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2023.09.04

【鳥人間コンテスト大会レポート】大応援団のエールを”力”に 総力を結集して大空へ

2023年7月29日、30日の2日間にわたって、「第45回鳥人間コンテスト2023」が滋賀県彦根市の琵琶湖岸で開催されました。OSTech公式鳥人間コンテストチーム「Flower’s factory(フロワーズ ファクトリー)」は、30日に行われた滑空機部門に出場。同部門には、厳しい書類審査を通過した17チームが参加し、飛行距離を競いました。
昨年は書類審査で不合格となり、2年ぶりの出場となったFlower’s factory。会場へ駆けつけた約250 名の声援と、2023枚にも及ぶ全国からの応援メッセージを力に、プラットフォームから大空へと飛び立ちました。8月30日のテレビ放映を視聴された方も多いとは思いますが、応援してくれたOSTechメンバーへの結果報告として大会の裏側をレポートします。

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3日前には会場入り 念には念を入れた万全の体制

鳥人間コンテストとは、手作り人力飛行機の競技大会で、Flower’s factoryが出場する滑空機部門の他にも人力プロペラ機部門があります。今年は初日に人力プロペラ機部門、滑空機部門は2日目に開催されました。チームメンバー は7月27日の終業後に、全国各地から会場となる滋賀県彦根市に集合。大会前にクリアしなければならない機体検査に備えました。

大会前日となる7月28日の夕方にはパイロットの安全講習会、フライト前日には、プラットホームの下見や機体搬入、機体安全検査があります。プラットフォームに立てるのは、安全な飛行を証明されたチームだけ。「設計図」「機体の安全性」「パイロットの健康」の3つの検査をクリアしなければ、書類審査を通過していても出場することはできません。フライト前に、もう戦いは始まっているのです。フライト前日は「設計図」「機体の安全性」などを項目とした「機体審査」無事合格。組み立てた機体の警備のため、数名のメンバーを残し、他のメンバーは当日に備え、早めにホテルに帰りました。

昨年秋から全国各地の作業場で作り上げられてきた機体。慎重に運びます
機体検査をクリアするため、フライト前日に組み上げられた機体

各地出発のバスツアーで120名以上が会場に 東京便は前日に出発

Flower’s factoryの大会参加は2018年から今年で6回目、出場は5回目となります。しかし、台風やコロナ禍のため、プラットフォームに立てたのはこれまで2回でした。

  • 2018年(初参加):8.02 m ※『THE FRESH BIRDMAN賞』受賞
  • 2019年(2回目):書類審査合格、台風6号の影響で滑空滑空機部門が途中で中止となり、あえなく棄権
  • 2020年(3回目):書類審査合格、コロナ禍のため大会開催中止
  • 2021年(4回目):46m
  • 2022年(5回目):書類審査で不合格(出場ならず)
  • 2023年(6回目):書類審査合格

そして、2020年以降は応援団の立ち会いも制限されていたため、OSTechメンバーからの声援を受けて飛び立つのは2019年以来のこととなりました! 今年、大会会場に駆けつけてくれたのは約250名の大応援団。東京・名古屋・大阪からのバスツアーを中心に、個別で会場に来場してくれた方もいらっしゃいました。

東京からのバスは前日の夜22時30分に東京駅を出発。当日早朝に会場入りしました。フライトに向け、着々と準備を進めるメンバーを見守ります。

とびきりの快晴で熱中症に注意! パイロットは万全の態勢

当日の天候は前日から引き続き、雲ひとつない快晴となりました! 前日の最高気温は35.4度。熱中症警戒アラートが発令されるほどの暑い一日でした。当日は朝7時の時点でも、もう暑い!! これから気温はぐんぐん上がっていくことが予測されます。今年のフライト順は16番目で、お昼前後の時間となる見通し。万全の暑さ(もはや灼熱)対策を施します。熱で機体に狂いが生じないよう、遮光シートや遮熱ネットで保護。チームメンバーはもちろん、応援に駆けつけてくれたOSTechメンバーにも、熱中症対策を呼びかけます。

当日朝のメディカルチェックを無事にクリアしたパイロットの和泉 博さんは、「大会直前となってからも、普段通りの生活を心がけてきました。昨日は暑さにやられてご飯が食べられなくなっていましたが、今朝はおにぎりをしっかり食べられました。今日は万全の態勢ですね。400m以上飛行して、上位入賞を目指したいです」と意気込みを語ってくれました。

遮光シートや遮熱ネットで機体を熱から守ります
インタビューを受けるパイロットの和泉さん(左)と平瀬チーム代表(右)

全長23mの機体をかついで約800mの大移動

今年は飛行順が最後から2番目となったため、機体駐留区域は、区域の一番端となりました。遥か向こうに見えるプラットフォームまで人力で機体を運びます。その距離はおよそ800m!! 全長23m・総重量45キロとギリギリまで軽量化された機体ですが、このサイズを運ぶのは一苦労です。しかし、各地にいるメンバーが総力知力を結集して作り上げてきた大切な機体。慎重な上にも慎重に移動させます。
真夏の海岸を思わせる炎天の下(ここは湖岸)、翼を日除けにして休憩しながら少しずつプラットフォームに近づきます。移動している間にも、おおよそ30分おきにフライトしていく他のチーム。記録がアナウンスされるたびに、拍手が沸き起こります。同じバードマンとして苦労がわかるだけに、お互いに健闘を讃える姿が印象的でした。

機体の影でひと休み

1年間の総決算 

5時間ほどをかけて移動し、いよいよプラットフォームが目前に。正午を迎え、予想通り気温はぐんぐんと上昇してきました。遮るものや熱を吸収するものがないプラットフォーム上は灼熱地獄。上がったら引き返すことはできません。また、スペースが限られるため、上まで行くのは機体保持者など、十数名だけに絞られます。桟橋手前で態勢を万全に整え、待ちに待った晴れの舞台に向かいます。

フライト順が近づくのに合わせ、応援団も大移動。テイクオフがよく見えるプラットホームから約200m離れた「特設応援会場」に集結し、応援団長の掛け声、チアホーンの音に合わせて「和泉!和泉!」と大きな声援を送ります。

そして、いよいよ待ちに待ったテイクオフ!

みんなが固唾を呑んで見守るなか、機体が水面と並行にプラットフォームから飛び立ちました。主翼は左右対称に美しく反り返り、湖面を滑るように飛行し続けます。そして、35秒後に着水。これまでのチーム記録を上回る193.53mのビッグフライトを成し遂げることができました!! また、「将来性を感じさせるフライトで人々を魅了した」ことを評価され、2度目の「THE FRESH BIRDMAN賞」を受賞しました!!

「飛び立つ前から泣けてしょうがない」

チーム記録を更新したフライトを終えて、チームメンバーからコメントをいただきました。

パイロット和泉さん:「思った以上に早い時点、走り出して2、3歩でフワッと浮いた感覚がありました。でも、まったく不安はなかったですね。途中から風に乗り切れなかったのか、機首が落ちてしまった。上げようとしたんですけど。。。記録は納得していないですが、チーム記録の更新はできたので安堵感があります」

設計主幹の澁谷さん:「飛び出しが良かったですね。主翼の上がり方も完璧でした。尾翼のプッシャーを務めましたが、後ろから気持ち良く飛んでいるように見えました。(フワッとした着水だったので)機体も壊れることなく回収できそう。来年も使えるかな?」

フライトを終えたパイロット和泉さん(左)と設計主幹の澁谷さん(右)

応援団長の柳生さん:「応援に来ていただいた方には、待ち時間が長くなってしまって申し訳なかったですが、みんなの大きな声援は力になったと思います。ありがとうございました!」

応援副団長の福澤さん:「まるで、この6年間を振り返るような素晴らしいフライトでした」

チーム 設立メンバー松本さん:「美しいフライトでした。飛ぶ前から泣けてしょうがない…。本当によかったです(言葉にならない)」

フライト後、回収されてきた機体
パイロット和泉さんの健闘を讃えました!

2年ぶり5回目の出場となった鳥人間コンテスト2023。これまで思うような結果が残せてきていませんでしたが、今年は193.53m 、飛行時間35秒、美しい機体が湖面を滑空しました。全国各地から集まったメッセージ、大会に駆けつけてくれた大応援団、チームメンバーの想い、その全てが力となった結果です!
2023年の活動は終了、一度チームは解散しますが、また次回大会に向けて秋から新たな活動が始まります。
これからも社内報では、Flower’s factoryの活動をお知らせしていきます。

OSTech公式チーム「Flower’s factory」事務局では、ご意見やご質問、チームへの参加をメールで受け付けています。
所属拠点と氏名を明記の上、下記までご連絡ください。

Flower’s factory(フロワーズ ファクトリー)事務局
E-mail : f-factory@ostechnology.co.jp

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