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2022.12.19

【“我が社の五輪選手”を応援しよう!④】 世界の壁は厚かったけれど、 「挑戦マインドは通じる」と学びました

さまざまな職種の技能を世界各国の選手が競い合い、スポーツの五輪と同様に、金銀銅のメダル獲得を目指す技能五輪。2022年は「第46回 技能五輪国際大会 (特別開催)」として各国で分散開催され、63種目の競技で、58国の1,064名の選手が参加した。そのうち、10月に韓国のコヤン市で開催された「モバイルアプリケーション開発」種目に、アウトソーシングテクノロジーの新人エンジニア、園田拓也が出場。オンラインマガジンでは、これまで3回のシリーズで、園田選手を全力で応援してきた。最終回となる今回は、本人から「世界へのチャレンジ」の結果を語ってもらった。

PROFILE

  • 園田 拓也(SS事業本部 DXエンジニアリング課)

スポーツ五輪のような盛り上がりに感動

最初に、技能五輪への出場のために、開催地の韓国へと出発した時の話から、聞かせてください。

現地入りしたのは、競技が行われる4日前です。実は私は、海外へ渡航すること自体が初めて。その上、今回は技能五輪への挑戦という特別な旅。ですから、成田で搭乗手続きを済ませ、離陸してからもドキドキが止まりませんでしたね。興奮のなか、韓国に到着。空港のゲートを出て、最初に目に飛び込んできたのは、技能五輪の選手へ向けたウェルカムボードでした。世界中からやって来る選手のほとんどがこの空港を使うので、歓迎する人たちやカメラマンをはじめメディアの方々が大勢、集まってくれていたのです。

その光景を見て、「自分は世界的な大会に出場するんだ!」。そういう実感が強く湧いてきました。そして空港からは、選手用の宿泊所になっているホテルへ、日本・イギリス・コスタリカの選手と一緒にバスで移動しました。ホテルでは、韓国で開催される競技に出場する、ほかの日本代表選手と初めての顔合わせ。交流を深めることができました。

園田さんが出場した「モバイルアプリケーション開発種目」のエキスパートであり、OSTechグループのシンクスバンクが運営する「KENスクール」講師でもある杉山大樹さんと現地へ出発したそうですね。

はい。競技開始の4日前に杉山先生と現地に到着し、競技の概要や審査方法などについて、最終的なレクチャーを受けました。そして、競技の前日には、開会式のセレモニーがあって。ネットでのライブ中継があるなか、スポーツの五輪同様、出場国別に選手団が入場。私も国旗を振りながら行進しました。観客席のみなさんも手を振り返してくれて、盛り上がりに感動しました。

「想定外の事態への対応力」が及ばなかった

生中継で拝見していました! ド派手なセレモニーが規模の大きさを物語っていましたよね。見ているだけでワクワクしました! では、競技がスタートしてからのことを聞かせてください。

とにかく、与えられた課題を黙々とこなしていきました。本当に“黙々と”という表現がぴったりで、出場選手はそれぞれブースのような囲いの中に閉じこもって作業するので、キーボードを叩く音が聞こえるだけ。他の選手の進捗状況は全くわからない環境でプレーしました。

私が出場した「モバイルアプリケーション開発」の課題は、4日間かけて、BtoC向けのスマートフォン用とタブレット用のアプリをゼロから制作していく、というもの。午前と午後でセクションが分かれていて、セクションごとに異なるアプリの開発またはデザインを行いました。午前はスマートフォン用、午後はタブレット用でした。

各セクションのスタート時に各画面のデザインカンプと実装する機能が書かれた資料が渡され、それを時間内にこなしていきます。きちんとした方法で、時間内に、ちゃんと動くものを作れているか、細かい評価項目があって、その評価点の合計を競い合います。

とはいえ、今大会から新しく加わった種目なので、「1日目はこういう風に進行するのだな」と見当を付けられるような前例もない。ですから、自分に与えられた課題をこなすことに、ひたすら集中していました。

結果はどうだったのでしょう。

1日目、2日目は順調でした。予想通りの課題が出題され、訓練の成果を発揮できたと思います。ところが、3日目と4日目の課題は全くの想定外。3日目は、画面の遷移がテーマ。事前の想定より難しいロゴ、メニューなどの要素にアニメーションを設定したり、動画をループして再生する方法などが指示されました。実装方法がわからず、頭の中が真っ白になってしまって。何とか形にはしましたけど、「訓練さえしていれば…」と悔しかったです。

また、4日目は、動作テストがテーマ。訓練では使用していないAPIを使うように指定されました。こちらも事前に準備していたUIテストとは異なる方法です。この2日間の評価点が、最終的な結果に響いてしまった。残念ながら、出場した11名の選手の中で、11位に終わりました。

© Japan Electronics College 2022
© Japan Electronics College 2022

改めて、お疲れ様でした。出場選手のみなさん、レベルが高かったですね。どのような点で、違いを感じましたか。

想定外の問題が出た場合の対応力です。つまり、技術的な引き出しの「多い」「少ない」が勝敗を分けたと思っています。出場選手はみんな、私と同年代ですが、仕事としてITに携わった経験が豊富な選手もいました。そのなかで、私は専門学校を卒業したばかり。OSTechでも新卒1年目で、この大会出場への準備があったため、まだ現場に出て仕事をした経験がありません。この“仕事としてITに携わった経験値”の差が、そのまま技術的な引き出しの差に繋がったのではないかと分析しています。

競技後、杉山先生にほかの選手の評価点を聞いたところ、「金メダリストは満点に近かった」と。世界に目を向けてみると、私はまだまだ、知識や経験が足りていないことを実感しました。

外国人エンジニアの友人ができた!

世界に挑戦して、園田さんが得たものは何でしょう。

チャレンジすることの大切さを知りました。負けたのは悔しいですが、チャレンジしたからこそ、自分の課題をしっかり見つめることができた訳です。自己成長のためには、常にチャレンジすることが必要だと学びましたね。

また、大会を通じて、世界のエンジニアの方々と交流を図ることができました。多くの同年代のエンジニアたちと、SNSで繋がることができて「どのような勉強をしているの?」「OSはどれを使ってる?」とか、気軽に連絡を取り合っています。こうしたグローバルな人脈は、これからの自己成長のために、大きな財産になると思っています。

今後、OSTechでエンジニアの仕事が本格的に始まります。抱負を聞かせてください。

ぜひ、モバイルアプリケーション開発の案件に携わっていきたいですね。今回の大会では、特に画面設計のUI/UXの制作で壁にぶつかってしまった。もっとユーザー視点を持っていれば、結果は違っていたかもしれません。ユーザーの目線で考えることの重要性を、しっかりと念頭に置いた上で、今後、業務に取り組んでいきたいです。

みなさんの応援に感謝しています!

OSTechメンバーのみなさんから、たくさんの応援メッセージをいただきました。最後に、返礼のメッセージをお願いします。

たくさんの方から応援メッセージをいただき、とても感謝しています。「現地入りしたらすぐに読んで、励みにしよう」と思っていたのですが、初日はソワソワしてしまい、みなさんからのメッセージを読む勇気が持てなくて。2日目の夜にやっと、すべてのメッセージに目を通しました。とても期待していただけていることがわかり、胸が熱くなりましたね。残念ながら、期待に応えることができませんでしたが、精一杯、取り組みました。みなさんから温かい言葉をいただいたお陰です。本当に、ありがとうございました!

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