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2020.07.27
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2020.07.27
代表取締役社長
茂手木 雅樹
2020年、コロナ禍が世界を席巻した。多くの社員が、生命・健康への不安だけでなく、これから先のキャリアや収入への不安を感じているはず。アウトソーシングテクノロジー(以下、OSTech)として、社員のみなさんの不安をどのように解消し、どんな将来への展望を描いているのか──。茂手木社長にメッセージを寄せてもらった。(この記事は2020年7月17日の取材をもとに制作しました)
はい、よくわかります。私自身、感染が拡大し、4月に政府の緊急事態宣言が発令されたころは「いったい、いつ収束するんだろう…?」と、先が見えない不安を感じていましたから。海外出張にまったく行けなくなるなど、私自身のワークスタイルにも影響が出ました。
でも、そのぶん、事態の推移を見つめ、私たちの事業との関連について思考をめぐらす時間を確保できた。そこで得た結論は、「私たちOSTechのビジネスにとって、じつは損失よりも機会のほうが多い」というものでした。ですから社員のみなさんは、過度に不安に思う必要など、まったくありません。
短期的な機会と、中長期的な機会にわけてお話ししましょう。まず、短期的な面でいえば、「コロナ禍が原因で業績がへこむ」ようなことはありません。それは現場のエンジニアも内勤のスタッフも営業も、みなさんリモートワークに切り替えて、歯を食いしばってがんばってくれたことが大きい。それに、OSTechがいままで蓄積した膨大な案件数や大手企業からの信頼といった資産は、一朝一夕に経営があやうくなることはありえないんです。また、それらにくわえて、会社として新たな事業機会をすばやくとらえていることもあります。
たとえば、リモートワークの急速な進展により、通信の基地局にかかる負荷が大きくなっていて、基地局関連の仕事に携わるエンジニアへのニーズが高まっている。そこで、通信基地局に関連する新たな領域の案件も開拓しているのです。
ほかにも、グループ会社の共同エンジニアリングでは、建設物の設計・施工だけでなく、公共建設物の利用頻度が増えているため、メンテナンスのニーズが高まっている。それにこたえ、メンテナンス分野のエンジニアを増やしています。メンテナンスの業務は、設計や施工管理といった“花形”職種を希望する人が、まず手はじめに就くのに最適な業務です。共同エンジニアリングの社内に、建設領域のエンジニアのキャリアパスを構築することにも、メンテナンス業務の拡大はひと役かっています。
ええ。OSTechの経営資源は、エンジニアのみなさん、つまり“ヒト”がすべて。「〇〇領域から撤退して、△△領域へ注力する」という決断が、多大な設備投資を必要とするメーカーや小売店に比べれば、簡単にできます。すぐに参入して、「ダメだった」「うまく行った」という結論をすぐに出し、改善したり、撤退したりという判断も、すぐにできるんです。
そして、私はいつも、「より付加価値の高いところに、みんなを連れていきたい」という想いをもって経営しています。エンジニアのみなさんが大きなやりがいと、高収入を得られる働き場所をつねに探している。コロナ禍でもそのスタンスに変わりはありません。
米マイクロソフトがリモートワーク化に貢献すべく、デジタル会議ツールの『Teams』の普及などに努めた結果、同社の売上が急伸。CEOのサティア・ナデラさんが「2年ぶんのデジタル革命が、たった2ヵ月で起きた」といっていますよね。同じように、私たちもコロナ禍で経済活動を止めないように働く“エッセンシャル・ワーカー”としての機能を果たすことにより、社会への貢献と収益の確保の両方を実現しています。
「ヒト×テクノロジー」によって新たな価値をつくり出し、「ニーズがあるのに、ヒトが集まらない」という課題を解決していくことです。たとえば、エッセンシャル・ワーカーのなかには、「施設内のウィルスを除去する作業員」の業務があります。でも、自らが感染してしまう危険がありますし、作業自体もキツい。だからつねに人手不足に悩まされている。そこで、ロボットが現場作業を担当し、ヒトは安全な場所からロボットを操作するような仕組みができれば、課題を一気に解決できるわけです。私たちはそうした「ヒト×テクノロジー」のソリューションを提供する存在になっていきます。
エッセンシャル・ワーカーのひとつである介護職も、コロナ禍以前から人手不足に悩まされている仕事です。お年寄りをベッドから移動させるのに抱き上げるなど、チカラ仕事が必要なことも、不人気な理由のひとつ。ならば、ロボットスーツのような、人間のチカラ仕事をサポートする装備を身につけることによって、課題を解決できます。
その通りです。テクノロジーをかけあわせることで、ヒトの働き方もポジティブな方向に変えていくことができます。たとえば、企業の受付対応をロボットにまかせ、スタッフは裏側でロボットを操作する仕組みをつくることが考えられる。いま、あまりよくないことですが、企業は受付対応に若い女性を起用する傾向がありますよね。そのため、受付対応の経験が豊富なベテランの女性の知見が活かせない、ということが起きているんです。ロボットとの協働にすることで、出産・育児からの復帰後の女性に、有望なキャリアをひとつ、つくり出すことができるわけです。
このように私たちの「テクノロジー×ヒト」のサービスが適用できる領域は無限にあります。コロナ禍によって、そのニーズがより高まってくるし、実現するスピードも速まってくる。そのチャンスを、どんどんものにしていきます。
ええ、あります。それは私たちが「現場」に精通していることが、大きな強みになるからです。エンジニアをお客さまのもとに派遣し、「現場」で働いてもらうのが私たちの仕事。だから、テクノロジーが適用される「現場」というものを、どの企業よりもよく知っている。プロダクトアウト型のTech企業の場合、テクノロジーが「現場」にフィットせず、結局はあまり使われないということが多くあるんです。その点、私たちは「現場」に適合したテクノロジー開発ができる。大きなアドバンテージだと思っています。
「ヒト×テクノロジー」によって生み出される新たなワークスタイルは、「最先端で、スマートで、カッコいい」とイメージされるようになると思っています。問題を抱えている「現場」にさっそうとあらわれて、ロボットなど最先端のテクノロジーを駆使して解決していく人たち、というようなイメージです。それを実践していくことによって、OSTechで働くことが、エンジニアやエンジニアをめざす人たちのあこがれになればいいと思っています。
派遣業界というと、非正規雇用問題を生み出した元凶のようにいわれ、よくないイメージが根強く残ってしまっています。「ヒト×テクノロジー」を推進することで、そんなイメージを大きく変えていきましょう。そのためにも、いま「現場」でなにが起きているのか、「現場」で働くエンジニアがなにを考えているのか、私自身、もっとよく知りたいと思っています。