Career Story

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2021.05.24

【R&D】「電磁界シミュレータ」を駆使して顧客に貢献し、学究活動にも従事

PROFILE

  • 山下 俊紀(R&D事業本部 立川支店)
    入社:2019年/中途
    趣味:スポーツ観戦、ゴルフ

医療現場で使われる機器などに必要不可欠なEMC(Electromagnetic Compatibility=電磁両立性)の設計。電気・電子機器が発する電磁波が、ほかの機器やシステムに対して影響を与えない一方で、ほかの機器やシステムの電磁波を受けても作動に影響をおよぼさない、という仕組みだ。このEMCの領域に精通するのが、山下俊紀だ。専門知識を活かし、アウトソーシングテクノロジーのエンジニアとして医療機器メーカーの新製品開発の現場で活躍。さらに、EMCを研究する学会での活動にも従事している。山下はどのようにして専門知識を身につけ、エンジニアとしての才能を開花させたのか。秘訣を本人に語ってもらった。

最先端の医療機器の開発現場で設計に携わる

現在、医療器メーカーの製品開発の部署で、設計の仕事をしていますが、そのなかで、EMC設計にも携わっています。EMC設計とは、ほかへ影響を与えるような電磁波を発生させず、かつ、ほかからの電磁波を受けても動作になにも影響がないように、設計すること。私がいま開発しているのは、医療現場で使われる機器なので、とりわけ電磁波の発生や、電磁波の影響による誤作動が許されない。場合によっては人命にかかわりますから、製品開発にEMC設計を取り入れることは不可欠なんです。

アクションを起こせば必ず道は拓ける

もっとも、EMCのエキスパートになれたのは、偶然の機会が重なったから。そもそも「エンジニアになる!」という志があったわけではありませんでした。工業高校を卒業するにあたり、なにになりたいかという目標もなく、就活して。結局、地元の九州ではいい就職先が見つからなかったので、親せきが近くにいる東京の会社に就職しました。そこで、デジタル回路の設計業務を行うところからエンジニアとしてのキャリアがスタートしました。

入社後半年を過ぎたあたりで、大手電機メーカーの開発部門に出向いて、製品の検査をすることになりました。生産設備のため、開発部門で検査も行っていました。そこで最初の転機がおとずれることに。検査に使用していた治具が老朽化していたため、開発担当者に「新しくしたい」と提案したところ、新たな治具の制作を任され、無事更新することができました。傍で見守ってくださっていた開発担当者から、「次は製品の設計に参加しないか」とお誘いを受けたんです。小さな設計会社に入社したのに、日本を代表するような大手企業で仕事ができたことは、自分にとって大きな自信と経験になりました。

自ら改善提案をした、その積極性をかっていただいて、中小企業から出向いている高卒の若手に、チャンスを与えてくださった。そのふところの深さに感激するとともに、「自らアクションを起こす」ことの大切さを学びましたね。自分の発言がきっかけとなって大手企業の設計チームに参加し、そこで回路設計の基礎から応用まで、ひと通り学ぶことができましたから。

「派遣」という働き方のメリットに気づく

ただ、その大手電機メーカーでの仕事が完了し、勤務先に戻ったあとが大変でした。なかなか設計の仕事が回ってこない状態が続いてしまって。それで別の設計会社に転職し、また大手企業の現場に入らせてもらうことになりました。研究所で最先端の機器の回路設計を担当したのですが、勤務先が経営不振になってしまい…。今度は派遣会社を通じて、別の大手メーカーの受託開発に携わることになったんです。

このとき、「派遣」という働き方のメリットに気づきました。大手企業での開発の仕事は、とても規模が大きく、技術的にも最先端。エンジニアとして、とてもやりがいがある仕事です。でも、大手企業に社員として入社してしまうと、開発の仕事ができるとは限らない。部署の異動がひんぱんにありますし、エンジニアとして最前線に立ち続けることよりも、管理職になることを求められますから。その点、エンジニア派遣であれば、大手企業で働けて、しかもずっと現場での仕事ができる。ただ、当時、私が所属していた派遣会社は給料が安かった。「派遣」という働き方には可能性を感じていましたが、家族を養うために、正社員で働くことにしたんです。

転職先は、産業用機器を開発する会社でボードコンピュータの開発を担当。鉄道車両、ITS(Intelligent Transport Systems)機器、半導体製造装置などに搭載される、高度な技術や信頼性を要するモノの開発に従事し、経験を積むことになりました。このとき、一般社団法人 エレクトロニクス実装学会の電磁特性技術委員会が主催するセミナーに参加したのが、EMCとかかわるようになったきっかけです。もともとは、「他社のエンジニアと交流できるかな」という軽い気持ちで参加したんです。座学だけでなく、いくつかのグループに分かれ実際に機器をつくって電磁波ノイズを出さないことを競い合うという、コンテスト形式だったので「おもしろそうだな」とエンジニア魂をくすぐられたこともありますね。そこでEMCの奥深さを知り、また主催者や参加者の方々との出会いがあって、学会の活動に積極的に参加するように。EMC領域を深く掘り下げていくことになったんです。

OSTechはエンジニアの社外活動を認めてくれた

学会にかかわるハイスキルなエンジニアの方々と交流していくなかで、「この人たちと対等にわたりあいたい。それには、もっとエンジニアとしてのレベルを高めなければ」と思うようになりました。そこで転職活動を開始し、OSTechに出会ったんです。会社の説明を聞いて、「私が希望することがすべてつまった会社だ」と感じましたね。

まず仕事をするかたわら、学会の活動を継続することを認めてもらえたこと。「ああ、いいですね!」という感じで、なんの制約もありませんでした。ほかにも転職先の候補はあったんですが、「うーん…」という反応だったんです。エンジニアが業務以外のことに時間をとられるのを嫌っている。でも、OSTechは違った。目先の業務のこと以上に、エンジニアが社外活動を通じてスキルアップして、それを業務に還元してくれるのを、むしろ推奨している印象があります。とてもありがたいですね。

また、OSTechは「派遣」という形態であり、大手と豊富な取引実績があることにも魅力を感じました。大手企業の開発現場にずっと携わることで、高いレベルの経験を積み、エンジニアとしてスキルアップできる。しかも、正社員として雇用されて給与条件も満足のいくものでした。こうしたことから、入社することを決めたんです。

入社後、実際に学会活動と両立させながら、しっかりスキルアップできていると思います。たとえば、いまの現場ではじめて「電磁界シミュレータ」を使うことができました。これは、電磁界特性をコンピュータ上のバーチャル空間で解析する装置。これが使えると、EMCの設定をするうえでも、電磁波が発生する原因を特定するうえでも、大いに役立つ。しかし、とても高額な装置なので、導入しているのはごく一部の企業だけ。あつかえるエンジニアもかなり限られる。そんな最先端装置を導入している会社の現場で働けるのも、そんな装置を使うことを認められるのも、OSTechがお客さまから頼りにされているからこそ。電磁界シミュレータを思う存分、使いこなすたびに、「いい会社に転職できた」と実感しています(笑)。

編集部が直撃インタビュー! この機会に聞いちゃいました

とても意欲的に取り組んでいる山下さん。若手エンジニアは、どうしたら山下さんのようなレベルにまで成長できるのでしょう。

私自身、まだまだですが…。そうですね、ひとつあげるとするなら、「おもしろいと思うことを見つける」こと。趣味の延長でもいい。おもしろいと思ったことを深掘りしてみてほしいですね。そうすることで発見があるし、身につくことは多いはずです。あとは、そのおもしろさを共有する仲間を見つけて交流を深めていけば、さらに吸収することが増えるでしょうね。

なるほど。山下さん自身は、EMCの学会活動以外に、なにか「おもしろい」ことを見つけているのでしょうか。

40歳くらいからゴルフを続けています。若いときから興味があったんですが、はじめる機会がなくて…。たまたま、学会で出会った方と行くことになり、それをきっかけに本格的にはじめました。ゴルフを通して出会った人のなかには、大学の学長さんだとか、企業の社長さんだとか、すばらしいキャリアの人たちも多い。それに健康のために、適度な運動は必要。リフレッシュできます。

ありがとうございます。若手エンジニアも、ゴルフをやってみるべきですね!

ゴルフでなくてもいいんですよ(笑)。なんでもいいので、ほかのエンジニアと交流できそうな趣味の場を探してみるといいと思います。そして積極的に声をかけ、交流すること。私自身のいままでの経験からいえることは、エンジニアとして知識や技術を磨くのはもちろん必要ですけれど、それに加えて、人とコミュニケーションをとれることが大事。自分から人とかかわるように意識すれば道が拓ける。とくに、若手であれば先輩から可愛がられることも多い。私が経験してきたようなチャンスは、いくらでもあると思いますよ。

確かに、そうですね。今日はありがとうございました!

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