授業を進め、生徒はタブレットでテストを受ける」。国は今、そうした教育現場のICT化を強力に推進している。それを支える役割を担うのが、学校で先生や生徒のICT活用をサポートするICT支援員だ。アウトソーシングテクノロジーには、現在、約350名のICT支援員が在籍。教育現場で活躍してくれている。そこで今回は、自らICT支援員を務めた経験を持ち、現在は「ICT支援員を目指すOSTechメンバー向け」の研修講師をしている根本七海を取材。教育現場のICT化を進める仕事のやりがいなどについて、語ってもらった。
根本 七海(ITエンジニアリング事業本部 ICTソリューション課/プロジェクトマネジメントオフィス サブリーダー)
◆入社:2020年(中途)
◆趣味:映画鑑賞、ちいかわ(漫画)
小学校から大学、特別支援学校など全国の教育現場で、ICT支援員に活躍してもらっています。現在、ICTソリューション課には、約350名のICT支援員が在籍。それぞれの現場で、ICT機器の扱いに慣れていない先生方に電子黒板の使い方を説明したり、システムアップデートの作業を代行したり。時には、授業に同席して、生徒に対してアプリの操作方法を説明したりすることも。そのため、生徒さんたちから「先生」と呼ばれるケースが多いですね。
ICT支援員は、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」の実現をサポートする役割を担っています。「GIGA」とは、Global and Innovation Gateway for Allの略。教育現場にICT機器を導入し、それを駆使した授業・指導を行うことで、「すべての子どもたちがグローバルで革新的な扉を開ける」ための環境を整える、という意味があります。しかし、教育現場にいる先生方の中には、ICT機器の使い方に不慣れな人も相当数いて、それがこの構想実現のネックになりかねない。そこで、最先端機器の使い方に習熟したICT支援員が、教育現場へサポートに入る仕組みができた訳です。
その通りです。しかもOSTechは、この分野で大きな貢献ができるポテンシャルがある。多数のITエンジニアが在籍していて、さらに全国で展開していますから。しかも、多くの未経験者を採用し、基礎的なITスキルを身につけてもらい、現場で業務に就くレベルに育成するスキームも整っています。こうした事業モデルや育成スキームを応用すれば、多くのICT支援員を輩出できる。
一方で、これを社内の観点から見れば「経験の少ない若手に対して、ICT支援員という新たな活躍の場を提供できる」ということでもあります。開発やインフラの現場と比べれば、高いITスキルを求められる訳ではありませんから。例えば、IT未経験でOSTechに入社した方が、最初に活躍する舞台として、ICT支援員はふさわしいと言えるでしょう。実際、私達ICTソリューション課では、そうした方々向けに、ICT支援員となるための基礎的な研修を実施中。私自身、その講師を務めています。
まず、電子黒板や授業用タブレットなどの操作方法やアップデート方法など、ICT支援員に必要な技術講座があります。それぞれの教育現場で使用しているICT機器の機種が異なるため、「どのように検索したら、直ぐに操作マニュアルに行き着くか」といった実践的な内容です。更に、教育現場で働くため、マナー研修も必須です。座学だけでなく、例えば、「学校の先生から『ネットが繋がらないのですが』と質問された時の対応」などを、ロールプレイングで学んでいく研修も。全体として2週間掛けて学んでいただきます。
また、先生や生徒に日常的に接する業務ですから、ICT支援員には高いコミュニケーション力が求められます。そのため、教育業界で使われる専門用語を学ぶ講座や、受講者同士が会話しながら学んでいくグループワーク形式の講座も取り入れています。私が講師を務める講座では雑談もOK。受講者の間でコミュニケーションができなければ、教育現場では一層、困難でしょうから。実際、受講された方からは「根本さんが話しやすい環境を作ってくれているので、やりやすい」といった声もいただいています。
さらに付け加えれば、『ICT支援員認定試験』の受験講座もスタートさせました。学校によっては、この試験に合格していることをICT支援員として受け入れる条件にしています。今後、合格者を増やしていき、OSTechの強みのひとつにしていきたいと考えています。
はい。2020年7月から2022年4月までICT支援員の現場業務に携わっていました。最初のころは、巡回型の支援でした。7つの都立高校を担当し、毎日、違う高校へ出向いて支援に当たるものです。その後、ある商業高校の専任に。日常的に先生方や生徒たちと交流できるようになり、信頼関係が深まりました。体育祭の時、先生方から「根本さんも出ますよね?」と、当然のことのように言っていただいて。“先生”のひとりとして出場させていただきましたね。
その商業高校には、ICT機器に不慣れな先生も少なくなかった。中でも、ある年配の数学の先生は、「黒板とチョークでないと…」と。ところが、コロナ禍によって、否応なくオンライン授業を行うことに。その先生は、非常に不安を感じていらっしゃるようでした。そこで私は、「プリントを配ったり、テストを採点したりする手間が省ける」といった、先生にとってのICT機器活用のメリットを強調しながら、機器の使い方を丁寧に説明していきました。
その結果、「根本さんのお陰で、無事にオンライン授業を終えることができ、すごく助かりました」と。さらには「根本さんは1年契約でしたっけ?来年もぜひ、お願いしたいです」とまで言っていただけました。とても光栄でしたし、やりがいを感じましたね。
ICT支援員を輩出する仕組みを作り上げて、教育分野でのOSTechの存在感を高めていきたい。当社には、最先端のICT機器の開発に携わっているエンジニアの方もいる。そうした方々の知見を上手く活かせれば、「より質の高い教育を、より効率的に提供するICT化推進のエキスパート」として、全国的に事業展開できると思っています。
また、社内的には、「未経験の方がまずICT支援員として活躍し、そこから開発案件などに携わるエンジニアへと成長する」という、キャリアアップの道筋を作り上げたい。そのためにも、「私自身がロールモデルになれないかな」と。これからさらに研鑽を積んで、将来的に高度なITスキルを必要とする業務に携われたら、理想的ですね。