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2020.08.24

【テスト飛行会レポート】鳥人間コンテストへのあくなき挑戦!

OSTechでは、全国の有志が集い、チーム「Flower’s factory」として鳥人間コンテストに挑戦しています。
今年の大会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け中止となってしまいましたが、大会予定日の7月25日(土)、本部作業場のある兵庫県尼崎市において、今期機体のテスト飛行会(&機体お披露目会)が開催されました。

厳戒態勢の中、テスト飛行会

GoToトラベルの期間中とはいえ、まだまだ安心できない状況のため、テスト飛行会は近府県の主要メンバーと応援・観覧のご家族のみで行われました。
参加者はもちろんマスク着用。衛生班の担当者はマスクの上にさらにフェイスガードを着用し、参加者全員の検温と健康チェックを実施。厳戒態勢で臨んだテスト飛行会の始まりです。

主要メンバーは約20名。応援メンバーとして徳島大学の鳥コンチーム「徳トリ」からも8名が参加してくれました。徳トリは、去年発足した新しいチームで、Flower’s factoryもその活動をサポートしています。そして今年も讀賣テレビさんが密着取材してくれましたよー!

さあ、機体を組み立てよう!

他の多くのチームでは、製作した機体を、トラックでの運搬用にいくつかのパーツに分解し、大会当日に琵琶湖畔で組み立てます。
しかし、Flower’s factoryでは、全国の拠点で分担して機体のパーツを製作し、大会当日の琵琶湖畔で組み立てる分割製作方式で機体設計を行っています。
そう!全国で製作されたパーツが、テスト飛行の際に、初めて飛行機のかたちになるのです。

これこそ「図面、仕様書、要領書があれば、正確な機体の製作ができる」という、プロのエンジニアの証明。
わずか、30分ほどで組み立てが完了しました。

はたして機体の全貌は・・・

じゃじゃん!

滑空機部門最大級の、全翼長24m、全長6.5m。
約1年の歳月をかけて、全国のエンジニアが製作した機体が、初お披露目されました!
大きな機体と新たに追加されたフェアリング、他チームにはないコクピット台車とエアダンパー式収納脚部。今年の機体に初めて取り入れた機能です。

ここで少しだけ、今年の機体の材質についての説明。
「桁」と呼ばれるBodyは「CFRP」筒型構造。
主翼「リブ」はスタイロ10m厚、前縁にはアメリカ製の「デプロン2mm」素材を使い、後縁部はABSを素材として、メンバーが設計→3Dプリンターで約200部を製作。翼カバーは0.0218mmPVCフィルム。
今期から採用した「自動収納式脚部」には、150mmエアダンパーを使用。
コクピット及びコクピット台車には、A6600番台のアルミ合金製φ25を使用して、レーシングカーと同様に全てTig溶接で接合されています。
コクピット風防にあたるフェアリングや緩衝材はすべて、PP/PE/発泡型PSを加工して成型しています。機体制御は、電動制御式垂直尾翼とし、サーボモータを使用。制御は手元ジョイスティックで有線式です。

いざ、飛びます! 否、走ります!

大会本番は、琵琶湖湖面に建つ高さ10mのプラットホームからの滑空ですが、テスト飛行会は公園。
またFlower’s factoryが挑戦する「滑空機」には、推進動力も着地用タイヤもありません。
じゃあ何をするのかというと、パイロットを乗せた機体を数人で支え、何度も走るだけ!

しかし、このテストフライトがとっても重要。実は、上位チームの多くは大会前に、広場や公園で数十本のテストフライトを経て、機体の調整と改良を行い大会本番に臨んでいるんです。
今年は「徳トリ」メンバーの若い力も、テスト飛行を支えてくれました!

ひたすら走ります!
その間に、揚力・浮力・必要速度など、あらゆるデータを収集します。
当日は、曇り、ときどき雨。前日からの雨で地面はぬかるんでおり、全速力で走ることはできません。
もし誰かがつまづいて転倒したら・・・その瞬間に機体は大破してしまいます。
大きなプレッシャーとなる天候のなか、それでも全力で何度も走り、計21走行にも及ぶテスト飛行を実施しました!

時折降る雨に、翼の下で雨宿り。

午前、午後を通じてテストが実施され、大量の機体データを収集することができました。
琵琶湖で飛ぶことのできない今年の機体ですが、来年の機体の元データとなります。この機体に工夫を加え、より高精度な「滑空機部門最大の機体」として生まれ変わるのです。

2018年の初挑戦以来、書類審査3年連続「合格」という快挙を成し遂げているFlower’s factory。
初年度は、「THE FRESH BIRDMAN賞」を受賞しましたが、2年目は台風が直撃し飛行ができず。
そして3年目となる今年は大会中止と、なかなかフライトの機会に恵まれず悔しい思いをしてきました。

来年こそはビッグフライトが達成できるよう、チーム一同取り組みますので、皆さん、応援よろしくお願いします。(まずは書類審査から・・・!)

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