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2020.06.08

【社長メッセージ Vol.02】意欲あるエンジニアみんながイノベーションに携われる会社になる~中期経営計画の発表に寄せて~

PROFILE

  • 代表取締役社長
    茂手木 雅樹

遠隔診療、ドローン配達、自動運転、介護ロボット──。第四次産業革命により、かつての絵空事が手の届くところまできています。このイノベーションの大波は急激に進行するでしょう。100年前、たった10年で馬車から自動車へと、移動手段が劇的に変化していった第二次産業革命のように。「アウトソーシングテクノロジーは、そんなイノベーションを起こす企業を支援し、あらゆるイノベーションの現場に立ち会い、貢献する会社になる」。このほどまとめられた中期経営計画のなかで、そのような構想が明らかにされました。エンジニアのみなさんには、この巨大な革命を、自らの手で推し進めるチャンスがあるのです。中期経営計画の構想とそこに込めた想い、そして社員のみなさんへのメッセージを、茂手木社長に語ってもらいました。(この記事は2020年1月31日の取材をもとに制作しました)

世の中を変える企業を「人財×技術」で支える

現在、アウトソーシングテクノロジーは中期経営計画の改定を行っています。どのようなビジョンを打ち出すのでしょうか。

第四次産業革命の到来にあたり、私たちが直接イノベーターになるのではなく「人財の提供を通じて、イノベーターや、イノベーションを起こす企業を支援する」という立場を明確化しました。これまではM&Aなどによって、私たち自身が新しい技術やソリューションを社内に取り込んでいくイメージを、ぼんやりとですが、もっていました。しかし、つきつめて考えいくと、私たち自身が世の中をひっくり返すような技術をもって、それを推進していくのかといえば、「そうではないな」と。

イノベーションをめざす企業は必ず「人」を必要とし続ける。それは間違いのない事実です。ですから、私たちはさまざまな企業とアライアンスを組み、そのなかからキラリと光るイノベーションが出てくるのを支援する立場でいこうと。「どこかが世の中をひっくり返すとき、私たちがそれに必要な人を提供する」ということを徹底してやっていこう――という結論にいたりました。

なるほど。しかし、「イノベーションを起こす企業」を見抜き、支援するべき相手を選ぶのは難しいのではありませんか。若手エンジニアが「世の中を変えるようなイノベーションに参画したい」と思って就職先・転職先を探しても、就職・転職した会社が、結局、イノベーションを起こせずじまい──という話はざらにあります。

それは、私たちアウトソーシングテクノロジーが支援先を探す場合も同じです。どこか特定の企業やプロジェクトに集中すると、「はずれ」のリスクがあります。そこで、ソフトバンク代表の孫正義さんが掲げている“群戦略”のように、さまざまな業界・技術分野における上位20%~30%の企業に対して、支援していきます。ソフトバンクさんの場合は、投資戦略、つまり資金面の支援をする相手を選択するための戦略。私たちアウトソーシングテクノロジーの場合は人財面の支援をする、という点が異なります。

第四次産業革命が進行している現在、「人」を通しての支援をするのが私たちの役割。人が必要な事業・取り組みをしている企業や分野を“群”で見て、そこへの業務提携・資本提携を進めていく予定です。そのなかからイノベーションを起こす企業が登場する可能性は、非常に高いのですから。

SSとR&Dの両事業部が融合していく

よくわかりました。「イノベーションに参画したい」というエンジニアにとって、それを起こそうとする会社に就職・転職するよりも、アウトソーシングテクノロジーで働いているほうが、夢の実現に近づけそうですね。

その通りです。アウトソーシングテクノロジーの強みは、さまざまな産業を幅広く支援していること。イノベーションは、産業ごとに出てきます。書店業界にアマゾンが、タクシー業界にUberが、革命的変化をもたらしたように、テクノロジーによってそれぞれの業界構造をひっくり返す“ディスラプター”が出現する。そのディスラプターに対抗するために、既存の業界プレーヤーたちも、テクノロジーによって武装し、戦っていく必要が出てくる。

アウトソーシングテクノロジーは、さまざまな産業で、ディスラプターに対しても、ディスラプターに対抗する側に対しても、人財を通した支援ができます。各産業に精通し、テクノロジーを使っての課題解決方法がわかる専門のエンジニアを擁しているからです。そのうえ、個別のテクノロジーに精通したエンジニアが、課題解決プロジェクトを応援できる。

産業マターで、この分野のディスラプターにどう対抗するか、という話です。これを突き詰めていくと、当社も産業ごとの事業部制になっていくかもしれません。テクノロジーは、そこに横串で刺さっていくようなイメージですね。産業分野のことやその課題をよく知っているのは、その業界専門のエンジニアですが、テクノロジー分野のエンジニアが貢献する可能性もある、ということです。

そうすると、アウトソーシングテクノロジーの組織体制は、産業分野別の事業部制になっていくのでしょうか。

可能性はあります。創業当時はR&D事業部とSS事業部があって、「相当にかけ離れた2つのジャンルをやっているな…」という感じでした。でもいまは、その垣根を超えるものがどんどん出てきています。たとえば『クルマの自動運転』なんて話が出てくると、機械系のエンジニアはソフトウェアのことを理解する必要がある。逆もしかりで、IT側のエンジニアが、機械のことも理解しなければならないわけです。

個々のエンジニアは、産業ごとの課題を把握できる専門性をもち、それを解決するために、「ハードだ」「ソフトだ」という領域の垣根を超えて、幅広いテクノロジーの知識が必要になるでしょう。

「与えられていない仕事」に挑み、前に出よ

そんな近未来を見すえて、エンジニアのみなさんにはどんな心がまえをもって、働いてほしいですか。

「前に出てきたい人は出てきてほしい」ということです。いまいるところから一歩、前に出たい人がいれば、その環境は用意します。それはなにも、いますぐイノベーティブな事業アイデアを発案して、ピッチコンテストで提案する──ということではありません。いきなり何段ものステップを飛び越えて、「なにかステキなことをしてくれ!」とは、まったく思っていません。

「一歩、前に出ていく」とは、「できる仕事だけをやる」状態から、徐々に新しいことへチャレンジしていくこと。そこへ向かって、味方を増やしたり、お金を集めたりと、一段ずつステージを上がっていく。そんなキャリアアップをしていくことです。

具体的に、どんなことから手をつけたらよいのでしょうか。

まずは、自分の身のまわりにある「解決できそうな課題」を見つけて取り組むことだと思います。常駐先のお客さまが管理しきれていない課題を見つけ、「こうしたらもっとよくなるのでは」「もっとこうすればお客さまのメリットが増すのではないか」といった取り組みを、できるところからやり始める。あるいは、それをお客さまに提案していく。

そんな“与えられていない仕事”でビジネスとしての成果を出していれば、お客さまにも、アウトソーシングテクノロジーの社内でも「その考え方、すごくいいね」と認められる。そこから、自分のやりたいことにチャレンジしていける可能性が大きく拓けてくると思います。

チャンスをつかめるエンジニアと、そうではないエンジニア。そのわかれ目は、どこにありますか。

柔軟性と多様性をもっているかどうか、でしょう。かたくなに「職人」であろうとすると、将来の選択肢が限られる可能性がある。いまは技術が陳腐化するスピードが非常に速い。昔に比べると、「思考の柔軟性」は間違いなく求められてくると思います。

その点、当社は支援する業界や会社、プロジェクトに多様性をもっています。イノベーションを起こしうる会社をたくさん支援しているので、みなさん自身に柔軟性がありさえすれば、選択肢を示すことができる。世の中に変化があったときにも対応できる選択肢を豊富に用意することで、みなさんに「雇用の安定」という価値を提供したいと考えています。

副業やフリーランスという働き方が可能に

しかし、第四次産業革命が進行すると、たとえば「カーシェアリングと自動運転によってタクシーの運転手が失業する」といった具合に、雇用が大幅に減るといわれています。その影響はエンジニアにもおよぶのではありませんか。

心配無用です。私たちが手がけている専門業界では、人工知能やロボットに仕事を代替される可能性は低い。「2030年にはITエンジニアが60万人不足する」といった試算もあるほど。建設・機械・電子・電気・医薬など、アウトソーシングテクノロジーが強みをもつ業界はすべて専門職の世界。圧倒的な需給ギャップが存在しています。こうした状況から、私たちがいままで築いてきた人財のストックを継続的に積み上げていけば、そのコアプラットフォームの価値はこの先も減ずることはありません。エンジニアのみなさんは安心して働き続けられます。

浮き沈みの激しいテクノロジー業界にあって、転職リスクを負うことなくキャリアアップできるのは、アウトソーシングテクノロジーで働くいちばんのメリットかもしれませんね。では、安定的に雇用されることを前提に、働き方改革には、どのように取り組んでいくのか、聞かせてください。

今後も、エンジニアの常駐先であるお客さまと一緒に取り組んでいく部分だと考えています。すでに成果が出ている現場もあるので、それを横展開していきます。

ただ、ひとつ懸念をもっています。いままでの現場では、時間をたくさんつかう余地があったから、若手が学べることや新しいことに挑戦するチャンスが豊富にあった。しかし、働き方改革で労働時間を減らすとなれば、若手が自分の個性や価値を見いだすのが難しくなったり、チャンスが少なくなったりすることを危惧しています。

確かに、そうですね。対策はありますか。

「より高いステージ行くために、もっと働きたい」という意欲あるエンジニアのために、副業ができるようにしたり、フリーランスという働き方を選べるようにしたり、といったことを進めていくつもりです。

お客さまにとっても、歯がゆいところだと思うんですよね。ただでさえ、エンジニアの需給ギャップが大きいなかで、仕事の量はあるのに、ひとりに多くの労働時間は求められない。そうなると、働く意欲のあるエンジニアたちに副業としてスポットで入ってもらうか、自分で働く量を管理しているフリーランスに頼るしかない。社員側には「働く選択肢」を与えたいし、企業側には「労働力の選択肢」を与えられるようにしたい。これがアウトソーシングテクノロジーの今後のテーマです。

そうなってくると、「派遣」というビジネスモデルの領域を超える未来もありえるわけですね。

ええ。このテーマを追求していけば、私たちはお客さまにとって、もはや「人財を派遣する役割」ではなく、「成果物やアウトプットをちゃんと出す役割」という位置づけになります。いままでは正社員雇用型の派遣だけだったものが、「それで足りなければ副業のメンバーも入れますよ」とか、「こういうテクノロジーを入れてみたらどうですか」といった提案を行う、つまりは「お客さまが満たしたいものを満たしてあげられる存在」になっていくと思います。

そうした未来像を見すえて、技術力や提案力を一歩ずつ高めて、お客さまの課題解決の提案ができるエンジニアへと成長していってほしい。そのための環境は十分に用意できる会社なのですから。

ありがとうございました。

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