Message

|

2025.07.22

【山﨑高之新社長インタビュー】境界をなくし、未来を切り開く。新生BREXA Technologyの挑戦。

2025年7月、株式会社アウトソーシングは「BREXA Holdings」を純粋持株会社としたホールディング体制へ移行した。これに伴い、日本発の技術人材プラットフォームとして挑戦を続けてきたアウトソーシングテクノロジーも「BREXA Technology」へと社名を変更。新社長には、BREXA Holdingsの代表取締役社長・社長執行役員(COO)も務める山﨑高之氏が就任した。アジア市場で10年以上に渡り技術者派遣事業に従事してきた山﨑氏は、グローバル人材の流動化や DX 推進、労働市場の構造変化といった時代の潮流をどう捉え、どんな未来を描いているのか。変革の指揮を執る山﨑氏に、話を聞いた。

PROFILE

  • ■山﨑 高之
    株式会社BREXA Holdings 代表取締役社長・社長執行役員COO
    株式会社BREXA Technology 代表取締役社長

より多くの人に、より多くの可能性を。「BREXA」という社名にこめた強い思い。

新社名「BREXA」には、どのような意味があるのでしょうか。

「BREXA」は、グループのパーパスである「すべての『はたらく』に境界をなくし、より多くの人に、より多くの可能性を」に由来する造語です。境界を壊し(Break)、人々の能力(Ability)を拡張(Expand)していく、そして能力の拡張を“より多く”行っていく、ということを表現しています。

新社名は、旧アウトソーシンググループ時代から30年間にわたり取り組んできたことをあらためて明文化したものです。グループでは世界で約12万人の雇用を創出し、毎年1万人近くの未経験者や新卒者を採用。エンジニアや施工管理技士などの職に就く機会を提供し、成長の場をつくり続けてきました。

今、強く感じていることは「スキル」や「国籍」といった“境界”の存在です。未経験者が仕事を得にくいのはスキルの壁があるからであり、外国人が日本で働きづらいのは言語やビザの壁があるからです。人口が減少している日本では、外国人の雇用を増やしていかなくてはなりません。そのためにも、私たちは“境界”を壊し、乗り越えていく必要があります。

新体制において、BREXA Next、BREXA CrossBorderとはどのように連携し、シナジーを発揮していきたいとお考えでしょうか。

BREXA Holdingsへの体制変更に伴い、グループ全体の経営効率の向上を目的に事業セグメントを「ジャパン/アジアセグメント」と「インターナショナルセグメント」に変更しました。「ジャパン/アジアセグメント」の中核を担うのが、技術系人材事業を牽引するBREXA Technology、製造・サービス業界向け人材事業のBREXA Next、人材送り出し・受け入れ事業のBREXA CrossBorderの3社です。

まず、私たちBREXA Technologyの強みは、技術者の雇用と育成に力を入れ、技術者としてのキャリア機会を提供していることです。現在、技術系領域で3万人近い技術者を擁し、5,000社以上の顧客企業と取引をしています。この「規模の力」は、当社の大きな強みです。

BREXA CrossBorderは、インドネシア、ベトナム、インド、タイ、ミャンマー、中国、韓国などアジア各国にネットワークを持ち、現地から人材を送り出しています。たとえば、韓国からは年間約100人、ベトナムからは昨年150人、今年は200人規模のエンジニアを受け入れており、特にインドネシアでは、これまでに2,500人規模のブルーカラー人材を送り出してきました。今後、エンジニアの送り出しにも力を入れ、BREXA Technologyと連携し雇用を拡大していくことが期待されます。

また、BREXA Nextとの間にも強いシナジーがあります。現在、BREXA Technologyの売上の半分以上、またBREXA Nextにおいては9割以上が自動車・電子部品・半導体メーカーからです。これにより、同一の顧客に対して、工場のワーカーから研究開発棟のエンジニアまで、一気通貫で人材を提供できる体制を構築しています。

営業部門も連携しており、たとえば工場部門から研究開発部門への人員移動の際にも、当社内で完結した提案が可能です。このように、各ユニットが連携し、顧客と従業員の双方にとって最適なソリューションを提供しながら、社会に対する価値を創出していきたいと考えています。

変化する社会のなかで、BREXAだから発揮できる力とは。

グローバル人材の流動化、DX の加速、労働市場の分断など、日本社会にはさまざまな課題が山積しています。こうした社会の大きな潮流をどう捉えていますか?

パーパスにも通じますが、日本の労働市場は今、かつてない危機に直面しています。人口減少のスピードは加速しており、それに伴って労働人口も急減。早急に対応しなければGDPは縮小し、介護、農業、漁業、酪農など社会インフラが機能不全に陥る恐れがあります。

この人手不足は、ITや機電を含む技術職にも深刻な影響を与えています。エンジニアが足りなければ企業の研究開発力が低下し、日本経済全体の競争力も失われていきます。労働力不足は、まさに日本の根本的な課題であり、それに向き合うのが私たちBREXA Technologyの使命。解決の鍵は、未経験者や若年層をエンジニアとして育成すること。スキルを持つ人材を“探す”だけでは限界があり、自ら“育てる”ことが不可欠です。

経験の壁を壊す。BREXAアカデミーの役割とは。

従業員の教育研修制度、スキルアップ、キャリア形成については、どのように取り組んでいきますか。

BREXA Technology グループには、機電系・IT系のエンジニアに加え、建設分野の施工管理技術者、医療・科学分野の技術者など、多様な領域の専門人材が在籍しています。これらすべての領域において技術は急速に進化しており、顧客から求められるスキルの変化も年々早まっています。こうした環境下で、エンジニアが常に学び直し続けることが求められる一方、会社としての支援が十分ではなかったと反省しています。

そこで、社内育成機関を「BREXAアカデミー」として全面的に刷新することにしました。従来は「KENスクール」という名称でグループ会社シンクスバンクが運営し、パソコンスキル講座の外販と社内のエンジニア研修を両立していましたが、今後は外販を終了し、すべてのリソースを自社技術者の育成に集中させます。

また、技術研修にとどまらず、プレゼンテーションやマネジメントなどのビジネススキル研修も拡充していく予定です。これらの研修はエンジニアのみならず、営業職にとっても有用であり、社内全体の人材力を高める取り組みとして推進していきます。

そのほか、働く環境をどのように整備していきたいとお考えでしょうか。

BREXA Technologyの社長として私がいま真剣に取り組むべきだと考えているのは、エンジニアが長くキャリアを築ける環境の整備です。

スキルを積んだ従業員にとって、中流・上流工程やコンサルティング領域といった“次のステージ”に進める案件が、現時点では十分とは言えません。エンジニアが10年、20年と働き続けたくなる会社であるために、より上流の魅力的な案件を戦略的に増やしていきたいと考えています。

そのためにもBREXAアカデミーのようにスキルを磨ける環境は重要ですし、さらに、エンジニアと案件のマッチングを目的に、DXの取り組みも強化しています。エンジニアのスキルやキャリア情報を一元管理するキャリアデータベースを構築し、将来的にはAIが個人のスキルや希望に基づいて最適な研修プランや案件を提案する仕組みをつくり、各エンジニアが自分の成長を可視化・選択できるようにしていく予定です。

社内の“壁”をも壊し、進化を遂げていく。

今後、BREXA Technologyとして挑戦していきたいことはありますか。

フリーランス支援とソリューション事業の強化です。

近年、30代前後の経験を積んだエンジニアがフリーランスとしての働き方を望むケースが増えています。しかし、フリーランスには「仕事が安定しない」「税務が不安」といったリスクも伴います。

そこで立ち上げたのが、フリーランス向けのエージェント事業です。税務支援やキャリア相談、案件紹介など、フリーランスとして安心して働けるサポート体制を提供していきます。これは来年(2026年)以降、本格的に拡大を目指すチャレンジングな取り組みであり、自社エンジニアの新たなキャリアパスとしても機能させていきたいと考えています。

ソリューション事業の強化とは、どのようなものなのでしょうか。

ソリューションプロバイダへ進化したいと考えています。従来の“派遣会社”という枠を超え、ITや機電の分野で請負型プロジェクトを推進し、お客様から業務そのものを受託する体制を強化していきます。

たとえば、ITではプロジェクト単位で開発を請け負い、自社エンジニアがチームで対応する。機電でも、開発業務そのものをBREXAに任せてもらうことで、派遣だけでなく課題解決型のサービス提供を実現していきます。この取り組みにより、エンジニアにはプロジェクトマネージャーやリーダーといったポジションの機会が生まれ、長期的なキャリア形成にもつながります。顧客にとっても、ニーズに応じた柔軟な体制が提供できるという利点があります。

最後に、社員の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

BREXA Technologyは今まさに「新しい会社として生まれ変わる」タイミングにあります。だからこそ、皆さんと一緒に一からつくりあげていきたいと思っています。

営業などバックオフィスの皆さんをはじめ、BREXA Technologyの中心を担うエンジニアの皆さんとどんどん意見を交わしていきたいと考えています。会社に対して「もっとこうした方がいい」と思うことがあれば、ぜひ積極的に声をあげてください。話を聞き、しっかり応える会社でありたいと思っています。

私はもともと、技術者の派遣・請負事業をキャリアの出発点としており、国内外で20年以上この領域に携わってきました。この分野への強い思いと経験を活かしながら、皆さんとともに、誰もが誇れる会社をつくっていきたいと考えています。

#Tag

関連記事

Read

【社長メッセージ】“成長”こそOSTechのDNA。もう一度、アクセルを踏みましょう

Read

【社長メッセージ】 「会社の未来を自ら創造している」。 全員がそう思える組織を作りましょう

Read

【社長メッセージ】 “先んじて動く”みなさんの努力で、 ひとつずつ成果が出始めた半期でした