Career Story

|

2021.10.04

【SS】 エンジニアならではの視点で “オフィス環境構築”の仕事を開拓

アウトソーシングテクノロジーのエンジニアが活躍している場は非常にバラエティに富んでいる。今回、紹介する森次郎もその例に漏れず、大手企業の“オフィス環境構築”を担う仕事を開拓している。エンジニアとしてネットワークインフラの設計構築だけではなく、オフィス環境のグランドデザインを作成し、職場環境をゼロからかたちにする──。一般的に総務担当者が実務を担うイメージの強いオフィス環境の整備だが、森はプロジェクトマネージャーとして、電気通信事業会社のグループ内で、5,000名規模のオフィス移転や物流倉庫の移転といったプロジェクトを成功に導いている。エンジニアならではの視点があったからこそ、新しい領域の業務を開拓できたという秘訣を語ってもらった。

PROFILE

  • 森 次郎(SS事業本部ITMS課)
    入社:2016年
    趣味:ITガジェットの収集、オンラインゲーム、メダカ飼育

約5,000人のオフィス環境を整備するプロジェクト

私は今、電気通信事業会社で、主に“オフィス環境構築”の仕事をしています。この業務に就いてから4年間で、オフィス移転や新設など、6件のプロジェクトに対応しました。5,000人規模の大きなプロジェクトも含めたオフィス環境構築が4件と、物流倉庫移転が2件です。いずれもPMとして、移転や新設のプロジェクト全体を管理しつつ、ネットワークインフラの要件定義から設計構築も含めた細かな実務も担当しています。ですから、PMは「プレイングマネジャー」の意味もあります(笑)。

ネットワークインフラのエンジニアが私の主な経歴ではありますが、現在の業務は全くもって“エンジニアらしくない”仕事かもしれません。一例として、ビルオーナーとの賃貸契約を取り交す実務や、フロアレイアウトや室内意匠デザインの作成検討、イスや机といった什器をカタログやショールームで確認選定して発注する業務まで、幅広く対応しています。

物流倉庫移転プロジェクトでは、建築業者の職人や親方に混ざってヘルメットをかぶり施主の立場で現場の進捗管理もしました。汗だくになって、「あれ? 自分の職種は何だったっけ?」と思いました(笑)。でも、それは苦になりません。目の前でかたちになっていく光景を目にできて、むしろ楽しんでいます。

オフィス周りの仕事はエンジニア的思考を活かせる

なぜ「楽しい」と感じるかと言うと、“オフィス環境構築”の業務は、これまで培ってきたエンジニアとしての視点や発想を活かせる余地が大きいから。オフィスで働く人たちの業務を理解し、それがより効率的にできるようにオフィス空間やネットワーク設備を考えていく──。これは、業務システムの開発プロジェクトにおける要件定義や設計のプロセスと、極めてよく似ていると思います。

例えば、郵送物を発送する業務が行われる予定のスペースがあるとします。「発送前の郵送物を仮置きする棚はどこに設置すると効率がいいか」「収入印紙の貼付や消印などの手間を省く『印紙税納付計器』を導入しよう。どこに何台置くのが最適か」といったことを考えていくわけです。システムかオフィス空間かの違いだけで、「物事を構造化して考える」というエンジニア的な発想が活かせる領域なのです。

また、オフィスの移転にせよ新設にせよ、そのオフィスで業務をスタートさせる日程は決まっています。そこへ向けて、段取りを考え、プロジェクトを推進していくのも私の重要な役割。この点も、システム開発プロジェクトのPMと共通するものがあると思います。作業が滞ると、PM自ら手を動かしてカバーすることがあるのも同じ(笑)。大変なことも多い仕事ですが、充実感は大きいですね。会社経営における重要な役割を任せていただけていると思っています。

利用者の反応がわかるからモチベーションが上がる

エンドユーザーの反応がダイレクトに感じられるということも、“オフィス環境構築”の業務の面白さです。オフィスを日常的に使っている従業員の方々から、「整理されていて働きやすい環境です」と喜んでもらえたり、「このおしゃれ家電、我が家にも欲しい」(注釈:実はその家電を選んだのは私です)といった意見をもらえたり。このように常にエンドユーザーの感想が聞けるので、モチベーションが上がりますね。

また、建築士、什器メーカーの担当者など、システムエンジニアと接点の少ない業種の方々と知り合えることも、この仕事のやりがいになっています。自分になかった知見を得られますし、視野が広がります。加えて、間仕切り設計や室内のデザイン、什器の選定などの場面で、私がシステムエンジニアの観点も交えて要望をかたちにして伝えることで、お役に立てている実感もあります。オフィスでは、パソコンだけではなく様々なツールを使って仕事をする点を考慮しなければいけませんから。今や、事業を遂行する上で、ネットワーク環境は必須。当然、オフィスを整えるという一見畑違いの場面でも、ネットワークインフラを考慮した環境整備は当たり前になっています。

以前携わった現場から「もう一度、来てほしい」と

この業務に携わるようになったきっかけは、以前の仕事でお世話になったお客様からお声がけいただいたこと。「今度、グループ内のオフィス移転を推進するプロジェクトを始めるから、ウチに来て参加してもらえないか」と。以前にシステムエンジニアとして電気通信事業会社の現場に携わっていたのですが、その仕事が終わって別の現場へと変わるとき、そのお客様から「連絡先を教えて欲しい」と言っていただけて。

面白そうなプロジェクトでしたし、会社の中で一定の立場にいるお客様から、「派遣のシステムエンジニアとして働いていた」私を、専門外のこともできる人と見込んで声をかけていただいたわけです。OSTechに事情を説明し、営業担当に動いてもらい、そのプロジェクトに参加することとなりました。

そこまで見込んでいただけたのは、「どんな依頼でも無下に断らず、必ず検討してかたちにする」という真摯な姿勢で業務に臨んでいたからかもしれません。システムエンジニアとして、社内システムの企画・開発・運用保守を一貫してプロジェクトに携わり、実績を積み重ねていくなかで、親会社だけではなく、全国各地の様々なグループ会社にいるエンジニアの方とのつながりができ、気が付けば、私は“困ったときの駆け込み寺”のような存在になっていました。

グループ内のシステムに関して、お客様先のエンジニアの方が壁にぶつかると、私に相談してくれるように。そのとき、難しい案件でも引き取って、課題解決につなげる努力をしていました。そうした私の姿勢が、信頼につながったのかもしれません。

コロナ禍はビジネスチャンスにもなりえる

今後も、“オフィス環境構築”の仕事を続けていこうと思っています。エンジニアとしての視野を広げられるし、幅広い知識や人脈が得られ、自己成長できますから。今の現場だけではなく、他社でも実績を増やして、この分野におけるエキスパートになれれば良いですね。

将来的には、今まで私が経験してきたノウハウや人脈を後輩エンジニアに伝えて、一つのチームを立ち上げるのもアリかもしれません。在宅勤務の流れは定着していきますが、それでも“オフィス環境構築”は、まだまだ伸びていく分野だと考えられるので。新型コロナの影響もあり、IoTを活用した“非接触型オフィス”に切り替えるなど、新たな動きが出てきています。ビジネスチャンスが増えている領域なので、「やってみたい!」という若手エンジニアの方がいれば、大歓迎です。

編集部が直撃インタビュー! この機会に聞いちゃいました

森さんはエンジニアとしては異色の業務に就いていますが、そもそもどうしてエンジニアになったのですか。

最初からエンジニアを目指していたわけではないのです。大学の専攻は文系。卒業後は、証券会社で営業をしていました。ただ、今振り返れば、証券会社時代も、営業をする一方で、株価チャートをお客様に提供するシステムのメンテナンスを手伝うなど、システム関連の仕事をしていました。もっと遡れば、子供の頃に、父親がPCを買ってくれて、ITに慣れ親しむ環境がありました。そのような背景もあって、証券会社を辞めてエンジニアに転身することを決めたのです。

それで、未経験者でもシステムエンジニアの仕事に就ける株式会社スリーエスを選んで転職。その後、2016年にスリーエスがOSTechグループに参加したため、OSTechで働くことになったわけです。

金融機関の営業、システムエンジニア、そしてオフィス環境構築の仕事と、多彩な経験をお持ちですね。では、OSTechで働いていて、良かったと思うことを教えてください。

エンジニアの数が多く、案件数も多いので、様々な知見が社内で得られることですね。以前、お客様からハンディターミナルに組み込むソフトウェアについて意見を求められたとき、私自身にはあまり知識がなかった。でも、OSTechの社内に相談できる人がいて、心強かったことを覚えています。ハンディターミナルの製造プロセスに関わっている方もいれば、ユーザーとしてハンディターミナルを使っている方もいる。お客様から何か相談されても、OSTechなら大抵のことに対応できることは、本当に素晴らしいと感じています。

確かにそうですね。でも、森さんのようにお客様から信頼され、大きな仕事を任せてもらえるエンジニアは、そう多くはありません。どうすれば大きな仕事に携われるのか、若手エンジニアへ、アドバイスをお願いします。

私が言えることがあるとすれば、“無下に断らないこと”と“利用者の立場で物事を考えること”の2つでしょうか。何かを依頼されたとき、断る口実を探そうとする対応をしていると、何も相談してもらえなくなる。ダメな理由を考えるのではなく、「どうすればできるか」というポジティブな発想をするためにも、依頼されたら「やれる方法を考えてみます」と受け止めるようにすると良いと思います。

そして、システム開発でもオフィス環境構築でも、常に利用者の使い勝手を考えること。大袈裟にいえば、おせっかいなほど利用者のことを考えるくらいでちょうど良いかもしれません。

仕事熱心な森さんですが、プライベートでの趣味は何ですか。

私は、ITガジェットが好きなんです。最近のお気に入りはSONYの『REON POCKET』。首にかけて、スイッチ一つで冷気を感じることができるグッズです。専用のアプリをスマホに入れれば、スマホからでも温度調整が可能。とても気に入っています。

最先端アイテムへの感度が高いですね! 今日はありがとうございました!

#Tag

関連記事

Read

【SS】ICT教育の推進役はOSTechの“エンジニア出身”営業だった

Read

【名古屋支店エンジニア対談】 男性が多い新型車の開発現場で、 品質管理に奮闘する女性コンビ

Read

【イベントレポート】企業対抗駅伝大阪大会にOSTechチームが出場「楽しかった~!来年は出場チームを増やしたい!」