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2021.12.06
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2021.12.06
10月29日から31日に開催された第97回日本選手権水泳競技大会の水球競技。アウトソーシングテクノロジー 人財戦略本部新卒採用課の作田健太朗さんが、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎(以下、ブルボンKZ)のメンバーとして出場し、見事準優勝に輝きました。採用担当として、アスリートとして、日々努力を続けている作田選手に、夢や目標を諦めることなく、自分のゴールに向けて歩み続けられる秘訣を聞きました。(取材はオンラインで行いました)
※写真提供=ブルボンKZ・本人
作田健太朗(人財戦略本部新卒採用課)
入社:2021年
趣味:もちろん水球、マンガ(月600冊読む)
水球は、1チーム7人が対戦し、プール内のコートに設置された相手ゴールにボールを入れて点数を競う競技。水深2メートル以上、縦30メートル横20メートルのコートで、試合中、一度も足をつけないでプレイします。
試合時間は、1ピリオド8分間、4ピリオド制。攻撃開始から30秒以内にシュートをしなければ、攻撃権が相手チームに移ります。水中のハンドボールともいわれますが、つかみ合いなどの格闘技要素や、ボールを使うため球技の要素、泳ぎやシュートスピードの早さなど、たくさんの要素が含まれていることから欧州では「キングオブスポーツ」と称されています。
作田選手が出場した日本選手権は、水球競技で国内最高峰の位置付けにある大会で、高校選手権、学生選手権、社会人選手権に出場するチームが地区予選、最終予選を勝ち抜き、上位8チームが出場。トーナメント戦で頂点を競いました。
準決勝までは、順調に勝ち上がりました。所属しているブルボンKZは、一人一人強い武器がある選手を適材適所に配置してくれる、選手起用が上手なチーム。各選手のいいところが、存分に発揮されていたと思います。
でも決勝は稀に見る完敗。2018年に優勝してから準優勝が続いているので、なんとか奪還したかったんですが、決勝で力が入ってしまって。練習でできていたことができず、悔しい結果となりました。
ディフェンスです。水球は足を使って浮きながらプレーするので、水面から出ている部分が大きければ大きいほど、スピードのあるボールが投げられます。センターフォワードに強くて攻撃力のある選手が配置されるのですが、それをディフェンスするのが私のポジションの役目です。力のある身体の大きな選手を守ることができるように、日々身体を鍛えています。相手と1対1になったときは強いですが、筋トレをしすぎて肩関節が硬くなってしまって、攻撃が苦手。そういう選手もうまく使ってくれるチームです。
新潟県柏崎市をホームとする日本最大級のクラブチームです。2010年の設立当初は男子社会人チームだけでしたが、地元のジュニアチームと統合し、小学生から社会人まで約200人が所属するチームとなりました。地元小学校への出前授業や水球体験会なども行い、水球の発展や普及にも力を入れています。
小学5年生から水球チームに所属していました。中学、高校とクラブチームに所属し、岐阜県の選抜チームにも選ばれましたが、当時はすごく弱かった。勝てない時代があって、「優勝するまでは」と思って続けることができました。
大学時代には大学選手権で準優勝できたんですが、引退して就職活動をしているあいだも決勝戦のドキドキする感じが忘れられず…。当時は東京オリンピック開催の2年前で、代表選手になりたいという強い気持ちもありました。銀行に内定が決まったのに「水球がなくなったら自分に何が残るのか、銀行員であのドキドキを感じることができるんだろうか?」と悩みましたね。結局、水球を続けるために1年浪人して大学院に進むことを決断。3月末に内定を辞退し、ブルボンKZに加入しました。
両親からは勘当寸前。人生で一番怒られましたね。でも内定を辞退した翌日には、レンタカーに当座の荷物を乗せて新潟の練習場を目指していました。ブルボンKZは、ヒーロー的な選手がたくさん所属していて、小学校時代からの憧れのチームでした。そんなチームの人たちに、「待ってたよ」って言ってもらえたことは、今も忘れられません。
そこから大学院に入るまでの1年間は、とても辛いものでした。勉強とトレーニングのどちらもハード。でも、その時期がなかったらと思うと、今振り返ってみてもゾッとします。世界や世の中のことを知らない自分に、そのとき気づくことができた。だからその後は、英語、中国語を勉強してシンガポールやマレーシア、オーストラリアで世界経済や社会情勢を学んだり、国内でも学会に参加して知見を積みました。
そして、チームで町おこしや水球のイベントに携わって、たくさんの人と出会うことができました。肉体労働をしながらも水球を続けているチームメイト、町の活性化のためにボランティアで参加する人、そんな人たちの働く姿からキャリアについて考えることができました。採用担当として、学生に伝えられることの幅が広がったと思います。
本気で東京オリンピックの代表選手を狙っていましたが、コロナもあって代表選考スケジュールが延びてしまいました。もちろん、選考に向けてトレーニングを重ねましたが、2020年末にメンバーが確定。選考からは漏れてしまいました。
その時点で、大学院卒業まで3か月ほど。アスリート引退後、きちんとキャリアを重ねていきたいと考えていたので、第一線で活動することには見切りをつけて、就職活動を始めました。
就職先については、ここまでの人生、自分の考えをしっかり持って上り詰めてきたので、今後においても、自分の考えを曲げなくてもいい会社を選びたいと考えました。その中で出会ったのがOSTech。大学時代に内定をもらっていた銀行は、入社後に水球を続けることをよしとしてくれませんでしたが、OSTechは違いました。「仕事をしながらでも、夢を追いかけられる環境がある」と言ってくれたんです。オリンピック出場という夢は叶いませんでしたが、国内最高峰の日本選手権大会優勝という目標がまだ残っていたこともあって、うれしかったですね。採用担当の方には今でも感謝しています。
新卒採用課で採用担当として、学生との面接を中心に行っています。1日に8人ほどと、今はオンラインで面接しています。採用されてから東京本社で働いていましたが、7月に名古屋勤務になりました。
日本選手権前は、朝練をしてから仕事をして、仕事が終わった後も練習、その後も将来の目標の一つである司法試験合格のために勉強して就寝というハードスケジュール。仕事はオンラインや在宅勤務が中心で、水球と両立できるように業務配分してくれていたので、ありがたかったですね。
もちろん、大会が終わったからといって身体を鍛えなくてもよくなる訳ではないので、そこまでハードではないにしろ、今もトレーニングは続けています。
●1日のタイムスケジュール
5:30 起床
6:00-8:30 朝練
09:00 出社
18:00 退社
19:00-22:00 練習
22:30- 勉強
その後就寝
夢を諦めなくてもいいように会社に配慮していただいたのにも関わらず、結果を残せなかった後悔が残っています。このままアスリートを続けるか、今後のキャリアのために仕事一本にするのか、まだ不透明。これから時間をかけて考えていきたいです。
OSTechは違いますが、一般のビジネスの現場では、仕事をしながら自分個人のゴールを目指すことは、まだ難しいし、特殊な状況だと思います。でも、個人の目標であったとしても、そこに必死になって努力した経験は、ビジネスでもいかされるはず。少なくとも採用担当として学生に毎日向き合っている自分にとっては、なくてはならない経験です。
いつか自分のように、働きながら夢を追いかけることが世の中のスタンダードになればいいと思いますし、そうなるように自分も努力し続けたいと思います。自分の経験が、夢や目標を諦めることなく頑張る人の小さくても足がかりのひとつになればいいなと思っています。