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2023.05.22

【イベントレポート】サイバーセキュリティの本場を体感 CYBERTECH 2023 Tel-Aviv訪問

2023年1月30日から2月1日まで、中東イスラエルのテルアビブにおいてCYBERTECH 2023 Tel-Avivが開催されました。このイベントは、サイバーセキュリティにおける世界的な展示会で、世界で最も防衛産業が発達しているといわれているイスラエルで毎年行われています。今年はアウトソーシングテクノロジーから、鈴木社長、インテグレーション事業本部の齋藤本部長、同ビジネスデベロップメント室の春日室長が参加し、最先端サイバーテクノロジーを視察しました。また、OSTechとアライアンスを結ぶセキュリティ大手のCyberArk、サイバーリーズンの開発拠点を訪問しました。イスラエルの海外事情も含めて、ご紹介します。

2023年のイスラエル

イスラエルへの訪問は、1月下旬から2月初旬にかけて。ドイツ・フランクフルト経由で、ベン・グリオン国際空港に到着しました。イスラエルは、建国の歴史的背景から現在も武力衝突が続いており、入出国の際のセキュリティチェックが世界一厳しい国。トランジット中にも入念な荷物検査、厳しい審査が行われました。現地に到着したのは夕刻。地中海沿岸の美しい街並みが印象的です。

実は、日本出国前日に宿泊予定地へのロケット弾攻撃のニュースが入っていました。写真で見ると、ごく一般的な都市に見えますが、このような市民生活を守るためにあらゆる防衛措置がなされています。その一翼を担っているのが、アイアンドームと呼ばれる防空システム。ロケット弾やミサイルからの攻撃を迎撃するもので、その迎撃成功率は90%以上と言われています。防衛やセキュリティ技術の発達が国の根幹であったからこそ、今のようなハイテク国家としての成功がありました。

世界有数のセキュリティ分野イベント

まず、最初に訪れたのはCYBERTECH 2023 Tel-Aviv。イベントは東京でも開催されていますが、サイバー分野で最先端の開発拠点が集結するイスラエルでのイベントということもあり、世界中から来場者が訪れていました。イベントで目立っていたのは、アイデンティティ セキュリティ分野で、世界でもリーダー企業となるCyberArkのブース。CEOも来場し、入り口横のイベントを司る位置で製品をPRしていました。

ベンチャー企業も多数出展。ソフトウェアの開発が中心ではあったものの、たくさんのラーニングシステムが紹介されていました。世界的にも、セキュリティそのものから扱う人材の教育にステップが移ってきている新しい潮流が見えてきました。日本市場は右肩上がりの成長期を迎えており、ブース以外でも売り込みに出会う場面がありました。

業界をリードする企業とのアライアンス

今回のイスラエル訪問は、CYBERTECHでの市場調査に加えて、開発途中の最先端テクノロジーの買い付け、OSTechがアライアンスを結んでいる企業の開発拠点の視察も目的としていました。

OSTechは、昨年10月に国内No.1シェアを誇るEDR※ベンダーのサイバーリーズンとセキュリティ人材育成プロジェクトにおいて協業を開始。同様に今年3月には、セキュリティ大手CyberArkと、アイデンティティ セキュリティ人材育成を目的とした国内初の「オールインワンパートナー」契約を締結しました。

https://www.ostechnology.co.jp/information/press/2022/1027_1

https://www.ostechnology.co.jp/information/press/2023/0330_1

また、今回のプロジェクトの立ち上げ、製品評価を担当して技術面でサポートしたことにより、CyberArkの2022年第4四半期における営業MVP、技術MVPをダブル受賞いたしました。

※EDR(Endpoint Detection and Response)=エンドポイント(ネットワークに接続しているサーバーやP Cなどの端末)へのサイバー攻撃を検知し、被害を最小限に抑えるシステム

DX推進におけるセキュリティ人材育成の重要性

昨年12月に経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって発表された「デジタルスキル標準」では、社会環境・ビジネス環境の変化に対応するため、経営層まで含めたすべてのビジネスパーソンのデジタルリテラシー向上のための指針を策定し、DXを推進する人材の役割や習得すべき知識・スキルを人材類型として定義しています。

その人材類型「ビジネスアーキテクト」「デザイナー」「データサイエンティスト」「ソフトウェアエンジニア」「サイバーセキュリティ」の5つにも含まれているセキュリティ人材について、OSTechは今後、不足が予測されているIT人材の中でも特にニーズが高まる分野として着目。社会ニーズに応えるため、同分野で日本国内はもちろん、世界でもリーダー的存在であるCyberArk、サイバーリーズン両社とアライアンスを締結し、セキュリティ領域で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。

また、親会社であるアウトソーシングの中期経営計画でも、2025年までの間に先端技術者を600名まで増加させると発表しており、セキュリティ人材の育成は社会的にも、OSTech実業の側面でも急務となっています。

パートナーシップ企業の開発拠点を訪問

窓からは遠くに市街地が見えています

CYBERTECHを視察した翌日、アライアンスを締結しているCyberArkとサイバーリーズンの開発拠点を訪問しました。テルアビブの中心街から外れてはいますが、新しく造成されたIT集積地にあったのは、CyberArk。ホールの壁には、同社のソリューションが排除しているサイバーリスクをアート作品にしたものが掲示されており、言葉の壁があってもどんな事業なのかが一目で伝わる工夫がされています。(お見せできなくてごめんなさい!)他にも、個人の居室にはアヒルのオブジェや壁面いっぱいのアートが配置されていて、スタイリッシュな環境です。

CyberArkのサービスの特長は、企業や組織が保有する膨大なI Dの管理・統制。所属するユーザーのアクセスを管理して、セキュリティポリシーをコントロールします。これにより、不正アクセスや、マルウェアなどの感染リスクを低減させています。このようなサービスを永続的に続けていくためには、知見を有したエンジニアが数多く必要であり、今後、コンサルティングから構築、保守、教育まで幅広いサービス提供を協力して進めていくことを計画しています。

一方のサイバーリーズン。市街地のオフィスビルにその拠点はありました。窓からは、ビルの向こうに地中海が望めます。ビュースポットにインスタの画面を掲示するなんてクールですよね。同社のロゴマークはフクロウがモチーフで、社内のあらゆる場所に編みぐるみが飾られています。共有スペースにはビリヤード台やバーカウンターが設置されていて、遊び心のある空間となっていました。

サイバーリーズンの製品は、マルウェアやゼロデイ攻撃などに対して高度な防御機能、検知能力に優れています。エンドポイントに特化していることから、コロナ禍で普及したリモートワークや、DXによるデバイスの多様化が進む環境下で特に効力を発揮しています。今後、さらに巧妙化が予測されているサイバー攻撃に対抗するためには、システムの運用・保守が重要であり、サービスを運用するためのセキュリティ人材の育成が要となります。CyberArk、サイバーリーズン両社との協業は、社会ニーズに応えることによって人材不足という課題を解決すると共に、サイバースキル向上のための体制を構築し、OSTechエンジニアのキャリアアップをサポートすることが期待されています。

鈴木社長は「今回視察したCyberArk、サイバーリーズン共に、自社製品の脆弱性の検証のため、自社内の部隊が製品の攻撃テストを行っていると説明がありました。自分たちの弱い部分は、自ら試して改善していくという姿を見習いたい」とコメント。また、「OSTechは、技術者派遣業界の中でも2万人が所属する業界No. 1の企業まで成長していますが、先端技術者の数はまだそれほど多くありません。今回のセキュリティ人材育成の取り組みは、先端人材育成の第一段階。社会的にもニーズの高い分野で活躍できることは、みなさんの今後のキャリア形成においてもメリットが大きいと思います。若手エンジニアのみなさんに、ぜひリードオフマンになって欲しいですね」とお話しいただきました。

セキュリティ人材育成のための制度構築はもう進み始めています。アイデンティティ セキュリティの世界的なリーディングカンパニーであるCyberArk、国内No.1 シェアを誇るEDRベンダーのサイバーリーズンとの人材育成計画は、2社にとっても日本初の取り組みとなっています。今回のアライアンスがセキュリティ業界の新たなムーブメントとなるよう、インテグレーション事業本部とI Tエンジニアリング事業本部が協力して推進していく予定です。今後の動向に、ぜひご注目ください!!

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