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2021.07.12

【社外活動GUIDE2】まもなく大会参加 ものづくりのプロ集団「Flower’s factory」

毎年夏の終わり頃に、読売テレビ系列で放映される「鳥人間コンテスト」。40年以上前から開催されている伝統あるコンテストに、アウトソーシングテクノロジーも挑戦しています。
ご存知の方も多いとは思いますが、今回はOSTech公式“鳥人間コンテスト”挑戦チーム「Flower’s factory」が、大会に向けてどんな活動をしているのかをご紹介します。

<2018年大会 プラットフォームに向かうメンバー>

「鳥人間コンテスト」放映は夏の終わりですが、実際の大会は7月最終の土日に、滋賀県彦根市の琵琶湖湖畔に特設された会場で実施されています。そう、もうまもなくなんです。
この時期は「梅雨明けの一番暑い時期」で、ライバルとの戦いと同時に、自然との戦いでもあります。過去をさかのぼると、台風や強風で中止になったこともあります。これまで参加して、安定した天候を経験したことはありません。
そんな過酷な大会に挑むメンバーたちの奮闘は、前年度の秋にスタートします。

<2019年大会 悪天候に見舞われ飛行中止に>

準備は10か月前に開始 まずはコンセプト構想から

チーム「Flower’s factory」では、運営班・設計班・製作班・翼班・コクピ班・電装班・支援担当など複数のグループがあり、各班には班長がいます。また、エリアごとにもグループが作られていて、各エリア責任者はエリアの取りまとめをして、班やエリアは公式グループLINEで毎日のように情報を共有しています。

10月、設計班は次年度の機体のコンセプト構想から開始します。
「毎年ゼロから機体を製作する。そして毎年新しい何かを追加する」のが設計班のポリシー!
2018年度、主翼の全長(幅)が18mだったのに対して2021年度の機体主翼はなんと23m。毎年のように大きく、完成度の高い機体へとバージョンアップしています。
この「機体設計」は航空力学理論に基づいて、本物の飛行機と同様の翼形状で設計。揚力や浮力などの流体力学、機体強度に関する材料工学分野の知識も必要となります。OSTechのエンジニアだからこそ、できているものですね。

<2018年の機体 主翼は18m>

鳥人間コンテストだけに“フライング”で制作!?

設計班の基本設計が終わるころには、製作主幹(責任者)を中心に、各班長らと共に素材や製作方法についての検討に入ります。この頃はもう11月。運営班が書類審査用の書類製作にも着手します。
出場申込書には、チームの特徴や機体製作に関する実効性、安全性、またパイロットに関する書類やアピールポイントなどを詳細に記載します。機体図面は三面図だけでなく詳細図や構造図なども必要で、毎年ファイル1冊分もの書類を、毎日深夜まで打ち合わせをしながら製作します。
12月には書類を提出し、合格発表はなんと3月!
この間、製作時間に余裕がある学生チームはじっと待っていますが、社会人チームであるFlower’s factoryには、そもそも時間が足りません。「絶対合格!」を信じて、フライングで機体製作に着手します。

エリアで分担して機体を組み上げ

機体製作の本拠地は、兵庫県尼崎市にある小さなガレージ。真冬の作業場はすきま風が冷たく、本番が行われる真夏とは正反対の環境で整備をはじめます。このころ、運営班は各製作班が提出した材料表に基づいて、部材仕入れ表を作成し、同時にその部材が機体製作に適切かどうかの実験をします。「接着剤はこれがいい。機体重量を軽くするために、フィルム素材を変更しよう」など、世界中のさまざまな部材を取り寄せて、成分や溶剤反応の有無などを確認していきます。

<2019年 尼崎作業所にて>

機体のメインフレームとなる主翼・尾翼・胴体の骨組みには、CFRPと呼ばれる炭素繊維強化プラスチックが使用されています。
主翼・尾翼の翼の形を構成している部分は「リブ」といいますが、低発泡のポリスチレン素材の板をそれぞれの大きさに100枚以上も加工し、翼のフレームにはめ込んでいきます。このリブ製作は、札幌支店と東海エリアのメンバーが担当しています。リブは主翼・尾翼の形状を決定させる重要な部分。1枚1枚を図面通りに切り出し、最後はサンドペーパーをかけて仕上げなければならず、とても繊細な作業です。
その他の機体パーツも関東エリアや中部エリアに分担し、完成品を尼崎へ運んで組み立てるという作業を繰り返して、少しずつ飛行機の形が組み上がっていきます。

<2020年 刈谷支店でのリブ制作風景>
<2020年 尼崎作業所にて>

エンジニアの本領発揮 アルミ合金溶接

同時期、関西エリアのコクピ班はコクピットの製作に着手します。機体主翼中心部に取り付けられるコクピットは、パイロットの身体を守る大切な部分です。この部分には機体唯一の金属である「アルミ合金」の25mmパイプが使用されます。金属は溶接で加工・接続が可能ですが、アルミは融点が660度と低く、通常の溶接では素材が溶けてしまうことから、Tig溶接という特殊な溶接道具と方法を使います。かなり希少な国家資格を必要とする作業ですが、OSTechにはこの作業に精通した技術者が存在します。この作業ができるところが少ないこともあって、学生チームからは見学依頼もあるんですよ。

<2019年 コックピット製作風景>

2か月で怒涛の試験ラッシュ そして完成へ

5月のゴールデンウィークを迎えるころ、ようやく「飛行機の全容」が見えてきます。ここからは各種試験の繰り返しです。
全組み試験では組み立て部位や、機構に齟齬や無理がないか、また規定時間内に機体組み立てができるかなどを試験します。
重心試験では実際にパイロットが機体に乗り込み、機体のバランスや飛行姿勢の確認。
電装試験では、機体の制動操作をする垂直尾翼(ラダー)の動作確認をします。その他センサー類も含め、人力飛行機には意外と電子部品も搭載されています。これら電子回路などもすべてエンジニアさんの手づくりです。

<2019年 テスト飛行の様子>

製作、試験、改善を繰り返し、6月には機体が完成します。大会は7月下旬、余裕があるかと思いきや、ここから製作班は大会シミュレーションを開始。運営班は大会に向けての各種準備に入ります。機体運搬の方法や大会に持って行く道具の確認、経口補水液や蚊取り線香などの衛生用品も必要不可欠です。

大会直前 ぜひ応援を!

こうして構想から10か月をかけ、準備を重ねてきた鳥人間コンテストがいよいよ開催間近となりました。一昨年は台風の影響で参加部門が中止、昨年はコロナ禍で大会自体が中止となり、長期間、心待ちにしていた大会参加となります。
コロナウイルス感染拡大防止の観点から観戦はできない状況ですが、OSTech公式チームとして出場しますので、全国からぜひ応援をお願いします!
掲示板では、公式グッズも購入することができますのでぜひご確認ください!