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2024.12.23

【S耐2024シリーズ】エンジニア兼業のカーレーサーが、最終戦で表彰台に立つ!

2024年11月17日。市販車が参加するカーレースとしては日本最大級の「スーパー耐久シリーズ」が富士スピードウェイ(静岡県)で開催され、アウトソーシングテクノロジーがスポンサーになっている『TEAM G/MOTION’』がST-4クラスで3位に輝いた。そのドライバーのひとり、湊雅之は、OSTech機電事業本部 豊田支店に所属するエンジニア。カーレーサーとの“二刀流”で活躍し、1年を締めくくる最終戦で、見事に表彰台に立った。今回は、クラッシュなど、さまざまな苦難を乗り越えて栄誉をつかんだ湊ドライバーを取材。今年の挑戦を振り返ってもらった。

PROFILE

  • ■湊 雅之(機電事業本部 東海エリア 豊田支店)
    ◆入社:2020年(中途)
    ◆趣味:自動車、モータースポーツ、ピアノ

ハプニングのなかでも、3位入賞

「スーパー耐久シリーズ」の 2024年ファイナルとなる第7戦。ST-4クラスで湊さんはトヨタGR86を駆り、3位に入賞しました。おめでとうございます! まずは当日、表彰台に立ち、トロフィーを受け取った際の湊さんの心境を聞かせてください。

「ホッとした」というのが正直な感想です。というのも、OSTechには私が所属するレーシングチーム『TEAM G/MOTION’』のスポンサーになってもらっている。私自身が「OSTechブランドを背負って表彰台にあがります」と言って、役職者の方々を説得した経緯がありますから。3位入賞という結果を残せて、最低限の“有言実行”ができた。また、レース当日はハプニング続きでしたし、2024年を通しても波乱にとんだ1年でした。そのなかで結果を出せたことも「ホッとした」理由です。

レース当日、どのようなハプニングがあったのでしょう。

アクシデントがあり、2回もレースが中断。その結果、レース時間がとても短くなってしまったのです。「スーパー耐久シリーズ」が正式名称になって25年、ルーツをたどれば約40年の長い歴史の中でも、このようなことは稀。中でもレースの行方を左右したのは、「ピットストップの回数」についてのルール。本来、「レース中、必ず3回はピットに入らなければいけない」のですが、レース時間が短くなったので「2回に変更する」と、終了20分前くらいに通知されたのです。

その時、私たちのチームは先行して2回のピットストップを終えていた。ところが、私たちの前を走っていた車の何台かは、まだ1回だった。次から次へと、前を走っていた車がピットインしていき、私たちの順位が徐々に上がっていきました。その時には、私がドライバーを務める時間は終わっていて、ほかのドライバーの方に交代。レーシングスーツを脱いでモニターを観戦していましたが、慌てて表彰式のためにもう一度着たんです(笑)。

棄権の悔しさをバネに地道な努力を重ねた

ドラマティックな展開だったのですね。では次に、2024年を通してレーサーとしての挑戦を振り返ってください。

まず、昨年から参戦するクラスを上げたことが、大きなチャレンジでした。2023年は、排気量1,500cc未満の車が出場する「ST-5」というクラスにトヨタのヤリスで参戦。今年は、1,500ccから2,400ccまでの「ST-4」クラスに、トヨタのGR86でトライしたのです。このクラスには有名なレーサーも参加している。ファンの間で「ST-4クラスが最も“熱い”よね」と言われているほどです。

しかし、「チャレンジが失敗に終わるかもしれない」という出来事がありました。年間で7回のレースがある中の第2戦で、私のチームはクラッシュを起こしてしまったのです。クルマの修理のため、第3戦は棄権せざるを得ませんでした。第4戦から復帰できましたが、ボディは一度傷つくと、元の機能を完全に取り戻すことはできない。かなりのビハインドを背負ってしまいました。

でも、それでもあきらめることはなかったですね。レースにアクシデントはつきもの。不運に見舞われることもあれば、幸運が舞い込むこともある。全部ひっくるめて、最終的に先頭を走っていればいい。だから、地道に車体の改良と調整を重ねて、最終戦にのぞみました。

世に出ない「理想のクルマ」の姿を目にする仕事

あきらめずに努力した結果、波乱の1年を表彰台という形で締めくくれたわけですね。では続いて、エンジニアとしての湊さんが、どのような仕事に携わっているのか教えてください。

大手自動車メーカーの現場で、新型スポーツカーの開発・設計に携わっています。具体的には、ボンネット、ルーフ、ドアなど「アッパーシェル」と呼ばれるボデー全般・外装部品や主要骨格を担当。デザイン部門がクルマの外観の形状についてアイデアを出してきた後、「機能性を満たしているか」「販売先の各国の法規に則っているか」「製造プロセスに支障はないか」といった観点から検討。問題のない形で設計図に落とし込むのが主な役割です。

私が愛してやまないスポーツカーの分野で、最先端のプロジェクトに深く携わることができるので、とてもやりがいを感じています。特に、デザイン部門が提案する新型車の外観スケッチが見られるのは、エンジニア冥利に尽きます。自動車メーカーにとっては最高機密で、一般の方の目に触れることはまずない。当初のアイデア通りの形状にならないことも多いですが、「理想のクルマのデザイン」を知ることができるので、私にとっては最高の職場環境です。

充実していますね! 湊さんがエンジニアとカーレーサーの“二刀流”を全うするための工夫を聞かせてください。

社内外ともにコミュニケーションを密にすることを心がけています。レースのために平日、職場を離れなくてはいけないこともあり、それをOSTechの他のメンバーがカバーしてくれることも。とてもありがたいことに、OSTechもお客様も、私のわがままを寛容に認めてくださっているからこそ、両立できています。その代わり、レース期間中の空き時間で仕事をして、休んだ遅れを取り戻すように努めました。また、レースでクルマをチューニングした経験から得られた知見を仕事に持ち帰り、仲間にシェアして活かすようにしています。

そこまでの努力を継続できるのは、何が原動力になっているのでしょう。

端的に、クルマが大好きだからです。ありがたいことに、仕事もレースも愛してやまない分野に取り組ませてもらっている。だから、しんどくてもがんばれるのです。それに、家族をはじめ、お客様、OSTechの上司、先輩、同僚が応援してくれていることも励みになっています。特に会社として、私が所属するレーシングチームのスポンサーになっていただいたことは、大きな心の支えになりました。全国のOSTechのメンバーに胸を張れる仕事ぶりを見せたいと、業務もレースも人一倍努力しているつもりです。

最後に、1年間を通して応援してくれたOSTechのみなさんに、メッセージをお願いします。

みなさん、応援ありがとうございました。サーキット会場へ足を運んでくれたり、社内チャットなどでも応援してくださって本当に感謝しています。今後も、みなさんから応援してもらえるエンジニア、ドライバーでいられるようにがんばりたいです。個人的な目標としては、まずはスーパーGTに参戦し成果を上げること。そしていつか、優秀なプロドライバーが多く在籍する「ST-Qクラス」にも出場することを実現させたい。ST-Qクラスは、メーカーが開発中のクルマが参加可能な「最先端のスポーツカーによるレース」だからです。さらなる高みを目指していきますので、今後も温かく見守っていただけたら、うれしいです!

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