Career Story

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2020.09.07

【R&D】いちどはエンジニアをあきらめた私が大手自動車メーカーの設計現場に

PROFILE

  • 渡邊 和貴(R&D事業本部 東京支店)
    ◆入社年/2017年
    ◆出身/埼玉県
    ◆趣味/ゲーム、料理(とくにカレー)

新卒でアウトソーシングテクノロジー(以下 OSTech)に入社した渡邊和貴。いま、大手自動車メーカーの現場で、クルマをより安全なモノにするためのプロジェクトに携わっている。最前線で活躍する渡邊だが、学生時代は「自分がエンジニアになれる自信はなかった」という。そんな彼が、なぜOSTechに入社し、エンジニアとして働くようになり、いまでは最先端のテクノロジーにかかわるようにまで成長できたのか。本人に語ってもらった。

交通事故を防ぐ最先端技術に取り組む

いま携わっているのは、大手自動車メーカーのプロジェクト。クルマの機能安全を設計する部署で働いています。機能安全とは、クルマに搭載されている電気電子システムに機能不全が起きないようにする、もしくは機能不全がおきたとしても別の安全機能が作動してことなきを得るようにすること。機能安全を設計する、その前提となるデータ分析をして、結果を設計部門に伝えるのが私の役割です。

たとえば、「ドライバーがブレーキペダルを踏んだとき、車が停止するのにどれくらいの時間がかかるのか」。このデータを、ドライバーがペダルを踏みはじめるタイミング、踏み込むチカラかげん、市街地なのか高速道路なのかといった地理的な環境、晴れなのか雨なのか雪なのかといった天候状況など、さまざまな要素ごとに算出していきます。そのデータをもとに、「ブレーキペダルについて満たすべき基準」を割り出し、設計部門に伝えます。設計部門では、その基準を満たすようにブレーキペダルを設計。もしも、ほかの部分とのかねあいなどで、基準を満たすことができない場合、なんらかのカタチでカバーできるような機能を組み込む、といった設計をするわけです。

日本における交通事故は減ってきてはいるものの、2019年の1年間で3,000人以上の方が交通事故で亡くなっています。最先端のテクノロジーを活用して、少しでもそんな悲劇を減らすことに貢献したい。それが仕事に取り組むモチベーションになっています。

なにごとにもハンパだった自分を変えられた

いま、日本産業の中心であるクルマ産業で、エンジニアとして働いている自分の姿に、自分自身で感動しています。というのも、大学時代は「エンジニアになるのはムリだろうな…」と思っていたので。

「エンジニアになりたい」と思ったのは中学生のころ。ゲームが好きだったので、「将来、ゲーム開発エンジニアになるのもいいな」と。でも、当時はそのために、どんな勉強をしていいかわからなかった。だから、高校は普通の学校へ進みました。高校生になっていろいろ進路について調べるうちに、「理系の大学へ行って、プログラミングを学べばいいんだ」ということがわかり、東京電機大学に入りました。

ところが、同級生の大半は、高校から理系や情報系で学んだ人たち。彼ら・彼女らと比べると、私は圧倒的に知識が足りないことを思い知らされました。私だけ授業についていけず、朝寝坊なのも手伝って、欠席がちに。留年してしまい、4年生になったときも、「ちゃんと卒業できるかな…」と心配していたぐらい、ひどい状況だったんです。

だから、就活にもあまり身が入っていませんでした。それでも、会社を回っておくことはしておこうと。転職サイト経由で知った、OSTechの会社説明会に参加したんです。そこで、採用担当の方とお会いしたのが、転機になりました。

フランクに「なんでも相談して」というオーラが出ていたのに甘えて、「大学の授業で苦手科目があって、単位がとれるか心配です。単位不足で卒業できないかもしれなくて…」と相談したんです。そうしたら、その科目の勉強方法やテストを受けるときの心がまえまで、具体的なアドバイスをたくさんいただいて。確実に卒業できることを前提に、OSTechの説明会を受けている身で、採用担当者に相談することじゃないですよね(笑)。

アドバイスを忠実に実行した結果、苦手科目のテストで高得点を取ることができました。そのことを採用担当者に報告すると、「それはよかった。よくがんばったね」とほめてくれ、自分のことのように喜んでくれました。

また、説明会でエントリーシートを書いたとき、私は記入欄の半分ちょっとしか書かなかった。自分をアピールする方法がよくわかっていなかったんです。普通はぎっしりと記入欄を文字で埋めるものだということは、あとで知りました(笑)。でも、採用担当者の方は、そんな少ない情報のなかから、「君は心に熱いものをもっているね」と私の長所を見つけ、人間性を含めて評価してくれた。それがとてもうれしかった。「こんなに親身になってくれる人がいる会社なら働きやすいだろう」。そう思って入社を決めました。

学生時代、なにかにつけて中途半端で終わらせていた自分を、採用担当者はひとりの人間として評価してくれました。入社後、そういう評価の姿勢は、個人的なものではなく、OSTechという会社全体がもっているものだと知りました。仕事の結果だけでなく、その過程での努力などもしっかり評価してくれる。それがはげみになって、辞めたいと思うこともなく、仕事で経験を積むことができた。「意外とやれるな」という自信もつき、気がついたら、いちどはあきらめかけた「エンジニアになる」という夢を実現している自分がいます。

はじめてお客さまからほめられた瞬間

入社後、研修期間を経て、はじめて派遣された先がいまの現場です。上流工程を担当する現場ですから、大手自動車メーカーに入社した新人の方は、なかなか配属されない部署です。でも、OSTechの社員であれば、新人でもこういう難易度の高い現場に携われる。とてもありがたいことです。

とはいえ、私はもともと自動車にはあまり興味がなかったんです。最初のころは、わからないことだらけ。「サブミッションについてなんだけど…」という会話があっても、それがどの部分なのかわからなかったり、「ギアはこんな比率で」といわれてもどんなカタチになるのかイメージできなかったり。それでも、猛勉強して食らいついていきました。

そんななか、自動車内のシステムどうしの通信がきちんとできているかチェックする仕事を担当することに。たとえばアクセルペダルが踏み込まれて角度が変わったら、アクセル側からモーター側に、「モーターにこれくらいの電流を流してください」と指示が行く。その通信がきちんと送受信されていて、指示通りにできているかをチェックする業務です。自動車内には数多くのシステムがあり、その間を飛びかう通信データは膨大。それがすべて記載されている何千行にもわたる表を、地道に確認していきました。

チェックが終わり、派遣先の担当の方に結果をご報告したところ、「よくこんなところの抜けまで見つけられましたね。すごいですね。助かりました。ありがとう」といわれたんです。お客さまからほめていただき、とてもうれしかったのを、いまでも思い出します。

「このクルマの安全性は私が設計しました」といえる日

今後の目標としては、自動車の機能安全についてのスペシャリストになること。たとえば、「こういうケースはこういう不具合が起きるリスクが高まるので、このような対策をとるべき」と所見を述べられるぐらいになり、この分野なら誰にも負けないという存在になりたいです。

現在は、設計部門にデータ分析の結果を伝える役割です。業務の範囲としては、「設計」に含まれるものの、自分で設計図を描いたり、プログラムを組むわけではありません。ですので、将来的には設計そのものを担当し、「このクルマの機能安全は自分が設計したものです」と胸を張っていえる仕事をしていきたいですね。

編集部が直撃インタビュー! この機会に聞いちゃいました

大手自動車メーカーの最先端技術をあつかう現場で働く渡邊さん。使っているツールなんかも最先端のものなんでしょうか。

いいえ、そうでもないんです。確かに、機能安全を確保するために使われるテクノロジーは最先端のもの。シミュレーションソフトなんかも、すごい高度なものですしね。でも、私自身が計算のために使っているのはエクセルだったりします(笑)。信頼性が高くて、使い勝手がいいので。単純に「新しいモノに置き換えればいい」というわけではないんです。

それは機能安全の考え方も同じで、たとえば「ブレーキ制御に最先端のシステムを導入する」といっても、全体を考えていないと、「ブレーキの作動が急すぎて、後ろから来るクルマに追突されるリスクが高まる」といったことになる可能性も。私自身は、いまは要素ごとにデータを算出する仕事に携わっていて、あまりクルマ全体をみわたすことができていませんが、いずれはそれができるようになりたいですね。

よくわかりました。その目標を達成するために、会社にどんなバックアップを求めますか。

OSTechが用意してくれている、さまざまな研修をおおいに活用したいです。研修のカリキュラムが豊富で充実しているのが、OSTechのいいところだと思います。学生時代って、興味のある分野は多いけれど、学部のカリキュラムにないものだと、なかなか学べないですよね。それが無料で学べるというのは、新卒で入社する人にとってはうれしいことだと。私の場合、こんどCADの研修を受けようと思っています。設計能力を身につけたいので。将来のためにも、どん欲に知識や技術を身につけていきます。

いいですね。それでは、渡邊さんのプライベートを聞かせてください。休日はなにをしていますか。

ゲームですね。ロールプレイング系やアクション系もプレイしますが、とくに得意なのはリズムゲームです。それから、最近は料理をはじめました。得意なのは…、カレーかな。先日、自分でスパイスを調合して、ドライカレーをつくりましたよ。

こんど、ごちそうしてください(笑)。それでは、アウトソーシングテクノロジーのなかで、よりよく変えていきたいところをあげてもらえますか。

「こんなことがありました」「こんなことをやっています」という会社全体にかかわる情報に触れることが少ないと感じています。会社の掲示板を見ればわかるのでしょうが、あまりひんぱんにアクセスするものでもないですし。ですから、OSTechが鳥人間コンテストに参加していることも、私の場合は最近、知りました(笑)。掲示板だけでなく、社内チャットなどでも案内をしてくれるとうれしいですね。

なるほど。この社内報の内容のブラッシュアップも含めて、広報ブランディング室で検討します。では最後に、同じ若手エンジニアに向けて、メッセージをください。

OSTechには、たくさんのエンジニアがいます。それだけに、さまざまな相談に乗ってくれる頼もしい先輩エンジニアや、なんでも語りあえる同期入社のメンバーに出会える。なにもわからない新人でも、声をかけてくれる人が、近くにいてくれるから安心できるんです。私の場合、同じ派遣先に同期入社の新人がいましたし、頼れる先輩もいました。それがとても心強く、社会人として、よいスタートを切ることができました。この会社での出会いを大切にして、先輩や同期からたくさんアドバイスを受けて、一緒に成長していきましょう!

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