Career Story
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2020.06.01
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2020.06.01
菅野光太郎(R&D事業本部 神戸支店 グループリーダー)
◆入社年:2016年
◆出身:福島県
◆趣味:釣り、音楽鑑賞、クルマ
しなやかに動くアームから、ねらい定めて吐き出される塗料。数台のロボットが連携し、みるみるうちにバンパーが美しく塗装されていく──。日本経済の心臓部ともいうべき、自動車工場の現場に設置された塗装ロボット。そのシステム設計に、菅野光太郎が参画している。アウトソーシングテクノロジーから産業用ロボットの大手メーカーへと派遣されているエンジニアだ。就活時には大手メーカーへの就職も考えていたが、「自分のやりたい仕事ができるのは、技術者派遣だと思った」という菅野は、いま、やりたい仕事を手がけている充実感にあふれている。どのようにして現在のポジションを手に入れ、これからどこへ向かうのか。本人に語ってもらった。(この記事は2020年1月25日の取材をもとに制作しました)
新卒としてアウトソーシングテクノロジーに入社して、最初に派遣された大手メーカーで、いまも働いています。一貫して、産業用ロボットの電気制御設計を担当。派遣されて1~2年目は自動車工場向けの溶接ロボットを担当していました。その後、ステップアップして塗装ロボットの担当になり、徐々に複数台が協働するような難しいシステム設計も手がけられるように。塗装機器の制御盤や生産ラインを管理する盤、タッチパネルを用いた操作盤等のハードウェア設計、PLCラダー設計、ロボットが使われる工場での導入・調整まで一連の工程を担当しています。
4~10台のロボットが連動するような複雑な設計が必要な場合は、エンドユーザーである工場まで出向き、コンベアにあわせてロボットがちゃんと動くかを調整していきます。最近では、自動車の外装部品や鍛造アルミホイールを塗装するためのロボットや、旅行用トランクケースのなかの布を貼りつける工程で使われる、接着剤を塗布するためのロボットなども担当しました。
エンジニアを志したのは、中学生のころ。音楽を聴こうと、iPod nanoを自分のおこづかいで買った。「この小さなアイテムから、どんな仕組みで音が出てくるんだろう」。そんな感じで、スピーカーに興味をもったんです。いろいろと調べるうちに、中学3年生になるころには「スピーカーやアンプをつくるエンジニアをめざそう」と決めていました。それで、高専へ進学して電気・電子工学を専攻。ところが、いざ就職というとき、オーディオ業界は先細りになっていることに気づいたのです。
そこで、別の道も探してみようと。ゆずれない条件は、「電気で動くモノ」を手がけるエンジニアとして、モノの設計に携われること。そんな仕事ができる会社を見つけようと合同説明会へ足を運んだところ、技術者派遣の仕事があることを知り、興味をもちました。大手のメーカーに入ることも視野に入れていたんですが、よくよく検討してみると、夢の実現にはリスクがあるな、と。設計以外の多くの部門があって、どこに配属されるかは、本人の希望や適性、スキルより、運の要素が大きい。
それに対して技術者派遣の場合、設計のスキルを磨いていれば、会社は設計の仕事に僕を派遣しようとしてくれる。つまり、僕の努力しだい、実力しだいで設計の仕事に就けるわけです。「それなら確実に自分の思いを反映できる派遣にしよう」と決めて、技術者派遣の会社だけを4社ほど受けました。そのなかで、一部上場企業であるアウトソーシンググループの一員で、大手メーカーにまさるともおとらない経営基盤をもつ安心感がある、アウトソーシングテクノロジーに決めたんです。
ただ、いざ大手メーカーに派遣されてみると、自分の役立たずかげんが情けなくなるほどで、つらかったですね。なにもわからないので、1年ほどはひたすら勉強の毎日。そこで心が折れずに続けられたのは、知識が急速についてくる実感があったから。たぶん、「恥を捨ててとにかく先輩に聞きまくろう」「作業する手は止めないようにしよう」「つまらないと思った仕事でも、しっかりやろう」といった点を意識していたのがよかったのだと思います。基本に忠実に、一つひとつの業務をこなしていきました。
そうして、「ひととおりのことはおぼえたかな」と自信がつきはじめたころ。それが慢心に過ぎなかったことを思い知らされるできごとがありました。私が設計に携わったロボットシステムが使われる工場に出向き、調整作業を行っていたときのことです。「オマエじゃ話にならない!」。ロボットの動きを調整するメンテナンス担当で、たたき上げのベテランエンジニアの方に、一喝されてしまったのです。
僕が未熟だったせいで、15分程度で終わるはずの工程が数時間かかってしまい、調整作業のスケジュールに大幅な遅延が発生したからです。工場で働く方々の作業をラクにして、工場の経営を向上させるためのロボット導入なのに、僕のせいで工場の稼働に支障をきたしてしまった。失態の原因は、僕の当事者意識の薄さにあります。自分できちんと調べず、「なにかあれば先輩にヘルプをお願いすればいいや」という甘えがあった。だから、現場でうまくいかないことがあり、そばに先輩がいないと、なにが原因でうまくいかないのかわからず、右往左往してしまうわけです。
その場は、先輩のフォローのおかげでなんとか処置できましたが、正直、かなり悔しかったです。「家族もいるし、ここで折れるわけにいかない。もっと成長したい」という想いがめばえた。僕からすれば「怒られるべくして怒られた」という感じでしたね。面と向かって怒ってくれる人がいるということは、ありがたいことだと。そのできごとがあってから、わかっているつもりでわかっていない基礎的なことをすべて洗い出していき、勉強しなおしました。
その成果を感じられたできごとが、先月にありました。いままで、工場での新規導入の案件では、必ずベテランの先輩に同行してもらっていたのですが、初めて単独で出向き、ひとりで導入プロセスを完了できたんです。大きな達成感がありましたね。
工場では、電源を入れて設計どおり動いているかをチェックするだけでなく、「現場でどう使いたいか」を聞きながら、その場でソフトウェアの仕様をカスタマイズすることが多い。いつも想定した以上にいろいろな要望が飛びだすので、対応はそう簡単ではありません。これまでは、頭がまっしろになって「どうしよう…」となる瞬間もありましたが、最近は落ち着いて対応できるように。ようやく腹をくくれたのかもしれないですね(笑)。仕事が「他人ごと」から「自分ごと」になったのかな、とも思います。
アウトソーシングテクノロジーのいちばんの魅力は、やりたいことができること。僕自身、「好きなことをやれている」実感があります。今後はロボットの分野で技術の幅をどんどん広げていきたいです。現場経験を積んだあかつきには、マネジメントや新しい事業を立ち上げる仕事にもチャレンジしてみたい。就活のときの「大手メーカーでなく技術者派遣」という自分の選択は正しかったんだと、改めて思いますね。
はい。4時間×2回という、わりと濃い内容で、前回は新卒からベテランまで50名近くの社員に向けて、講義をしました。受講者のみなさんに「わかりやすかった」「もう一回、聞きたい」といっていただけて、やりがいは大きかったですね。受講希望者が予想以上に多く、4つあった研修講座のなかで、いちばん早く満席になったと聞いて、驚きました。
子どもと遊ぶのに時間をつかっています。いま2歳。手がかかる時期ですが、ありがたいことにアウトソーシングテクノロジーはワーク・ライフ・バランスをとることができる環境。GWやお正月には普通に9~10連休が取れています。
いま、私が派遣されている現場には、他社から派遣されているエンジニアもいます。なかには残業ノルマがあって、休日に働いて稼いでいるケースも。アウトソーシングテクノロジーでは考えられないですよね。やりたい仕事に就きながら、安心して子どもをもうけ、将来設計を組むことができています。
そうですね…。では3点、私が考えていることをいわせてください。ひとつは、定例会の進め方を変えたいです。いまは執行役員の方が来て、説明をしてくださる形式。それはそれでいいのですが、私たち現場のメンバーが意見をいえる機会をもうけたらどうでしょう。そうした双方向コミュニケーションの場をもっとつくっていきたいです。
もう1点は研修の体制。KENスクールのメンバーや私を含め社内エンジニアが講師を務めて展開していますが、需要にこたえきれていないと感じています。外部の講師を招いて、より充実させるのもいいと思います。
3つ目は、社内広報のあり方。以前、「アウトソーシングテクノロジーで自社プロダクトの開発に取り組みます」という社内告知があって、ものすごくワクワクしたんですけど。どうしたらそのプロジェクトに携われるのかは記載がなく、なにか自分と関係ないところでコトが進んでいるみたいで。「興味がある方はこちらへ問い合わせてください!」みたいな告知があるとうれしいです。
アウトソーシングテクノロジーは、社内に仕事の選択肢が豊富にあるので、転職せずにいろいろなキャリアが積んでいける環境がある。これを活用しない手はないと思うんです。エンジニアとしてのキャリアだけで考えてもいろいろな道がありますし、エンジニアから営業や人事、経営企画といった職種に進むこともできる。
どんな分野・スキルを希望していても、また、その希望がキャリアを築く途中で変わったとしても、受け皿がしっかりとある点は、アウトソーシングテクノロジーのいちばんの魅力だと思います。ぜひ、それをうまく自分のキャリアプランに取り込んで、活躍してほしいですね。