Blog
|
2023.04.03
Category
Tag
Blog
|
2023.04.03
こんにちは!OSTech広報です。
今回は、2022年12月8日に開催された「最新スマートグラス体験会」の模様をレポートします。
近年、少子高齢化による労働力の不足、熟練者の引退による若い世代への技術伝承の課題を多く耳にします。
製造・組み立てや、設備のメンテナンス、ピッキング作業等の現場作業においては、とくに作業者の人手不足が顕著で、限られた人員で品質を保ちながら作業を行うために、さらなる生産性向上が求められています。またコロナ禍を受けて、遠隔支援や業務効率化のツールとして、スマートグラスの導入が急速に進んでいます。
本イベントは、OSTech主催、ARアプリを展開するTeamViewer ジャパン株式会社様ご協賛のもと、この1年で続々と発表された最新のスマートグラスデバイスの体験会を開催。産業用スマートグラス業界を牽引する3社にご登壇いただき、最新スマートグラスと現場活用の現状についてもお話しいただきました!
RealWearのスマートグラスは、全世界で6,500社以上の企業に導入されており、総出荷台数は約60,000台。世界初となる防爆対応モデルを販売するなど、業界を牽引してこられました。日本国内においてもコロナ禍をきっかけに需要が急増し、遠隔作業支援や、監査、資産管理などの用途で広く使われています。
今回のイベントでは、汎用モデル「HMT-1」の新しいモデルとして主力製品となっている「Navigator™500」をご紹介いただきました(1月に「Navigator™520」を発表)。お客様のご意見を反映し、これまでのモデルから軽量化と横幅のサイズダウンを実現。100dBの雑音環境下でも音を拾えること、カメラ性能は48メガ(4800万画素)でこれは、例えば4倍にズームをした映像も、デジタル上で解像度高く送ることが可能ということです。また、IP-66レベルの防塵、防水、耐衝撃、電池の着脱が可能です。
RealWear製品の特長は、100%ハンズフリーであること。現場で手袋をした状態ではスマートフォンの操作ができないため、「100%音声制御で利用したい」というお客様に選ばれています。また、防爆モデルがあることも選ばれる理由となっています。最新では、サーマルカメラの装着も可能となるなど、顧客ニーズを捉えた進化を続けています。昨今では、SDGsの目標「気候変動について考えよう」にも関連する、CO2の削減という観点からも、遠隔作業支援が進んでいるそうです。
Vuzix様からは、まずは主力製品である「M400」のお話を。発売から2年程が経ち、ファームウェアも安定している同製品。製造業やインフラ系企業様での導入が多いなか、昨今では医療用途も増えているそうです。
例えば、頭頚部やひざ、関節鏡を入れての手術。従来、手術室にある天吊りのカメラでは、手術様式によっては部位が医師の頭で隠れて見えにくいなどの課題がありました。しかし、手術医がグラスをかけた状態でオペ室に入り、スマートグラスを活用することで、手術室以外にいる医師からも手術医の視野で患部を見ることが可能になります。
救急医療の分野でも、救急隊の方がグラスをかけ、医師からの指示を受けて処置をするようなシチュエーションも増えているとのことでした。
また、今までコンシューマー向けに販売していたデバイスを、企業様向けにも活用いただくため「Blade」という製品を発売。Bladeには超小型のマイクロLEDディスプレイを利用しており、サングラスのような形状ですが実はこれは単眼のグラス。今後、両眼タイプのデバイスも販売を予定しているそうです。楽しみですね!
エプソン様では、個人領域から産業領域まで、さまざまな形状・機能をもったデバイスを展開しています。今回ご紹介いただいたのは11月末に発売された新製品。特に、産業領域での遠隔支援や作業支援で利用される「BT-45」です。1番の特徴としては、両眼で非常に大きな仮想画面を見ることができること。120インチ相当の仮想画面を5m離れた場所から見ているのと同じサイズ感で、プロジェクターで映像を見ているような大きさです!
これまでご登壇いただいた2社と比べると、メガネっぽくない印象を受けますが、お客様からの改善の要望にお応えした結果、現在の形状にたどり着いたとか。側面にマイクやスピーカーも内蔵しており、搭載機能が多いこともあって、重みがあります。そのため、メガネ型では長時間装着していると鼻が痛くなってしまうことや、動いているうちにずれてしまうことから、ヘッドマウント型となっています。ヘルメットにも取り付けることが可能なため、ヘルメットの装着が必要な工場や現場の環境でも利用ができます。また、従来製品はカメラがグラスの横部分についていましたが、本製品はグラスの中央にカメラがついており、作業者と遠隔での確認者で映像のずれが少なくなっています。まさに作業者目線ですね。
当社 伊藤からは、Googleのスマートグラス「Glass Enterprise Edition2」のご紹介をさせていただきました。コロナ禍の約3年間で、私たちの仕事も私生活も大きく変化しました。国内外問わず移動することに消極的になったこと。テレワークなど働き方が変化し、コミュニケーションやアウトプットの方法が変わったこと。テレワークを前提とした業務のデジタル化の検討、そして新しい働き方に対応できる人材の不足など。
今では業務のスタンダードとなりつつある遠隔支援ですが、業務内容や環境によって、どのようなデバイスを活用するのか異なります。「Glass Enterprise Edition2」の大きな特徴としては、重量がフレームを入れても52グラムと非常に軽く、着用にストレスが少ないこと。そして見た目でスマートグラスとわかりにくく、toC向けにも導入しやすいとご好評いただいています。
具体的な利用シーンの例として、歯科医院における治療技術の共有を目的として、歯科医師の視野で、治療を妨げずに撮影したい箇所の映像を撮ることができることなどから、活用が進んでいます。通常のメガネと変わらないスリムな形状で、患者さんにもストレスを感じさせませんね。
OSTechでは、今回ご紹介いただいたそれぞれのデバイスの導入サポートはもちろん、ファームウェアと既存の業務システムとの連携などの支援サービスも行っています。
続いては、4社のご担当者様によるセッションです。会場、そしてオンラインで参加いただいた方々からのご質問にお答えしていきます。
・学校などの教育現場での活用事例について
・メガネ着用時でも装着可能か
・ユーザー様での新しい活用事例
・国内でのピッキング作業での導入事例について
・社内でスマートグラスを導入する際の進め方
など・・・さまざまなご質問をいただきました。
なかには、「4社のデバイスは、どのような用途のときにどの機種がおすすめですか」という質問も。
例えば、防爆対応のものや長時間使う現場ではRealWearが重宝されることが多く、比較的軽く、医療関係のお客様やクリーンルームなどへの導入にはVuzix、映像の見やすさや大きく対象を表示することが求められる現場ではEPSON、物理的な重さを軽くしたいときにはGoogle・・・と、4社4様です。特徴が違うデバイスなので、用途に応じて使い分けています。
もちろん、お客様の詳細な要件によってはここに記載した例と異なる場合もありますし、別のデバイスをご提案することもあります。現場の課題や環境によって最適なデバイスを提案していますので、お悩みをお持ちの方はぜひOSTechへお問い合わせくださいね!
・・・と少し宣伝になってしまいましたが、自社での導入にあたっての課題や具体的な進め方に関するご質問が多かったのが印象的でした。導入にあたっては段階を踏み、お客様の現場の状況に応じて調整をしていきます。そのため、この業種はこのデバイス、という正解はありません。みなさまの業務がデジタルによって効率化でき、働きやすい環境をつくれるよう、引き続き当社でも支援してまいります。
そして会場にお越しいただいた方々には、今回のメインイベントであるスマートグラスの体験会!
みなさん、各社のグラスをかけ比べたり具体的な導入に向けた相談も。
参加された方からは、
・各メーカーの機種をまとめて体験できるのは貴重な機会だった。
・各社の特徴や事例を聞いたうえで体験もでき、イメージが具体化できた。
・他部門とも連携し、社内のDXに活かせないか検討したい。
・自社製品との協業についてご相談したい。
などの感想やご要望が寄せられました。
会場でのご参加25名、オンライン参加83名、合計108名参加の大盛況なイベントとなりました。ご登壇いただいたみなさま、そしてイベントにご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
今後もさまざまなシーンで活用が期待されるスマートグラス。OSTechでも、「WORKS INNOVATION COMPANY この世界にある、あらゆる“はたらく”を革新する企業に。」というコーポレートミッションのもと、働き方を改善するためのツールやソリューションの導入支援をしていますので、今後の展望にもご期待ください!
OSTechエンジニアのみなさんも、業務内容の効率化に活用できそうだと思ったら、ぜひセールスデベロップメント課までご相談ください!