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2020.11.16

【新聞広告制作の裏側レポート】第40回新聞広告賞大賞受賞 広告掲載まで1か月!! ホントに間に合うの!?

2020年9月、アウトソーシングテクノロジーの新聞広告「会えなくても、一生同期だ2020.4.1」が、日本の広告賞として権威ある「第40回新聞広告賞」で大賞を受賞したことが発表されました。
制作には、広告制作チームほか、新入社員、新卒採用部の担当者など、部署の垣根を越えてたくさんの方が協力してくれました。皆さんの協力に感謝しつつ、最初から最後までリミット状態が続いた広告制作の裏側で、どんなことが起こっていたのかリポートします。

今回受賞した新聞広告賞は、新聞広告の可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資するため日本新聞協会が1981年に設けたもの。広告に携わるクリエイターたちが憧れる名誉ある賞です。今年度は、広告主部門に寄せられた331件の応募作品のなかでも「社内外の新社会人を勇気づけ、多くの読者の感動を呼ぶとともに、新聞広告の伝達力の強さと新たな活用法を示したもの(一部抜粋)」として高く評価され、OSTechが大賞を受賞いたしました。48種類の広告を52紙で掲載するという大型企画や、コピー文を上からも下からも読ませる仕掛けで話題となった「わたしは、私。2020」等、数ある有名広告をおさえ、新聞広告初出稿で大賞受賞という、とんでもない快挙を成し遂げたのです!

関連サイト

新聞広告賞2020|新聞広告データアーカイブ

全新聞や新聞広告に関する総合サイト。過去8年500件以上の新聞広告が検索可能。加盟新聞社の販売部数、新聞・新聞広告の特性を表す各種データ、新聞広告の各社入稿規定もお伝えしています。

 

新聞広告『会えなくても、一生同期だ2020.4.1』が 「第40回新聞広告賞」で大賞を受賞 ~新入社員から同期に向けたメッセージをモザイクアートで展開~|株式会社アウトソーシングテクノロジー

アウトソーシングテクノロジーのインフォメーションページです。アウトソーシングテクノロジーからのお知らせ、プレスリリース、社内イベントを掲載しています。

中止になった集合形式の入社式

広告が掲載された4月1日は、グループ9社約2,000名の新入社員が集合する入社式が予定されていました。しかし、2020年の1月末から徐々に新型コロナウイルスの感染が拡大。2月中旬には、入社式をオンデマンド形式に移行することが検討されはじめ、正式に中止とされたのは経営会議が開催された2月27日。そこから、中止になったことで浮いた予算をどのように活用するのか、検討が始まりました。

気球、打ち上げ花火…上がっては消えていく企画案【掲載まで1か月】

「茂手木社長から、入社式は一生に一度しかないものなので、全員で集まれないのは仕方がないとしても、何か強く心に残るものを考えてほしい。集合形式の入社式を中止したことで浮いた予算を新入社員に使えないかと言われました」と広報ブランディング室 山根弘行 室長 兼 新卒採用部部長は当時を振り返ります。
入社にあたって、新入社員が一体感を持てるようにオリジナルデザインのノートやストラップを準備していましたが、「それだけでは足りない。未来に向けて上を向いて欲しいと、気球や花火の打ち上げなど様々な案を検討しました」。

突然下りてきたモザイクアート広告案【掲載まで19日】

「新入社員からメッセージを集めてモザイクアートで表現しよう!」。さまざまな案が提案されたものの決めかねていた時、不意に山根室長にモザイクアート広告の案が思い浮かびます。「まさに“下りてきた”という感じでバシッとビジュアルまで頭に浮かんだ」と山根室長。そうして、広告制作チームが組まれ、ようやく広告企画が前向きに進みはじめました。
でも、新聞広告で進めると決まったのは3月13日。入社式まで20日を切っていました…。

そもそも紙面おさえられるんですか!?

新聞広告の出稿には、本来1か月以上の時間が必要とされています。というのも、全国紙の新聞広告は高額。その分、宣伝効果が求められるため、制作にも慎重にならざるを得ません。さらに4月1日は、事業年度の新しい期がスタートする日であるため、掲載するページをおさえるのは至難の技です。どんなにいい広告を制作しても、掲載する紙面がなければ意味がありません。ここは、普段から採用関係でお付き合いのある広告代理店にお願いし、なんとか朝日新聞の紙面を確保することができました。

モザイクアートには何文字必要? ギリギリのメッセージ収集【掲載まで15日】

広告紙面確保の動きと同時に、モザイクアートを構成するメッセージを集めるため、新卒採用部が動き始めます。活動し始めたのはなんと3月17日! 広告掲載日の2週間前でした…。サプライズ企画とするため、メッセージを何に使うかは秘密。「入社にあたって同期宛のメッセージを発信してください」とだけ案内しました。
当時担当だった新卒採用課の入倉里咲さんは「電話、SNS、メールで、数日の内に50人以上に連絡しました。3日くらいで紙面を埋めることができる分量のメッセージが集まったと聞いています。時間が本当になくて『後何分!』と声がかかるなか、連絡、収集をした記憶があります」と話してくれました。メッセージは、入社式で会うことができなかった新入社員たちが、“広告紙面で集合する”という今回の広告の“肝”。コロナ禍で元気をなくしているのではないかと心配しましたが、会えない残念さを払拭する前向きなメッセージが集まり、チーム一同、「新しい仲間たちのために一生の記念となるいいものを作らなければ」と身が引き締まる思いでした。

新入社員たちのメッセージ 25,000文字でできたモザイクアートをCHECK

そうして集められたメッセージをモザイクアートに展開するには、まず文字校正が必須!メッセージをエクセルに貼り付け、置き換え機能で表記を統一。同じ人のメッセージが2回登場しないか、新聞に掲載されて問題のない表現かなど、あらゆる角度からチェックをし、アートに変換していきます。

図案が決まらない… モザイクアートならではの悩み【掲載まで7日】

新聞全面分を埋めるメッセージの準備ができました! ここからはアートディレクターの腕の見せどころ。広告制作チームをディレクターの立場で率いたのは、広報ブランディング室でHPや印刷物、動画など、ビジュアルに関するほぼすべてのものについてディレクターを務めている林 昌輝さんです。
「これまで新聞広告はもちろん、あらゆる広告を制作してきましたが、モザイクアートは初めての経験でした。ビジュアルとしても成立しなければならないし、みんなから集めたメッセージもしっかり読めないといけないし。図案選びや印刷の濃淡の調節が難しかったですね」と話します。入稿用のデータが完成した後も、何度も色校正(色の出ぐあいやバランスを確認する作業)を繰り返し、本当にぎりぎりのタイミングとなる掲載日1週間前に校了にこぎ着けました!

ようやく完成!? でも、そこに新たなミッションが…

あとは掲載を待つのみ、のはずですが…実は並行して新たなミッションが進行していました。新入社員を応援するため、研修期間中に都市圏の主要駅のデジタルサイネージ広告に加え、新聞を手に入れられない新入社員のための動画制作を山根室長が追加企画したのです! ホッとする間もなく、怒涛のようなミッションの嵐に常に綱渡りの進行が続く状況でしたが、メンバーそれぞれが能力を発揮し、広告&動画ミッションをようやくクリアすることができました。

動画制作の裏側はBLOG内の「【動画出演者インタビュー】動画出演者は誰だ!? 新入社員の密かな活躍」でご確認ください。

ブログを読む|株式会社アウトソーシングテクノロジーのWEB社内報『OSTech ONLINE MAGAZINE』

株式会社アウトソーシングテクノロジーのWEB社内報『OSTech ONLINE MAGAZINE』では、代表(茂手木 雅樹)やエンジニアたちのインタビュー記事を通して、OSTechのビジョン・社風や、エンジニアたちの仕事内容・キャリアストーリー・やりがいなどを紹介しています。

掲載後の反響と届いた噂

掲載当日は、駅の売店で販売している新聞すべてを購入し、OSTechの露出がどの広告よりも目立っていることを確認! そして新聞を見た新入社員からは「自分もがんばろうと思えた!」や、他社の新入社員、親世代からも「心に響いた」など、SNSで数多くコメントが寄せられました。新型コロナウイルス感染症の拡大がなければ、きっと掲載されることのなかった広告。新入社員のみなさんの入社の思い出に花を添えることできていれば、関係者一同の苦労も浮かばれます。
そして…過ぎ去った春の嵐が「いい思い出」として感じられるようになった8月下旬。
以前から、ひょっとして新聞広告賞にノミネートされるかもという噂はありましたが、思いも寄らぬ“新聞広告大賞”に内定したとの連絡が!!!! 初出稿で大賞受賞という快挙が、この時確定したのでした。

帝国ホテルでの授賞式

そして「新聞広告の日」である10月20日、山根室長が会社を代表し、大賞の賞状、トロフィー、メダルを受け取りました。
受賞にあたり、山根室長は、「広告には、同期の顔を見ることなく新しい環境に飛び込む新入社員たちに、少しでもつながりを感じて欲しい、困難な時代を突破し、柔軟で素晴らしい社会人に成長して欲しいという願いを込めました。当社にとっては初の試みでしたが、多くの反響もいただき、改めて新聞広告の力を思い知らされた次第です(一部抜粋)」とあいさつしました。
審査員の講評として、コピーライターの一倉 宏氏からは「新聞広告には日付がある。その重さも今回の審査を通じ、あらためて思い知ることになった。広告主部門の大賞、アウトソーシングテクノロジーの「会えなくても、一生同期だ」は、まさに「2020.4.1」の日付を持つ。それが、ほんとうに特別な年の特別な一日であったことを、この作品は後世に伝えてくれるに違いない」、またアートディレクターの葛西 薫氏には「新聞広告大賞を受賞したアウトソーシングテクノロジーの広告は、コロナ禍において入社を迎えることとなった新入社員たちにとって、「2020.4.1」を特別な一日に変えた」とコメントをいただきました。(共に「新聞広告賞第40集」より一部抜粋)

新型コロナウイルス感染拡大という、歴史的にも社会的にも大きな転換点を迎えるなか、たくさんの方々のご協力を得て、暗中模索を続けながら悪戦苦闘した結果、このような名誉ある賞を受賞することができたのです。

ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました!!