Career Story
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2021.01.25
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2021.01.25
小板橋 和也(R&D事業部 大宮支店)
入社年:2016年
出身:神奈川県
趣味:海外旅行、美術館巡り
高級な外車から国産の新型車まで、毎日、多種多様なクルマの走行をし続ける──。クルマ好きの人から見れば最高の仕事を担当しているのが、小板橋和也だ。新卒でアウトソーシングテクノロジーに入社して以来、自動車開発の最前線に携わってきた。そんな彼だが、もともとは化学畑の出身という。なぜOSTechでのキャリアを選んだのか、語ってもらった。
現在、世界トップクラスの自動車部品サプライヤーさんの現場で、Electronic Control Unit、適合プロセスにおけるサポート業務を行なっています。ECUというのは、「ドライバーがどのくらいアクセル踏んだら、どのくらいのスピードで走るか」といったことを決定する、クルマの頭脳にあたる部分です。その「適合プロセス」とは、クルマを販売する国が法律で定めている規制を満たせるようにECUの設定数値を調整し、市場に出せる状態にしていくことです。
現在の職場に来てから1年ちょっとになりますが、ずっと実車試験の運用をメインで担当しています。試験車両で研究所内の道路を走ったり、車を固定した状態で走行シミュレーションを行ったりして、運転しながら必要なデータを集めるのが役割。世界中のさまざまな自動車メーカーに部品を提供しているため、私が試乗する車種もさまざまです。高級な外国車とか、新型のスポーツカーとか、ふだんは乗るのはおろか、さわれないようなクルマもあるので、楽しい面はあります。
とはいえ、ドライバーの乗り心地をよくする内装はまだない状態で試乗するので、きつい面も。失敗できない試験が多いので、緊張感をもって取り組んでいます。コンピュータ画面とにらめっこするような仕事ではありませんが、正確性が求められる点ではエンジニアの仕事に共通しているかもしれません。「車速を落とさず加速しながらシフトチェンジする」とか、「アクセルを踏んで、決められた車速に達するまでの時間を一定内におさめる」とか、厳しい基準がありますから。
やりがいを感じるのは、クライアントの要望を満たすような試験ができたときでしょうか。ドライバーをやっているメンバーは私を含めて4名いて、そのなかで成績が良いとの評価をいただいているようです。最近は、「絶対にミスできない」というテストのとき、私がアサインしてもらえる機会が増えました。それが、自分なりに成長を感じられている部分です。
いまはITの道へ進んでいる私ですが、高校から大学にかけては化学ひとすじ。教授から大学院に誘われていたのですが、さらに数年、勉強したとしても、化学の知識だけを活かせる仕事はかなり限られている。そこで「思いきって別の分野に進むのもいいかな」と方向転換。化学以外の分野で就職することにしました。もともと化学を好きになったのも、たまたま「おもしろい」と思える点が見つかって、その点が線につながってハマっていった感じ。ですから、ほかの分野でも、やってみれば同じように「おもしろい」と思えるようになるのかもしれない、と。
じゃあ、どんな仕事をしようか? そう考えるなかで、「既存のものを改良して発展させたり、つねに先を見すえて新しいものを生み出したりしているのは、ITエンジニアだな」と思うように。「ITは社会の最先端を走っているので“つぶし”がきくだろう」というのもありました。IT関連で就職先を探すなかで、案件をたくさん持っているOSTechに出会いました。
最終的に入社した決め手は、お客さまの現場で働くという形態。「この現場はあわない」と思ったときに、別の現場に移ることが可能なので、転職することなく、いろいろな分野に携われる。将来的には、特定の分野でずっとキャリアを積むようになるかもしれませんが、それが見つかるまでは、キャリアの道をひとつにしぼりたくないんです。
現在は「適合プロセスをやっている企業から試験を依頼される側」の現場にいるのですが、その前、OSTechに入社して最初の現場は、「適合プロセスをやっている企業」でした。
はじめての現場で、まず苦労したのは、プログラミング言語の理解ですね。大学でもC+/C++あたりの講義はありましたが、表面的なところをなぞっただけでしたから。仕様書と照らしあわせながら読み解いていく業務に四苦八苦しました。仕様書でわからないところがあると、それを説明している別の仕様書へ飛んで、そこでわからないことに出くわすと、また別の仕様書に飛んで──。その繰り返しで、見たいところにまったくたどりつけず。手こずりましたし、時間がかかっていました。
でもその現場に3年いた中で、繰り返しひたすらやり続けることで、既視感のある部分が増えていきました。その結果、最終的には短時間で見たいところにすぐたどりつけるようになりました。「とにかく経験がモノをいう世界だな」と実感しましたね。
仕事だけでなく、生活面も苦労が多かったです。地方の現場で、はじめて実家を離れて暮らしたので。はじめての土地ではじめてのひとり暮らし、はじめての社会人でITのこともはじめて。プレッシャーが大きかった。それを乗り越えられたのは、OSTechの同期入社の仲間たちのおかげです。その現場には20名以上の同期がいて、彼らの存在は本当に大きかったです。お互いに悩みを話し、支えあいながら、一緒に乗り越えられたように思います。「信頼できる話し相手がいてくれた」という意味で、彼らがいなければ心が折れていたかな、と思っています。
IT経験のあるメンバーはほんのひと握りで、理系出身ではないメンバーもいました。「みんなで学んで、なんとかやっていこうぜ!」という連帯感がありました。とくに仲のよかった3人とは、いつも食堂でご飯を食べたり、休日に遊んだりしていましたね。新卒の採用人数が多く、たくさんの同期がいるのは、OSTechの良いところだと思います。
確かに影響はあります。私のいる現場では、出社可能人数や、試験に立ち会える人数が制限されるようになりました。そのため私自身、休日数は増えています。先方都合の休日の場合、給与支給率が変わり収入ダウンにはなりますが、そのぶん、休めているので、帳尻は合うかなと思っています。
いえ、じつは私、ユーザーとしては、クルマにまったく興味がないんですよ(笑)。
ですよね(笑)。クルマには興味はないですが、旅行は好きです。いまはコロナで行けなくなってしまっていますが、長期休暇中に海外へ旅行するのを生きがいに仕事をがんばっていました。好きな絵画がきっかけでヨーロッパにハマり、イタリアのヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ、フランスのパリなどを訪れ、美術館や観光地をめぐったことも。いまの現場の部長さんで芸術好きな方がいて、作品や画家の話で盛り上がり、仲良くなれたりしたので少し仕事の役にも立ちました(笑)
いやいや、それほどでも…。ただ、上の世代の方とのコミュニケーションでは苦労する部分もあります。OSTechでも、お客さまの現場でもそうなんですが、就職氷河期だった世代のエンジニアが少ないので、私たちのような右も左もわからない若手エンジニアと、知識・経験が豊富なベテランの方がいて、その中間の世代がいない。
私たちからみると、ベテランのエンジニアの方々はものすごくハイスキル。そこへどうやってたどりつくのか、ステップが見えない。中間の世代がいれば、きっとその方々のレベルがステップとしてのお手本になるんでしょうけど。一方で、ベテランの方々からすると、「ある程度できるようになった中堅エンジニア」がいない。私たちに「早くおぼえてくれ!」と接する感じがあって、私たちの側もその期待にこたえたいんですが、なかなかすぐにはできない面もありますよね。なので、お互いにフラストレーションがたまっている場面が多いように思います。
時間的に余裕があるチームであれば、新人のペースにあわせて育ててもらえるのでしょうが、以前の職場ではチームごとにムラがありました。ですから、ベテランとのコミュニケーションで悩んでいる若手メンバーもいました。OSTechのチームでいえば、いまは「リーダーによるメンバーの評価」だけが経営陣にいっていると思いますが、「メンバーによるリーダーの評価」もすくいあげる仕組みがあればいいなと思います。
無理はいけませんが、いまの現場でがんばっていれば、形はどうあれ道は開けます。自分に合っていれば、経験を直接活かせる道を選べば良いし、少し違うな、と思ったら新しい分野に挑戦することだってできます。私の場合、はじめての現場で3年間がんばって、ひと区切りをつけた段階で、経験を活かせる次の場所として、いまの現場を見つけました。私の希望をかなえてくれようと、よい現場を探してくれた支店の方々には、感謝しています。キャリアアップのために仕事を変えようとするとき、いったん会社を辞めて探し直すのは相当にエネルギーが必要です。ヘタをすると、それまでの実績がムダになってしまうこともありえます。でも、OSTechは、会社が「次の仕事」を探してきてくれる。この点は、やはりOSTechで働く最大の利点だと思います。